3ヶ月経過後の相続放棄も松戸の高島司法書士事務所にご相談ください

遺産分割協議において自らは財産を承継しなかった相続人が、後に多額の債務の存在を知って相続放棄しようとした事例で、遺産分割協議が要素の錯誤により無効なため、法定単純承認の効果も発生していないとした裁判例があります。相続放棄のご相談は、千葉県松戸市の高島司法書士事務所へ。

遺産分割協議の後に相続放棄はできるのか

(最終更新日:2025年9月30日)

被相続人の死亡後に遺産分割協議は行ったものの、自分は何も相続していない」という状況で、その後に多額の債務が発覚した場合には、その時点からでも相続放棄が認められることがあります。

千葉県松戸市の高島司法書士事務所(松戸駅東口徒歩1分)では、2002年の開業以来20年以上にわたり、ホームページやブログをご覧いただいた方から、相続放棄に関するご相談やご依頼を多数承ってまいりました。特に、3ヶ月経過後の相続放棄の取り扱い経験も豊富です。

専門家であっても相続放棄の取扱い経験が少ない場合には、相続放棄が認められるかどうかを自信を持って判断するのは難しいことがあります。まして、法律の専門家ではない一般の方にとっては、このページの内容を正しく理解するのは容易ではないでしょう。

当事務所では、過去に遺産分割協議書へ署名押印をしているケースにおける相続放棄の手続きを、実際に何度も取り扱ってきました

相続放棄のご相談は高島司法書士事務所(千葉県松戸市)へどうぞ。ご相談は予約制となっておりますので、「ご相談予約・お問い合わせ」のページをご覧いただき、事前にご連絡くださいますようお願いいたします。


1.遺産分割協議と単純承認

2.遺産分割協議後の相続放棄が認められる場合

3.相続放棄のご相談(全国の裁判所に対応します)

1.遺産分割協議と単純承認

遺産分割協議を行うことは、相続における法定単純承認の事由に該当するため、原則としてその後に相続放棄をすることはできません。遺産分割協議は、相続財産について相続分を有していることを認識し、その前提のもとに相続分を処分する行為だからです。

しかし、遺産分割協議において自らは財産を承継しなかった相続人が、その後に多額の債務の存在を知り相続放棄をしようとした事例で、「遺産分割協議が要素の錯誤により無効であり、法定単純承認の効果も発生しない」とした裁判例があります。

大阪高等裁判所平成10年2月9日決定では、次のように判断されています。

民法915条1項所定の熟慮期間については、相続人が相続の開始の原因たる事実及びこれにより自己が法律上の相続人となった事実を知った場合であっても、3ヶ月以内に相続放棄をしなかったことが、相続人において、相続債務が存在しないか、あるいは相続放棄の手続きを取る必要をみない程度の少額にすぎないものと誤信した為であり、かつそのように信じるにつき相当な理由があるときは、相続債務のほぼ全容を認識したとき、または通常これを認識しうべきときから起算すべきものと解するのが相当である。

そのうえで、さらに次のような判断を示しています。

多額の相続債務の存在を認識していれば、当初から相続放棄の手続きを採っていたものと考えられ、相続放棄の手続きを採らなかったのは、相続債務の不存在を誤信していたためであり、前記の通り被相続人と抗告人らの生活状況、他の共同相続人との協議内容の如何によっては、本件遺産分割協議が要素の錯誤により無効となり、ひいては法定単純承認の効果も発生しないとみる余地がある。そして、仮にそのような事実が肯定できるとすれば、相続放棄の熟慮期間は、債権者からの督促により債務の存在を知ったとき起算するのが相当というべきである。

つまり、遺産分割協議が無効であれば、法定単純承認事由も発生していないことになります。そのため、多額の債務の存在を知ったときから3か月以内であれば、相続放棄の申述が受理される可能性があるのです。ただし、同様の事例でも異なる判断をした裁判例もあるため、相続放棄の申述を行う際には十分な注意が必要です。

また、この裁判例では次のようにも示されています。

申述受理の審判は基本的には公証行為であり、審判手続きで申述が却下されると、相続人は訴訟手続きで申述が有効であることを主張できないから、その実質的要件について審理判断する際には、これを一応裏づける程度の資料があれば足りるものと解される。

したがって、この点を踏まえた主張をすることも有効といえるでしょう。

2.遺産分割協議後の相続放棄が認められる場合

まず、遺産分割協議によって被相続人が所有していた不動産を相続した相続人が、その後に相続放棄をすることは、認められない可能性が高いと考えられます。

不動産の価値に比べて、後に発覚した債務が非常に多額である場合などには、相続放棄が認められる余地があるかもしれません。しかし、その場合でも「相続財産を処分した」という事実が明らかである以上、相続放棄が認められるのは容易ではありません。

これに対し、遺産分割協議書に署名押印はしているものの、もともと自分が相続すべき財産は全く存在しないと考えていて、他の相続人から求められるままに署名押印したというような事情があるときには、その後に多額の債務が発覚したような場合には、相続放棄が認められる可能性は十分にあると考えられます。

つまり、「遺産分割協議には参加したが、自分は何も相続していない」というケースで、その後に多額の債務が発覚した場合です。当事務所でも、このようなケースにおける相続放棄の申立てを実際に何度も行い、受理されています

相続放棄の申述受理の審理」ページでも解説しているとおり、家庭裁判所の実務においては、相続放棄は実質的な要件を欠いていることが明白な場合に限って申述を却下する取扱いがされています。

したがって、遺産分割協議後であっても「相続放棄は絶対にできない」と決めつけず、相続放棄の手続きに精通した専門家へご相談されることをおすすめします。高島司法書士事務所(千葉県松戸市)へのご相談は予約制となっておりますので、「ご相談予約・お問い合わせ」のページをご覧のうえ、事前にご予約ください。

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3.相続放棄のご相談(全国の裁判所に対応します)

相続放棄申述受理の申立ては、相続開始地(被相続人の最後の住所地)を管轄する家庭裁判所に対して行います(相続人の住所地ではありません)。

たとえば、相続開始地が千葉県松戸市・野田市・柏市・流山市・我孫子市・鎌ケ谷市の場合は千葉家庭裁判所松戸支部、市川市・船橋市の場合は千葉家庭裁判所市川出張所、東京23区内であれば東京家庭裁判所(霞が関)となります。

ただし、家庭裁判所への相続放棄申述受理の申立ては郵送でも可能です。当事務所は多数の相続放棄を取り扱ってきた豊富な経験と実績があり、郵送による手続きでも問題なく対応できます(実際、地元である松戸の家庭裁判所以外へは、すべて郵送による申立てをおこなっています)。

そのため、全国どこの裁判所への申立ても千葉県松戸市の高島司法書士事務所にご依頼いただけます。遠方だからといって追加費用がかかることもありません(ただし、ご依頼の際には、原則として面談によるご相談が必要です)。

高島司法書士事務所は松戸駅東口から徒歩1分という便利な場所にあります。最初に一度だけ松戸市の当事務所へお越しいただければ、その後の手続きは電話・メール・LINE・郵送などで進めることが可能です。

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