特別受益と持ち戻しとは – 相続・遺言の用語集
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特別受益と持ち戻しとは
(最終更新日:2026年9月8日)
特別受益と持ち戻しとは【目次】
1.特別受益とは
3.持ち戻しの免除
1.特別受益とは
特別受益とは、相続人が被相続人(亡くなった方)から受けた遺贈や、婚姻・養子縁組のため、または生計の資本として受けた生前贈与による利益のことです。
たとえば、住宅購入資金や独立開業のための資金の贈与などが挙げられます。ただし、親から受けた援助がすべて特別受益になるわけではなく、通常の扶養の範囲内の生活費などは、特別受益には当たりません。
特別受益がある場合には、その利益を相続分の前渡しとして考慮し、相続人間の公平を図るために相続分を調整します(民法903条)。
2.特別受益の持ち戻しとは
特別受益に当たる生前贈与がある場合、その価額を相続開始時の財産の価額に計算上加えることを「持ち戻し」といいます。贈与された財産を実際に返還するという意味ではありません。
持ち戻しをした金額を基に各相続人の相続分を計算し、特別受益を受けた人については、そこから遺贈や生前贈与の価額を差し引いて、具体的相続分を求めます。
たとえば、相続人が子2人で、遺産が2,000万円あり、一方の子だけが特別受益に当たる1,000万円の生前贈与を受けていたとします。
持ち戻しをして法定相続分により計算する場合、合計3,000万円の2分の1である1,500万円を基準とします。そのため、遺産から取得する金額は、生前贈与を受けた子が500万円、もう一方の子が1,500万円となります(民法903条)。
3.持ち戻しの免除
被相続人が、特別受益を相続分の計算に反映させない意思を示していた場合には、その意思に従います。これを「持ち戻しの免除」といいます。
また、婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用の建物またはその敷地を遺贈・贈与した場合には、持ち戻しを免除する意思表示があったものと推定されます(民法903条4項)。
なお、持ち戻しの免除によって、他の相続人の遺留分が失われるわけではありません。
4.相続開始から10年経過した場合
相続開始から10年を経過した後の遺産分割では、原則として特別受益を考慮しないという期間制限があります。ただし、この取扱いには経過措置や例外があり、相続人全員が合意すれば、特別受益を考慮した遺産分割をすることも可能です。
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