親子間の不動産贈与(相続時精算課税) | 千葉県松戸市の高島司法書士事務所

65歳以上の親から、20歳以上の子に対して不動産の贈与をする際には、相続時精算課税を選択することにより贈与税を支払わずに済む場合ががあります。相続、贈与、遺贈、など不動産登記のことなら千葉県松戸市の高島司法書士事務所へご相談ください。

親子間の不動産贈与(相続時精算課税)

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親名義の不動産(土地、家、マンションなど)を、子の名義に。また、親子共有の不動産を、子の単独名義に変更する場合などに、贈与がおこなわれます。

不動産を贈与したときには、贈与契約書を作成するとともに、すみやかに名義変更(贈与による所有権移転)の登記をします。この一連の手続きは不動産登記の専門家である、司法書士にご相談・ご依頼ください。

財産の贈与をする際には、贈与税について事前に検討しておくことが大切です。親子の間でも、財産を無償でゆずり渡した場合には贈与税がかかるのが原則ですが、相続時精算課税を選択することにより贈与税を支払わずに済む場合があります。

親子間の不動産贈与でかかる税金

親子間で不動産の贈与をした場合にかかる税金として、贈与税、不動産取得税の概要について解説します。また、贈与にともない名義変更(所有権移転登記)をする際には登録免許税がかかります。

1.贈与税(相続時精算課税)

親が所有している不動産を、子に贈与する場合であっても、贈与税がかかるのが原則です。贈与税の基礎控除額は110万円ですから、その控除額を超えた部分に贈与税がかかるわけです。

ところが、60歳以上の父母(または祖父母)から、20歳以上の子(または孫)などに対して贈与をする際には、相続時精算課税を選択することにより贈与税を支払わずに済む場合ががあります。

(1) 相続時精算課税の適用対象者

贈与者(財産をあげる人)は贈与をした年の1月1日において60歳以上の父母または祖父母、受贈者(財産をもらう人)は贈与を受けた年の1月1日において20歳以上の人のうち、贈与者の直系卑属(子や孫)である推定相続人または孫とされています。

推定相続人とは、現時点で相続が開始した場合に、相続人となる人をいいます。たとえば、被相続人に配偶者と子がいれば、その配偶者および子が推定相続人です。また、子が親よりも先に亡くなっているときには、その代襲者である孫が推定相続人となります。なお、相続時精算課税の制度が適用できるかにあたっての、推定相続人であるかどうかの判定は、その贈与の日において行います。

(2) 税額の計算

相続時精算課税では、贈与時に贈与財産に対する贈与税を納め、その贈与者が亡くなった時にその贈与財産の贈与時の価額と相続財産の価額とを合計した金額を基に計算した相続税額から、既に納めたその贈与税相当額を控除することにより贈与税・相続税を通じた納税を行うものです。

相続時精算課税での贈与税額の計算

相続時精算課税を選択した場合、その年に贈与を受けた贈与財産の合計額から2,500万円(特別控除額)を控除した後の金額の20%が贈与税額となります。したがって、贈与する財産が2,500万円までであれば贈与税はかからないことになります。

相続時精算課税が適用される贈与財産の種類、金額、贈与回数に制限はありませんが、特別控除額の2,500万円は生涯を通じて贈与を受けた全ての財産についての合計額です。たとえば、今年1,500万円の贈与を受け、来年1,000万円の贈与を受ければ、それで特別控除額を使い果たすことになります。

相続時精算課税での相続税額の計算

贈与者(親)が亡くなったときには、贈与済みの財産の価額と、残された相続財産の価額の合計金額により計算した相続税額から、すでに納めた贈与税相当額を控除することにより贈与税・相続税を通じた納税を行います。

したがって、相続時精算課税を選択して生前贈与を受けても、相続により遺産を引き継いだとしても納めるべき税額(贈与税と相続税の合計)に損得は無いように思えますが、ここで注意すべき点があります。

(3) 相続時精算課税を選択する際の注意事項

相続税がかかることが明らかな場合、暦年課税による110万円の基礎控除を生かして、複数回の贈与を行った方が相続税額を抑えることができることになります。暦年課税による贈与の場合、相続開始前3年以内のものを除き相続税の課税対象にならないため、相続財産そのものを減らせるからです。

また、相続税を計算する際の贈与財産の価額は贈与時の価額とされているため、贈与の後に財産の価額が下落した場合、相続時精算課税を選択したことによって支払うべき相続税額が増えてしまう場合もあります。

一方、相続税がかからない場合であって、生前贈与をする財産の価額が2,500万円までであれば、相続時精算課税を利用することによるデメリットは無いと考えられます。ただし、相続税の税制が改正により、現行の税制では相続税がかからなかった方についても、改正後には課税されることになるかもしれません。

いったん相続時精算課税を選択してしまうと、後になって通常の課税方法(暦年課税)に変更できないので慎重な判断が必要です。

2.不動産取得税

不動産取得税の税額は、土地および住宅については不動産の価格の3%です。不動産の価格は固定資産評価額によりますが、土地(宅地)については、評価額の2分の1が課税価格となります。

したがって、土地が1,000万円、家屋が300万円であれば、不動産取得税は24万円となります。

(1,000万円÷2+300万円)×3%=24万円…不動産取得税

ただし、一定の要件に当てはまる住宅、土地の贈与の場合には不動産取得税が軽減されます。そのため、ご自宅として住まわれている住宅の贈与では、不動産取得税がかからないか、かかっても少額で済むことも多いです。くわしくは、下記リンク先「中古住宅を取得した場合の不動産取得税の軽減」のページをご覧ください。

中古住宅を取得した場合の不動産取得税の軽減

3.登録免許税

不動産を贈与し、名義変更の登記(贈与による所有権移転)をする際には登録免許税がかかります。贈与による所有権移転登記の登録免許税額は、不動産の価額(固定資産評価額)の2%です。

たとえば、不動産の固定資産評価額が1,000万円であれば、登録免許税は20万円となります。
・贈与による所有権移転登記のの登録免許税額:1,000万円×2%=20万円

「贈与登記」の関連情報
不動産贈与登記
 不動産贈与登記の必要書類、手続きの流れなどについては、不動産贈与登記のページをご覧ください。
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贈与登記申請書・委任状の記載例

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