相続放棄申述の必要書類
(最終更新日:2026年7月17日)
司法書士に相続放棄の手続きをご依頼いただいた場合には、家庭裁判所へ提出する相続放棄申述書の作成だけでなく、添付書類となる戸籍謄本や住民票除票などの取得についても、すべておまかせいただくことが可能です。
そのため、司法書士へ依頼する場合には、事前に必要書類の詳細を把握しておく必要はありませんが、ご参考のために、相続放棄の申述に必要となる書類について解説します。
なお、ここで解説しているのは、相続放棄の申述において一般的に必要となる書類です。申述先の家庭裁判所や個別の事情によっては、ここに記載しているもの以外の書類の提出を求められることもあります。ご自身で手続きをする場合には、必要書類について、事前に管轄家庭裁判所へご確認ください。
高島司法書士事務所(千葉県松戸市)へのご相談は予約制です。「ご相談予約・お問い合わせ」のページをご覧のうえ、事前にご連絡くださいますようお願いいたします。
また、当事務所の「相続放棄」のページでは、相続放棄ができる期限、必要書類、費用、手続き上の注意点などについて、分かりやすく解説しています。
相続放棄申述の必要書類(目次)
2-3.申述人が被相続人の直系尊属(父母、祖父母等)である場合
2-4.申述人が被相続人の兄弟姉妹またはその代襲相続人である場合
3-1.同じ戸籍謄本等は1通で足ります
1.相続放棄の申述に共通して必要となる書類等
- 相続放棄申述書
- 被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍謄本)
- 被相続人の住民票除票(または戸籍の附票)
- 申述人(相続放棄をする人)の戸籍謄本
- 収入印紙 800円分
- 郵便切手 110円×3枚(千葉家庭裁判所の場合)
相続放棄申述書の書式および記載例は、裁判所ウェブサイトの「相続の放棄の申述」のページでご覧いただけます。
なお、相続放棄の申述に必要な収入印紙は、申述人1人につき800円分です。連絡用の郵便切手の金額および内訳は裁判所によって異なるため、申述先の家庭裁判所へ事前に確認することをおすすめします。
・相続放棄申述書(記載例)
2.申述人と被相続人との関係に応じた必要書類
相続放棄の申述に最低限必要となる添付書類は、被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍謄本)および住民票除票(または戸籍の附票)と、申述人(相続放棄をする人)の戸籍謄本です。
ただし、申述人と被相続人との関係によっては、これら以外の戸籍謄本等も必要となります。
被相続人の配偶者や子以外の人が相続放棄をする場合、必要な添付書類を判断するのが難しいこともあります。司法書士に手続きをご依頼いただく場合には、相続放棄に必要な戸籍謄本等の取得についても、すべておまかせいただくことが可能です。
また、ここで解説する書類以外にも、審理のために裁判所から追加書類の提出を求められることがあります。その場合には、裁判所から指示を受けた後に取得し、追加提出すれば差し支えありません。
2-1.申述人が被相続人の配偶者である場合
- 被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍謄本)
- 被相続人の住民票除票(または戸籍の附票)
- 申述人(相続放棄をする人)の戸籍謄本
申述人が被相続人の配偶者(妻または夫)である場合、「被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本等」と「申述人の戸籍謄本」は、通常、同一のものです。この場合には、夫婦が記載されている戸籍謄本1通があれば足りることになります。
ただし、被相続人の死亡後に戸籍が改製された場合や、申述人が転籍した場合などには、被相続人の死亡の記載があるのが除籍謄本や改製原戸籍謄本となっていることがあります。この場合には、被相続人の死亡の記載のある除籍謄本または改製原戸籍謄本に加えて、申述人の現在の戸籍謄本も必要となります。
2-2.申述人が被相続人の子またはその代襲相続人である場合
- 被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍謄本)
- 被相続人の住民票除票(または戸籍の附票)
- 申述人(相続放棄をする人)の戸籍謄本
- 申述人が代襲相続人である場合は、被代襲者の死亡の記載のある戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍謄本)
申述人が未婚である場合など、被相続人と同じ戸籍に記載されているときは、「被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本等」と「申述人の戸籍謄本」は同一のものです。そのため、この場合には、戸籍謄本1通があれば足りることになります。
また、申述人が代襲相続人である場合には、被代襲者である本来の相続人が、被相続人より先に死亡していることを確認するため、その死亡の記載のある戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍謄本)も必要です。
代襲相続とは、本来であれば相続人となるはずであった被相続人の子または兄弟姉妹が、相続開始前に死亡している場合などに、その人の子が代わって相続人となることをいいます。くわしくは、「代襲相続」のページをご覧ください。
