婚外子(非嫡出子)がいる場合の相続対策 | 千葉県松戸市の高島司法書士事務所

法定相続人による遺産分割協議へは、非嫡出子(婚外子)も含めた全員でおこなう必要があります。配偶者およびその他の家族に存在を知らせていない子供(隠し子)がいる場合、円満に遺産分割協議を行うのが困難である可能性が高いといえます。遺産相続手続きのことなら千葉県松戸市の高島司法書士事務所へご相談ください。

婚外子(非嫡出子)がいる場合

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婚外子(非嫡出子)がいる場合の相続対策

(最終更新日:2024年10月24日)

婚外子(婚姻関係に無い男女の間に生まれた子)のことを非嫡出子といいます。非嫡出子であっても、父が認知すれば、認知者である父の戸籍に記載され法定相続人となります。

結婚する前に、妻となる人以外の女性との間に子がいたり、結婚後であっても、配偶者以外の間に子ができたような場合、また、内縁関係(事実婚)の夫婦間の子も非嫡出子です。このように、法律上の婚姻関係に無い男女の間に生まれた子であっても、父が認知していれば相続人となります

したがって、相続人による遺産分割協議は、非嫡出子(婚外子)も含めた相続人全員でおこなう必要があります。被相続人が生前に、遺言書を作成するなどの対策をおこなっていなかった場合には、遺産分割協議を円満におこなうのが難しいこともあるでしょう。

1.子供の存在は必ず発覚します

もしも、被相続人が子(非嫡出子)の存在を、現在の家族に内緒にしていたとしても、相続手続きをおこなう際には必ずその存在が発覚します。遺産分割協議には法定相続人の全員が参加する必要があり、そのために相続人の調査をおこなうからです。

具体的には、被相続人が出生してから死亡するまでの全ての戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍)を取得することにより、被相続人の子の全員の存在が明らかになります。婚姻関係にない相手方との子であっても、父が認知していれば、認知者である父の戸籍謄本(または、除籍謄本、改製原戸籍)に、子を認知した旨が記載されています

この調査により、婚外子(非嫡出子)の存在が明らかになるわけです。そのときになって、父親が亡くなったことをその子に伝え、遺産分割協議への協力を求めたとしても、すぐに協力してもらうのは難しいかもしれません。

手紙を送るなどしても簡単には連絡をもらえないかもしれませんし、もしも、連絡が取れたとしても遺産分割協議に同意し、手続きに協力してくれるとは限りません。

そのような場合、最終的は家庭裁判所へ遺産分割調停の申立てをすることにより解決を図ることになりますが、大変な労力や費用がかかることにもなりかねません。

2.生前におこなうべき相続対策

2-1.遺言書の作成

本件のようなケースであっても、遺言書を作成しておけば、相続人全員による遺産分割協議をしなくとも相続手続きを勧めることが可能です。

法的に有効な遺言書によって遺産分割の方法を指定していれば、遺産分割協議をおこなうことなく、不動産の名義変更や、銀行預金の払い戻しなどの手続きをすることもできるからです。

ただし、子には遺留分があるので、婚外子(非嫡出子)である子には、一切の財産を相続させないとの遺言を残した場合であっても、遺留分侵害額の請求を受けることはあります。

それでも、最低限の遺留分を確保する内容の遺言を書くことで、円滑な遺産相続手続きが可能になるかもしれません。いずれにせよ、相続人による遺産分割協議が困難であることが予想される場合には、生前にできる限りの対策を講じておくことが非常に重要です。

なお、遺言によって子を認知することもできます。そこで、自らの生前は存在を内緒にしていた子を遺言により認知し、さらに遺産を相続させることも可能です。遺言により認知する場合、遺言執行者が認知の届出を行いますので、遺言執行者の指定もしておくべきです。

婚外子(非嫡出子)がいる場合の遺言書

2-2.生前贈与の検討

財産を相続させたいと思う人に生前贈与をすることで、財産そのものを遺産分割の対象から外してしまう方法もあります。

法律婚の妻や、嫡出子である子に生前贈与することのほか、婚外子(非嫡出子)に一定の財産を残したいと考える場合にも生前贈与が可能でしょう。

ただし、相続対策として生前贈与をおこなったとすれば、それが遺産の前渡しであるとして、特別受益にあたるとも考えられます。よって、他の相続人からそのような主張がなされると予想されるときには、あまり意味が無いかもしれません。

けれども、遺産分割の内容を巡っての争いが問題なのではなく、そもそも、相続人全員による遺産分割協議をおこなうこと自体が難しいと考えられるときには、生前贈与が有効なこともあるでしょう。

極端にいえば、すべての財産を生前贈与してしまえば、遺産分割協議をおこなう必要すらないわけです(この場合でも、特別受益の規定は排除されるものではありません)。そこまでするのは現実的には無理としても、生前贈与と遺言を併用することで、遺産相続を巡るトラブルを防ぐことが期待できます。

不動産の生前贈与

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