遺言書の検認(封印されていない自筆証書遺言でも必要か)
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(公開日:2014年10月31日)
封印とは「その物の使用や開閉を禁ずるために、封じ目に印を押したり証紙を貼りつけること」をいいます(三省堂 大辞林)。
自筆証書遺言を書いた場合、封筒に入れて糊付けした上で、封じ目に印鑑を押すのが通常です(封印する際は、遺言書に押したのと同じ印鑑を使用します)。このように封印をしておくことで、遺言内容の秘密が守られますし、改ざんされてしまうことも防げます。
ただし、封印の有無は遺言書の有効性とは関係ありません。封印がなくとも、自筆証書遺言の要件を満たしていれば、遺言書として有効です。
封印の無い遺言書でも家庭裁判所での検認は必要
それでは、封印がされていない遺言書であっても、家庭裁判所で検認を受ける必要はあるのでしょうか?
封筒に入れておらず、紙1枚に書かれた遺言書であれば内容は丸見えですから、わざわざ検認など受ける必要は無いようにも思えます。しかし、結論としては封印の無い遺言書であっても、家庭裁判所での検認は必要です。
遺言書の検認は「遺言の方式に関する一切の事実を調査して遺言書の状態を確定しその現状を明確にするため」におこないます。
遺言の方式に関する調査とは、日付、署名、押印がどのようになっているか、何が書かれているのかの他、どのような用紙何枚に、どのような筆記用具で書かれているかなども含まれます。家庭裁判所での検認期日においてこのような調査をおこなった上で、その結果を記録した検認調書が作成されるのです。
検認手続が済んだら「検認済証明書」を付けた遺言書の交付を受けます。検認済証明書は、遺言書とホチキス等で綴じ、割印(契印)されています。そして、相続登記などの遺産相続手続きをする際には、検認済み証明書が付いた遺言書が必要となります。
(参考)遺言書検認についての民法の規定
遺言書検認については、民法1004条で規定されています。この第3項で、封印のある遺言書は、家庭裁判所で開封しなければならないとされているわけです。
第1004条 遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない。遺言書の保管者がない場合において、相続人が遺言書を発見した後も、同様とする。
2 遺前項の規定は、公正証書による遺言については、適用しない。
3 封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いがなければ、開封することができない。
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