(図)被相続人の孫が代襲相続人となる場合

上図の例では、被相続人Aの長男Bが被相続人Aより先に死亡しているため、長男Bの子Cが代襲相続人となります。
そのため、被相続人Aの相続人は、妻、長女、二女、および子Cです。なお、長男Bの妻は相続人にはなりません。
2-3.申述人が被相続人の直系尊属(父母、祖父母等)である場合
- 被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍謄本)
- 被相続人の住民票除票(または戸籍の附票)
- 申述人(相続放棄をする人)の戸籍謄本
- 被相続人の子およびその代襲相続人で死亡している人がいる場合は、その人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍謄本)
- 申述人より下の代の直系尊属が死亡している場合は、その直系尊属の死亡の記載のある戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍謄本)
被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本等が必要となるのは、被相続人の子およびその代襲相続人の有無を明らかにするためです。
直系尊属が相続人となるのは、被相続人に子やその代襲相続人がいない場合、または、その全員が相続放棄をしている場合だからです。
被相続人の子で、被相続人より先に死亡している人がいる場合には、その子の出生から死亡までのすべての戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍謄本)も必要となります。
これは、死亡した子に子、つまり被相続人の孫がいる場合、その孫が代襲相続人となるためです。また、代襲相続人となる孫も先に死亡している場合には、ひ孫が再代襲相続人となる可能性があるため、その有無を確認する必要があります。
さらに、申述人より下の代の直系尊属が死亡している場合には、その直系尊属の死亡の記載のある戸籍謄本等も必要です。
たとえば、被相続人の祖母が申述人となる場合には、祖母より被相続人に近い世代である父母の死亡の記載のある戸籍謄本等が必要となります。祖母が相続人となるのは、被相続人の父母がいずれも死亡している場合などに限られるためです。
なお、被相続人の父母が死亡している場合だけでなく、父母が相続放棄をした場合にも、存命の祖父母がいれば、その祖父母が相続人となります。
2-4.申述人が被相続人の兄弟姉妹またはその代襲相続人である場合
(図)被相続人の兄弟姉妹が相続人となる場合

上図の例では、被相続人Aの子が全員相続放棄をしており、父母などの直系尊属もすでに死亡しているため、兄Bが第三順位の相続人となります。
※兄Bが存命である場合には、子Cは被相続人Aの相続人にはなりません。
申述人が被相続人の兄弟姉妹である場合には、主に次の書類が必要です。
兄弟姉妹が相続人である場合の相続放棄の必要書類
- 被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍謄本)
- 被相続人の住民票除票(または戸籍の附票)
- 申述人(相続放棄をする人)の戸籍謄本
- 被相続人の直系尊属のうち、存命の可能性がある人について、死亡の記載のある戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍謄本)
被相続人の兄弟姉妹が相続人となるのは、次の条件を満たしている場合です。
- 第一順位の相続人である子またはその代襲相続人が存在しないか、相続人となる人が全員相続放棄をしていること
- 第二順位の相続人である直系尊属について、死亡または相続放棄により、相続人となる人がいないこと
そのため、兄弟姉妹が相続放棄をする際には、上記の条件を満たしていることを確認できる戸籍謄本等を提出する必要があります。
上記1を確認するためには、被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本等を取得し、被相続人の子の有無を明らかにします。
また、被相続人の子が先に死亡している場合には、その子に代襲相続人となる子がいるかどうかについても確認する必要があります。
上記2を確認するためには、生年月日などから存命の可能性がある父母、祖父母、曾祖父母などの直系尊属について、死亡の記載のある戸籍謄本、除籍謄本または改製原戸籍謄本を取得します。
兄弟姉妹の代襲相続人(甥・姪)が相続人となる場合
(図)兄弟姉妹の代襲相続人(甥・姪)が相続人となる場合

上図の例では、被相続人Aの子が全員相続放棄をしており、父母などの直系尊属もすでに死亡しています。さらに、兄Bが被相続人Aより先に死亡しているため、兄Bの子Cが代襲相続人となります。
被相続人の兄弟姉妹が相続人となる場合に、その兄弟姉妹が被相続人より先に死亡しているときは、死亡した兄弟姉妹に子がいれば、その子である甥・姪が代襲相続人となります。
この場合には、兄弟姉妹が相続放棄をする場合の必要書類に加えて、被代襲者である兄弟姉妹について、死亡の記載のある戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍謄本)が必要となります。
