親子間の不動産贈与(相続時精算課税)
(最終更新日:2026年9月2日)
親名義の不動産(土地、建物、マンションなど)を子の名義に変更する場合や、親子共有の不動産を子の単独名義に変更する場合などには、贈与による所有権移転登記が必要となります。
不動産を贈与するときには、贈与契約書を作成したうえで、速やかに名義変更(贈与による所有権移転登記)をおこないます。この一連の手続きについては、不動産登記の専門家である司法書士へご相談・ご依頼ください。
不動産を贈与するときには、贈与税について事前に検討しておくことも大切です。親子間の贈与であっても贈与税の課税対象となりますが、相続時精算課税を選択することにより、贈与時には贈与税がかからない場合があります。
千葉県松戸市の高島司法書士事務所(松戸駅東口徒歩1分)では、親子間の不動産贈与に伴う所有権移転登記のご相談を承っております。当事務所へのご相談は完全予約制ですので、「ご相談予約・お問い合わせ」のページをご覧のうえ、事前にご連絡くださいますようお願いいたします。
また、当事務所の「贈与登記」のページもぜひご覧ください。
なお、このページは、高島司法書士事務所(千葉県松戸市)が情報提供のために作成したものです。贈与税や相続税など税金に関する個別具体的な内容については、税務署または税理士へお問い合わせください。
親子間の不動産贈与でかかる税金
親子間で不動産を贈与した場合にかかる贈与税、不動産取得税および登録免許税の概要について解説します。贈与に伴う名義変更(所有権移転登記)をおこなう際には登録免許税がかかります。
親子間の不動産贈与でかかる税金【目次】
1-1.相続時精算課税の適用対象者
1-2.税額の計算
2.不動産取得税
3.登録免許税
1.贈与税(相続時精算課税)
親が所有している不動産を子に贈与した場合、その不動産は贈与税の課税対象となります。
暦年課税では、1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額から、年110万円の基礎控除額を差し引いて贈与税を計算します。
これに対し、贈与者と受贈者が一定の要件を満たす場合には、相続時精算課税を選択できます。
相続時精算課税を選択した場合には、1年間に贈与を受けた相続時精算課税適用財産の価額の合計額から年110万円の基礎控除額を控除し、さらに特別控除額(限度額2,500万円)を控除した残額に対して一律20%の贈与税がかかります。
相続時精算課税の選択に係る贈与者(特定贈与者)が1人であり、特別控除額の残額が2,500万円ある場合には、その年にその特定贈与者から受けた贈与の合計額が2,610万円までであれば、贈与税はかかりません。
特別控除額2,500万円は、同じ特定贈与者から受けた贈与について複数年を通じた限度額であり、毎年2,500万円を控除できるものではありません。前年以前に特別控除を利用している場合には、その残額が限度額となります。
また、相続時精算課税を一度選択すると、その選択に係る贈与者から受ける贈与については、その選択をした年分以降、暦年課税へ変更することができません。
相続時精算課税の適用対象者や、相続時精算課税を選択した場合の贈与税・相続税の計算方法についての概要は、次のとおりです。
相続時精算課税の適用要件や手続きの詳細については、国税庁公式サイトの「相続時精算課税の選択」をご覧いただくか、税務署または税理士へお問い合わせください。
相続時精算課税の概要については、当事務所の「相続時精算課税とは(贈与税)」のページもご覧ください。
1-1.相続時精算課税の適用対象者
相続時精算課税を選択できる人の原則的な要件は、次のとおりです。
- 贈与者(財産を与える人):贈与をした年の1月1日において60歳以上の父母または祖父母など
- 受贈者(財産を受ける人):贈与を受けた年の1月1日において18歳以上であり、贈与者の直系卑属(子や孫など)である推定相続人または孫
推定相続人とは、贈与の日現在において、贈与者について相続が開始したと仮定した場合に相続人となる人をいいます。
たとえば、贈与者に子がいる場合には、その子が推定相続人となります。子が贈与者より先に亡くなっている場合には、その子の子である孫が、代襲相続人として推定相続人となることがあります。
なお、孫は、推定相続人であるかどうかにかかわらず、年齢などの要件を満たせば相続時精算課税の適用対象者となります。
1-2.税額の計算
(1)贈与税額の計算
相続時精算課税適用財産については、その選択をした年分以降、特定贈与者以外の人から受けた贈与財産と区分して、贈与税額を計算します。
贈与税額は、特定贈与者ごとに、次の手順で計算します。
- その特定贈与者から1年間に贈与を受けた相続時精算課税適用財産の価額の合計額から、相続時精算課税に係る基礎控除額(年110万円)を控除します。
