法定相続人・法定相続分(相続人の範囲・順位と相続割合)

法定相続人の範囲・順位と法定相続分を、表と具体例で解説します。相続放棄や代襲相続がある場合の相続人・相続割合、戸籍による確認について、千葉県松戸市の高島司法書士事務所がご案内します。

法定相続人・法定相続分とは

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法定相続人・法定相続分とは

(最終更新日:2026年9月7日)

法定相続人とは、被相続人(亡くなった人)の財産上の権利や義務を相続する人として、民法で定められた人のことです。また、法定相続分とは、民法で定められた各相続人の相続割合のことです。

誰が相続人となるかは、被相続人との法律上の親族関係や相続順位によって決まり、相続人の組み合わせによって法定相続分も異なります。

相続放棄をした人がいる場合や、代襲相続が生じている場合には、それらを踏まえて相続人と相続分を確認する必要があります。

1.法定相続人の範囲と順位

2.法定相続分とは

3.相続放棄をした人がいる場合

4.代襲相続・再代襲相続と相続分

5.法定相続人の確認と相続手続き

1.法定相続人の範囲と順位

被相続人の配偶者は、常に相続人となります。配偶者以外の人については、次の順位に従って相続人となります。

相続順位相続人となる人
第1順位子(代襲相続人となる孫などを含みます)
第2順位直系尊属(父母・祖父母など)
第3順位兄弟姉妹(代襲相続人となる甥・姪を含みます)

先順位の相続人がいる場合、後順位の人は相続人になりません。配偶者がいる場合には、配偶者と、上記のうち最も順位の高い人が共同して相続人となります。

1-1.配偶者

ここでいう配偶者とは、法律上の婚姻関係にある夫または妻のことです。内縁関係にある人や、すでに離婚した元配偶者は、配偶者としての相続権を有しません。

第1順位から第3順位までの相続人が、代襲相続人を含めて誰もいない場合には、配偶者だけが相続人となります。

なお、配偶者についても、相続放棄をした場合や、相続欠格・廃除によって相続権を失った場合には、相続人となりません。

1-2.第1順位の相続人(子)

被相続人に子がいる場合には、子が第1順位の相続人となります。実子だけでなく、養子も子として相続人となります。

子が相続開始以前に死亡している場合などには、その子である孫などが代襲相続人となることがあります。

そのため、第2順位の直系尊属が相続人となるかどうかを判断するときは、子だけでなく、代襲相続人となる孫などがいないかも確認する必要があります。

1-3.第2順位の相続人(直系尊属)

子やその代襲相続人など、第1順位の相続人がいない場合には、父母や祖父母などの直系尊属が相続人となります。

直系尊属の間では、被相続人との親等が近い人が優先します。たとえば、父母のいずれかが相続人となる場合には、祖父母は相続人になりません。

父母が死亡または相続放棄などによっていずれも相続人とならず、祖父母が存命である場合には、兄弟姉妹よりも先に祖父母が相続人となります。

1-4.第3順位の相続人(兄弟姉妹)

第1順位の相続人も、第2順位の直系尊属もいない場合には、兄弟姉妹が相続人となります。

兄弟姉妹が相続開始以前に死亡している場合などには、その人の子である甥・姪が代襲相続人となることがあります。

配偶者がいない場合にも相続順位は変わらず、第1順位から第3順位までのうち、最も順位の高い人が相続人となります。

2.法定相続分とは

法定相続分とは、民法で定められた各相続人の相続割合のことです。

配偶者と他の相続人が共同して相続する場合の法定相続分は、次のとおりです。

相続人の組み合わせ配偶者の相続分配偶者以外の相続人の相続分
配偶者と子2分の1子全員で2分の1
配偶者と直系尊属3分の2直系尊属全員で3分の1
配偶者と兄弟姉妹4分の3兄弟姉妹全員で4分の1

たとえば、相続人が配偶者と子2人である場合には、配偶者の法定相続分が2分の1、子の法定相続分がそれぞれ4分の1となります。

配偶者だけが相続人である場合には、配偶者が全部を相続します。配偶者がいない場合には、相続人となる子、直系尊属または兄弟姉妹が、その順位の相続人全員で全部を相続します。

同じ立場の相続人が複数いる場合、その相続分は原則として均等です。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1となります(民法900条4号)。

また、代襲相続人の相続分は、代襲される人が受けるはずであった相続分をもとに計算します(民法901条)。

なお、法定相続分は、必ずその割合で遺産を分けなければならないという意味ではありません。遺産分割協議では、相続人全員の合意により、法定相続分と異なる割合で遺産を分けることもできます。遺言書がある場合には、その内容も確認する必要があります。

3.相続放棄をした人がいる場合

相続放棄をするには、家庭裁判所へ相続放棄の申述をする必要があります。相続人同士の話合いで遺産を受け取らないことにしただけでは、家庭裁判所でおこなう相続放棄とは異なります。