3.相続放棄申述の必要書類についての補足
3-1.同じ戸籍謄本等は1通で足ります
複数の必要書類に該当する戸籍謄本等が同一である場合には、同じ書類を重複して提出する必要はなく、1通を提出すれば足ります。
たとえば、被相続人と申述人が夫婦である場合、「被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本等」と「申述人の戸籍謄本」は、通常、同一のものとなります。この場合には、夫婦が記載されている戸籍謄本等を1通提出すれば足ります。
また、申述人が未婚の子であり、被相続人と同じ戸籍に記載されている場合も同様です。
3-2.すでに裁判所へ提出されている戸籍謄本等の取扱い
同一の被相続人について、ほかの相続人が先に相続放棄の申述をしている場合、その関連事件ですでに裁判所へ提出されている戸籍謄本等は、原則として再度提出する必要がありません。
たとえば、被相続人の子が相続放棄をした後に、兄弟姉妹が相続放棄をする場合、先行する相続放棄申述事件ですでに提出されている戸籍謄本等については、提出を省略できることがあります。
ただし、どの書類がすでに提出されているか分からない場合や、裁判所から提出を求められた場合には、その指示に従って提出します。
3-3.相続開始から3か月を経過した後の相続放棄
相続開始から3か月を経過した後に相続放棄の申述をする場合には、通常の必要書類に加えて、「自己のために相続の開始があったことを知った時期」や、「それまで相続放棄をしなかった事情」などを説明する上申書(事情説明書)を提出することがあります。
また、事情を裏付ける資料として、債権者から送付された督促状、請求書、通知書などの写しを提出することもあります。
上申書(事情説明書)の作成や添付資料の選定についても、司法書士におまかせいただくことが可能です。
相続放棄の管轄裁判所(全国の家庭裁判所に対応)
相続放棄の手続きを行うには、家庭裁判所へ相続放棄申述書および必要な添付書類を提出する必要があります。
相続放棄の申述は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に対して行います。
被相続人とは、亡くなられた方のことです。相続放棄をする方(申述人)の住所地を管轄する家庭裁判所で手続きをすることはできませんので、ご注意ください。
たとえば、被相続人の最後の住所地が次の地域にある場合、相続放棄の管轄裁判所は次のとおりです。
- 千葉県松戸市・柏市・流山市・我孫子市・鎌ケ谷市・野田市 → 千葉家庭裁判所松戸支部
- 千葉県市川市・船橋市 → 千葉家庭裁判所市川出張所
- 東京23区 → 東京家庭裁判所(東京都千代田区霞が関)
郵送による申述が可能です(全国対応)
司法書士は、相続放棄申述書の作成だけでなく、家庭裁判所への提出手続も行うことができます。また、相続放棄申述書は管轄の家庭裁判所へ郵送で提出できるため、申述人ご本人が裁判所へ出向く必要は通常ありません。
松戸の高島司法書士事務所では、2002年の事務所開業以来、相続放棄申述書の作成を多数取り扱っております。千葉家庭裁判所松戸支部への相続放棄はもちろん、全国の家庭裁判所に対する相続放棄の申述にも対応しています。
全国どこの家庭裁判所への申述であっても、裁判所が遠方であることを理由とする追加費用は発生しません。
相続放棄のよくある質問
相続放棄のよくある質問のページでは、下記のとおり相続放棄についての様々な質問への回答をご覧になれます。
- 相続放棄できる期間(3ヶ月の熟慮期間の起算点)
- 3ヶ月経過後の相続放棄(特別な事情がある場合)
- 相続人が未成年の場合(特別代理人選任の要否)
- 相続放棄申述をしているか不明な場合
- 相続放棄申述受理証明書の交付を受けるには?
- 相続放棄申述受理通知書は相続登記の添付書類となる?
- 相続放棄申述の撤回、取消は出来る?
- 3ヶ月以内に放棄、承認の選択が出来ない場合
- 一部の相続人が相続放棄した場合の、債務の取り扱い
- 相続放棄しても生命保険の死亡保険金を受け取れる?
- 相続人が相続放棄する前に死亡したとき(再転相続)
- 遺贈の放棄はどうすればよいのか?
- 相続放棄が出来なくなる場合とは?(法定単純承認事由)
- 1人に相続分を集中させるための相続放棄はできる?
- 遺産分割協議が成立した後に、相続放棄はできる?
- 被相続人の生前に相続放棄できる?
- 相続分の譲渡と相続放棄の違いは?
- 相続放棄する際の必要書類の集め方
- 先順位相続人が相続放棄した場合(代襲相続する?)
- 相続放棄は自分で出来る?
- 相続放棄しても未支給年金は受け取れる?
- 相続放棄しても遺族年金は受け取れる?
- 兄弟姉妹の相続放棄(手続き、必要書類)
- 家庭裁判所での相続放棄申述受理の効力は絶対なのか
- 相続放棄しても死亡退職金は受け取れる?
- 相続放棄する相続人が海外在住の場合の必要書類や手続き
- 直系尊属が相続放棄すると誰が相続人になるのか
- 父の相続放棄をしても叔父を代襲相続するか
- 被相続人の住民票除票等が取れない場合(死亡届記載事項証明書の請求)
- DNA鑑定をする場合の相続の開始を知った日
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