- さらに、特別控除額(限度額2,500万円)を控除します。前年以前に特別控除を利用している場合には、その残額が限度額となります。
- 基礎控除額と特別控除額を控除した後の金額に、一律20%の税率を乗じて贈与税額を計算します。
相続時精算課税を初めて選択する場合には、所定の期限までに「相続時精算課税選択届出書」を提出する必要があります。また、特別控除額は、贈与税の期限内申告書を提出した場合に限り控除できます。
なお、同じ年に2人以上の特定贈与者から相続時精算課税による贈与を受けた場合でも、年110万円の基礎控除額が贈与者ごとに適用されるわけではありません。各特定贈与者から贈与を受けた財産の価額に応じて、110万円を按分して計算します。
(2)相続税額の計算
特定贈与者が亡くなったときは、それまでにその特定贈与者から贈与を受けた相続時精算課税適用財産について、所定の金額を相続税の課税価格に加算して、相続税を計算します。
令和6年(2024年)1月1日以後に贈与を受けた財産については、贈与を受けた年分ごとに、相続時精算課税適用財産の贈与時の価額の合計額から、相続時精算課税に係る年110万円の基礎控除額を差し引いた残額が、相続税の課税価格に加算されます。
これに対し、令和5年(2023年)12月31日以前に贈与を受けた相続時精算課税適用財産については、贈与時の価額が相続税の課税価格に加算されます。
上記により相続税の課税価格に加算される金額と、相続または遺贈によって取得した財産の価額を合計して相続税額を計算します。すでに納めた相続時精算課税に係る贈与税相当額がある場合には、その金額を相続税額から控除します。
相続税額から控除しきれない贈与税相当額があるときは、相続税の申告をすることにより還付を受けることができます。
2.不動産取得税
不動産取得税は、売買、交換、贈与などによって不動産(土地、家屋)を取得した人に課される都道府県税です。
不動産取得税の税額は、不動産の価格 × 不動産の種類に応じた税率で計算します。
| 取得時期 | 土地 | 住宅(家屋) | 住宅以外の家屋 |
|---|---|---|---|
| 平成20年4月1日から令和9年3月31日まで | 3% | 3% | 4% |
- 不動産の価格は、市町村の固定資産課税台帳に登録されている価格(固定資産評価額)によります。新築住宅などで価格が登録されていない場合には、固定資産評価基準により評価した価格によります。
- 令和9年3月31日までに取得した宅地評価土地(宅地および宅地比準土地)については、不動産の価格を2分の1として計算する特例措置があります。
たとえば、令和9年3月31日までに、固定資産評価額が1,000万円の宅地評価土地と、固定資産評価額が300万円の住宅を贈与により取得した場合、住宅および住宅用土地についてのその他の軽減措置を考慮しないときの不動産取得税は、次のとおりです。
(1,000万円 ÷ 2 × 3%)+(300万円 × 3%)=24万円
したがって、この場合の不動産取得税は24万円となります。
ただし、一定の要件を満たす住宅や住宅用土地を取得した場合には、申告(申請)により不動産取得税の軽減を受けられます。軽減措置の適用により、不動産取得税がかからないこともあります。
詳しくは「中古住宅を取得した場合の不動産取得税の軽減」のページをご覧ください。
また、不動産取得税は都道府県税であるため、詳しい内容は、不動産の所在地を管轄する都道府県のウェブサイトなどでご確認ください。千葉県内の不動産については、千葉県の「不動産取得税」のページで確認できます。
3.登録免許税
不動産を贈与して名義変更(贈与による所有権移転登記)をおこなう際には、登録免許税がかかります。贈与による所有権移転登記の登録免許税率は、不動産の価額の1,000分の20(2%)です。
ここでいう不動産の価額は、市町村の固定資産課税台帳に登録されている価格(固定資産評価額)によります。
たとえば、不動産の固定資産評価額が1,000万円であれば、登録免許税は次のとおり計算されます。
1,000万円 × 2% = 20万円
したがって、この場合の登録免許税は20万円となります。
贈与登記の関連情報
贈与による不動産(土地・建物・マンション)の名義変更(所有権移転登記)についての総合案内のページです。
贈与登記の必要書類について詳しく解説しています。
夫婦の間で不動産を贈与し所有権移転登記をする場合の、贈与税の特例(夫婦間での居住用不動産贈与の配偶者控除)、不動産取得税、登録免許税などについて解説しています。
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