相続登記に使う印鑑証明書に有効期限はある?

遺産分割協議による相続登記に添付する印鑑証明書には有効期限がなく、相続開始前に交付されたものも使用できます。預貯金などの相続手続きとの違いや、印鑑証明書の原本還付について解説します。

遺産分割協議書の印鑑証明書の有効期限

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遺産分割協議書の印鑑証明書の有効期限

(最終更新日:2026年8月24日)

遺産分割協議に基づいて相続登記をする場合には、相続人全員が署名して実印を押印した遺産分割協議書と、それぞれの印鑑証明書を添付します。

相続登記に使用する印鑑証明書には、有効期限がありません。そのため、発行から長期間が経過している印鑑証明書や、相続開始前に交付された印鑑証明書であっても、相続登記に使用できる場合があります。

ただし、預貯金や有価証券などの相続手続きでは、発行後6か月以内の印鑑証明書を求められるのが一般的です。金融機関や手続きの内容によって取扱いが異なるため、提出先へ確認する必要があります。

1.相続登記に使用する印鑑証明書に有効期限はない

2.相続開始前に交付された印鑑証明書も使用できる

3.預貯金などの相続手続きでは6か月以内が一般的

4.印鑑証明書は原本還付を受けることができる


1.相続登記に使用する印鑑証明書に有効期限はない

売買や贈与による所有権移転登記の申請に添付する登記義務者の印鑑証明書は、作成後3か月以内のものでなければなりません。

これに対し、遺産分割協議による相続登記の申請に添付する印鑑証明書には、そのような有効期限は定められていません。

たとえば、遺産分割協議書を作成して相続人全員が署名押印し、その際に印鑑証明書も取得したものの、相続登記を申請しないまま何年も経過してしまうことがあります。

このような場合でも、遺産分割協議書の内容に問題がなく、協議書に押印された印影と印鑑証明書の印影が一致していれば、当時の遺産分割協議書と印鑑証明書を使用して相続登記を申請することができます。

ただし、印鑑証明書に有効期限がないことと、相続登記の申請期限がないことは別です。相続登記には法律上の申請期限があるため、古い印鑑証明書を使用できる場合であっても、相続登記はできるだけ早く申請する必要があります。

2.相続開始前に交付された印鑑証明書も使用できる

遺産分割協議による相続登記に使用する印鑑証明書は、遺産分割協議の成立後に取得したものである必要はありません。

遺産分割協議書に押印された実印に対応する印鑑証明書であれば、相続開始前、つまり被相続人が死亡する前に交付されたものであっても、相続登記に使用することができます。

ただし、印鑑証明書の交付後に相続人が転居したため、印鑑証明書と遺産分割協議書に記載された住所が相違する場合には、住所移転の経過を証明する住民票の除票や戸籍の附票などが必要になることがあります。

3.預貯金などの相続手続きでは6か月以内が一般的

銀行預金や証券会社の口座などの相続手続きでは、発行後6か月以内の印鑑証明書を求められるのが一般的です。ただし、印鑑証明書について求められる期限は、金融機関や手続きの内容によって異なり、発行後3か月以内のものを求められることもあります。

そのため、相続登記には使用できる印鑑証明書であっても、預貯金や有価証券の相続手続きには使用できない場合があります。相続登記とこれらの相続手続きを併せておこなうときは、提出先が定める期限を確認したうえで、必要に応じて新しい印鑑証明書を取得します。

4.印鑑証明書は原本還付を受けることができる

相続登記の申請時に所定の原本還付の手続きをおこなえば、法務局へ提出した印鑑証明書は、登記完了後に返却してもらうことができます。

そのため、不動産が複数の法務局の管轄区域にある場合には、最初の相続登記で使用した印鑑証明書の原本還付を受けた後、別の法務局への相続登記に使用することもできます。

また、相続登記の完了後に返却された印鑑証明書を、預貯金などの相続手続きに使用することもできます。預貯金などの相続手続きでも、印鑑証明書の原本は確認後に返却されるのが通常です。

ただし、金融機関が定める有効期限を過ぎている場合には、新しい印鑑証明書を取得する必要があります。

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