抵当権抹消と相続登記を申請する順番
(最終更新日:2026年3月19日)
この記事では、抵当権抹消登記をしようとする際に、その不動産の登記記録上の所有者がすでに亡くなっている場合の手続きについて解説します。
司法書士に相談し、登記手続きを依頼する場合には、とくにご自身で理解しておく必要のない内容です。抵当権抹消登記の一般的な解説については、松戸の高島司法書士事務所の抵当権抹消登記のページをご覧ください。
抵当権抹消登記や相続登記などの不動産登記のことなら、千葉県松戸市の高島司法書士事務所(松戸駅東口徒歩1分)へご相談ください。当事務所では、2002年2月の開業以来20年以上にわたり、多数の相続登記、抵当権抹消登記、その他の不動産登記手続きを取り扱ってまいりました。
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抵当権抹消と相続登記を申請する順番
被相続人が所有していた不動産に抵当権が設定されており、その抵当権を抹消しようとする場合、誰が抵当権抹消登記の申請人(登記権利者)となるのでしょうか。
この点については、債務の完済により抵当権が消滅した時期が、相続開始の前か後かによって結論が異なります。
なお、司法書士に手続きを依頼した場合には、いずれのケースであっても、相続登記(相続による所有権移転登記)と抵当権抹消登記を連件で申請するのが通常です。
相続登記を行わず、被相続人名義のままで抵当権抹消登記のみを申請するのは、特別な事情がある場合に限られるでしょう。
また、相続登記と抵当権抹消登記を同時に申請せず、相続登記が完了した後に、あらためて抵当権抹消登記を申請することも可能です。ただし、同日に連件で申請する場合に比べると、手間も時間もかかります。
この記事のポイント
- 相続開始後に抵当権が消滅した場合は、先に相続登記が必要
- 相続開始前に抵当権が消滅していた場合は、被相続人名義のまま抵当権抹消登記を申請することも可能
- もっとも、実務上は相続登記と抵当権抹消登記を連件で申請するのが一般的
抵当権抹消と相続登記を申請する順番(目次)
(1) 相続開始後に抵当権が消滅した場合
(2) 相続開始前に抵当権が消滅していた場合
(3) 相続登記と抵当権抹消登記を連件で申請するのが通常
(4) まとめ
(1) 相続開始後に抵当権が消滅した場合
住宅ローンの完済が相続開始後である場合には、抵当権抹消登記をする前に、まず相続登記をする必要があります。
たとえば、住宅ローンの債務者が完済前に亡くなった場合でも、団信(団体信用生命保険)に加入していれば、保険金の支払いにより住宅ローンが完済されることがあります。
この場合、ローンが完済されたのは相続開始後です。したがって、抵当権抹消登記の登記権利者となるのは相続人であり、次の順番で申請することになります。
- 1件目 相続登記(被相続人から相続人への所有権移転登記)
- 2件目 抵当権抹消登記(登記権利者は、1件目の登記により所有者となった相続人)
つまり、先に相続登記を済ませなければ、抵当権抹消登記を申請することはできません。
(2) 相続開始前に抵当権が消滅していた場合
被相続人が生前に住宅ローンを完済していたものの、抵当権抹消登記をしないまま亡くなってしまった場合には、被相続人名義のままで抵当権抹消登記を申請することも可能です。
この場合には、相続人のうち1人が登記権利者となって抵当権抹消登記を申請することができます。この登記申請は保存行為として認められるためです。
この抵当権抹消登記を申請する際には、次のような書類を添付します。
- 相続開始の事実を証する被相続人の戸籍(除籍)謄本
- 登記申請人となる相続人の戸籍謄本 など
このように、相続登記をしないまま抵当権抹消登記のみを申請することも可能です。そのため、遺産分割協議に時間がかかり、すぐに相続登記を申請できない場合 には、先に抵当権抹消登記だけを済ませておくことにも実益があります。
(3) 相続登記と抵当権抹消登記を連件で申請するのが通常
もっとも、相続による所有権移転登記をした後に抵当権抹消登記をするのであれば、相続登記によって登記名義人となった相続人が、そのまま登記権利者として抵当権抹消登記を申請できます。
そのため、あえて被相続人名義のままで抵当権抹消登記を申請しなくても、相続登記と抵当権抹消登記を連件で申請すれば足りる場面がほとんどです。
したがって、抵当権抹消登記のみを先に申請しておく必要があるのは、遺産分割協議に時間がかかるなどの理由により、すぐには相続登記を申請できない場合などに限られるでしょう。
(4) まとめ
被相続人名義の不動産について抵当権抹消登記をする場合には、抵当権が消滅した時期が相続開始の前か後かを確認することが重要です。
- 相続開始後に抵当権が消滅した場合 先に相続登記を申請し、その後に抵当権抹消登記を申請します。
- 相続開始前に抵当権が消滅していた場合 被相続人名義のままで抵当権抹消登記を申請することも可能です。
ただし、実務上は、相続登記と抵当権抹消登記を連件で申請するのが通常です。どの方法で進めるべきかは、遺産分割の状況や必要書類の有無によっても異なりますので、判断に迷う場合には司法書士へ相談するのが安心です。
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