相続時精算課税とは(贈与税)

相続時精算課税とは、贈与時の贈与税と贈与者の死亡時の相続税を通じて精算する制度です。選択できる人、年110万円の基礎控除、特別控除2,500万円、税率20%、相続財産への加算、暦年課税へ戻れない点を解説します。

相続時精算課税とは(贈与税) – 相続・遺言の用語集

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(最終更新日:2026年9月1日)

相続時精算課税とは、一定の要件を満たす贈与者から受贈者への贈与について、贈与時に贈与税を計算し、贈与者が亡くなったときに、その贈与財産を相続財産に加えて相続税を計算する制度です。

相続時精算課税を選択すると、その贈与者から受ける贈与については、暦年課税へ変更することができません。そのため、制度の内容を確認したうえで選択することが重要です。

1.相続時精算課税の概要

2.相続時精算課税を選択できる人

3.贈与税額の計算

4.贈与者が亡くなったときの相続税

5.暦年課税へ戻ることはできない

6.相続時精算課税に関する関連情報

1.相続時精算課税の概要

贈与税の課税方法には、暦年課税と相続時精算課税があります。

暦年課税では、1年間に贈与を受けた財産の価額を基に、その年分の贈与税を計算します。

これに対し、相続時精算課税では、贈与時に年110万円の基礎控除や特別控除を適用して贈与税を計算し、贈与者が亡くなったときに、相続時精算課税を適用した贈与財産を相続財産に加えて相続税を計算します。

相続時精算課税は、贈与者ごとに選択する制度です。たとえば、父からの贈与について相続時精算課税を選択し、母からの贈与については暦年課税を適用することもできます。

2.相続時精算課税を選択できる人

相続時精算課税を選択できる贈与者と受贈者の原則的な要件は、次のとおりです。

  • 贈与者:贈与をした年の1月1日において60歳以上の父母または祖父母など
  • 受贈者:贈与を受けた年の1月1日において18歳以上であり、贈与者の直系卑属(子や孫など)である推定相続人または孫

推定相続人とは、現時点で相続が開始した場合に相続人となる人をいいます。

相続時精算課税を選択する場合には、原則として、贈与税の申告期間内に相続時精算課税選択届出書などを税務署へ提出する必要があります。

なお、住宅取得等資金の贈与について一定の要件を満たす場合には、贈与者が贈与をした年の1月1日において60歳未満であっても、相続時精算課税を選択できる特例があります。ただし、受贈者については、贈与を受けた年の1月1日において18歳以上であることが必要です。

3.贈与税額の計算

令和6年(2024年)1月1日以後の贈与については、相続時精算課税に係る年110万円の基礎控除が設けられています。

さらに、相続時精算課税を選択した贈与者ごとに、累計2,500万円までの特別控除を利用できます。特別控除額は毎年2,500万円ではなく、同じ贈与者から受けた贈与についての累計額です。

年110万円の基礎控除と特別控除額を超えた部分には、一律20%の税率で贈与税がかかります。

なお、同じ年に2人以上の特定贈与者から相続時精算課税による贈与を受けた場合でも、年110万円の基礎控除が贈与者ごとに適用されるわけではありません。各贈与者から贈与を受けた財産の価額に応じて、110万円を按分して計算します。

4.贈与者が亡くなったときの相続税

相続時精算課税を選択した贈与者が亡くなったときは、相続時精算課税を適用して贈与を受けた財産を相続財産に加えて、相続税を計算します。

令和6年(2024年)1月1日以後に贈与を受けた財産については、原則として、贈与時の価額から相続時精算課税に係る年110万円の基礎控除額を差し引いた残額が、相続税の課税価格に加算されます。

これに対し、令和5年(2023年)12月31日以前に贈与を受けた相続時精算課税適用財産については、原則として贈与時の価額が加算されます。

相続時精算課税による贈与について、すでに納めた贈与税がある場合には、その贈与税相当額を相続税額から控除します。控除しきれない金額があるときは、相続税の申告をすることにより還付を受けられる場合があります。

5.暦年課税へ戻ることはできない

相続時精算課税を一度選択すると、その選択をした贈与者から受ける贈与については、その選択をした年分以降、暦年課税へ変更することができません。

ただし、相続時精算課税は贈与者ごとに選択する制度であるため、相続時精算課税を選択していない別の贈与者から受ける贈与については、暦年課税を適用できます。

相続時精算課税を選択するかどうかは、贈与する財産の内容や価額、将来の相続財産、相続税がかかる可能性などを考慮して判断する必要があります。

6.相続時精算課税に関する関連情報

相続時精算課税の適用要件、届出や申告の手続き、税額の計算などについては、国税庁のウェブサイトをご確認ください。
相続時精算課税の選択(国税庁)

親から子への不動産贈与と、贈与税、不動産取得税、登録免許税の概要については、次のページで解説しています。
親子間の不動産贈与(相続時精算課税)

松戸の高島司法書士事務所では、親子間の不動産贈与などに伴う所有権移転登記のご相談を承っています。ただし、相続時精算課税を選択すべきかどうかの判断や、贈与税・相続税の具体的な計算については、税務署または税理士へご相談ください。

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