相続放棄をした人は、その相続について、初めから相続人とならなかったものとみなされます(民法939条)。

また、相続放棄は代襲相続の原因にはなりません。相続放棄をした人に子がいても、その相続放棄を理由として子が代わりに相続人となることはありません。

相続放棄によって、代襲相続人を含む第1順位の相続人がいなくなった場合には、第2順位の直系尊属が相続人となります。さらに、第2順位の相続人もいなくなった場合には、第3順位の兄弟姉妹やその代襲相続人が相続人となります。

ただし、被相続人の子の一人が相続開始以前に死亡し、その子である孫が代襲相続人となっている場合には注意が必要です。他の子が全員相続放棄しても、その孫が相続人として残る限り、直系尊属に相続順位は移りません。

相続放棄をした人だけでなく、その結果、誰が相続人となるのかを確認することが重要です。

相続放棄について

4.代襲相続・再代襲相続と相続分

4-1.子の代襲相続・再代襲相続

被相続人の子が相続開始以前に死亡した場合には、その人の子である孫が代襲相続人となります。ただし、子の代襲相続では、代襲相続人が被相続人の直系卑属であることが必要です。

直系卑属とは、子、孫、ひ孫など、本人から直系につながる下の世代の血族をいい、養子縁組による法定血族も含まれます。

また、被相続人の子が、相続欠格または廃除によって相続権を失った場合にも、代襲相続が生じます。

代襲相続人となるはずの孫も相続開始以前に死亡している場合などには、その子であるひ孫が相続人となることがあります。これを再代襲相続といいます。

ひ孫より下の世代についても、要件を満たす限り再代襲相続が認められます(民法887条2項・3項)。

4-2.養子の子が代襲相続人となる場合

被相続人の直系卑属であることが必要という条件は、養子の子が代襲相続人となるかどうかを判断する際に問題となることがあります。

養子縁組によって、養親と養子との間には親子関係が生じますが、養親と縁組前に生まれていた養子の子との間には、その養子縁組による親族関係は生じません。

そのため、被相続人との間にほかの親族関係がない場合には、縁組前に生まれていた養子の子は被相続人の直系卑属に当たらず、養子が被相続人より先に死亡しても、代襲相続人にはなりません。

一方、養子縁組後に生まれた養子の子は、養親の直系卑属となります。そのため、養子が被相続人である養親より先に死亡した場合には、その子が代襲相続人となります。

4-3.兄弟姉妹の代襲相続

兄弟姉妹が相続人となる場合に、その兄弟姉妹が相続開始以前に死亡しているときは、その人の子である甥・姪が代襲相続人となります。兄弟姉妹が相続欠格によって相続権を失った場合も同様です。

ただし、現在の民法では、兄弟姉妹の代襲相続は甥・姪までであり、その子への再代襲相続は認められていません(民法889条2項)。

4-4.代襲相続人の相続分(具体例)

代襲相続人の相続分は、代襲される人が受けるはずであった相続分をもとに計算します。同じ人を代襲する孫が2人いる場合には、その人が受けるはずであった相続分を2人で均等に分けます(民法901条)。

たとえば、被相続人に配偶者と子2人(長男・長女)がいたものの、長男が被相続人より先に死亡しており、長男には子2人がいる場合を考えます。

この場合、被相続人の相続人は、配偶者、長女、長男の子である孫2人の計4人です。法定相続分は、次のとおりとなります。

相続人法定相続分
配偶者2分の1
長女4分の1
長男の子である孫1人目8分の1
長男の子である孫2人目8分の1

長男が存命であれば、長男と長女の法定相続分は、それぞれ4分の1です。長男が先に死亡しているため、長男が受けるはずであった4分の1を、その子2人で均等に分け、孫の相続分はそれぞれ8分の1となります。

兄弟姉妹の子である甥・姪が代襲相続人となる場合にも、代襲される兄弟姉妹が受けるはずであった相続分をもとに計算します。

代襲相続について

5.法定相続人の確認と相続手続き

相続登記や遺産分割協議を進めるには、誰が相続人であるかを正確に確認する必要があります。

通常は、被相続人の出生時から死亡時までの戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍謄本を含みます)や、相続人の戸籍謄本等を収集して親族関係を確認します。

兄弟姉妹が相続人となる場合や、代襲相続が生じている場合には、被相続人の父母や、先に死亡した子・兄弟姉妹の戸籍謄本等も必要となります。

また、数次相続が生じている場合には、各相続について、それぞれ誰が相続人となるのかを正確に確認する必要があります。

相続人を確定するために必要な戸籍の範囲は、相続関係によって異なります。そのため、遺産分割協議をおこなう前に、専門家による確認を受けることをおすすめします。

松戸の高島司法書士事務所では、相続人を確認するための戸籍謄本等の収集から、遺産分割協議書の作成、相続登記の申請まで、ご依頼いただけます。

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