所有者が死亡している場合の抵当権抹消登記
(最終更新日:2026年7月31日)
不動産の所有者(所有権の登記名義人)が死亡した後に抵当権が消滅した場合、その抵当権の抹消登記を申請するには、先に相続登記を申請する必要があります。
一方、所有者が死亡する前に抵当権が消滅していた場合には、相続登記をすぐに申請できないときであっても、相続登記をしないまま、亡くなった所有者の相続人から抵当権抹消登記を申請することが可能です。
抵当権抹消登記の手続きを司法書士へ依頼することをご検討中の方は、千葉県松戸市の高島司法書士事務所(松戸駅東口徒歩1分)へご相談ください。当事務所へのご相談は予約制ですので、「ご相談予約・お問い合わせ」のページをご覧のうえ、事前にご連絡くださいますようお願いいたします。
所有者が死亡している場合の抵当権抹消登記(目次)
2-1.相続人が2人以上いる場合
2-2.相続を証する情報の添付
1.所有者の死亡後に消滅した抵当権の抹消登記
不動産の所有者(所有権の登記名義人)が死亡した後に抵当権が消滅した場合、その抵当権の抹消登記を申請するには、先に相続登記を申請する必要があります。
司法書士が登記手続きを行う場合には、相続による所有権移転登記を申請し、これに続けて、連件で抵当権抹消登記を申請するのが通常です。
抵当権が消滅したのは相続開始後であるため、抵当権抹消登記の登記権利者となるのは、不動産の所有権を相続した方です。すでに死亡している所有権の登記名義人が、抵当権抹消登記の登記権利者となることはありません。
抵当権設定者の死亡後に抵当権が消滅した場合における当該抵当権の抹消は、設定者について相続の登記を経由しなければ申請することはできない。(登研661号225頁)
たとえば、住宅ローンの借入れに当たり団体信用生命保険(団信)に加入していた場合には、債務者の死亡により保険金が金融機関等へ支払われ、住宅ローンが完済となることがあります。この場合に抵当権抹消登記を申請するには、先に相続登記を申請する必要があります。
また、住宅ローンの債務者が死亡した後も相続人が返済を続け、その後に債務を完済した場合にも、抵当権抹消登記を申請する前に相続登記をする必要があります。
2.所有者の死亡前に消滅した抵当権の抹消登記
不動産の所有者(所有権の登記名義人)が死亡する前に抵当権が消滅していた場合であっても、先に相続登記をした後、抵当権抹消登記を申請するのが一般的です。
この場合には、相続登記によって新たに不動産の所有者となった方が登記権利者となり、登記義務者である抵当権者との共同申請により、抵当権抹消登記を申請します。
ただし、遺産分割協議が成立していないなどの理由により、相続登記をすぐに申請できない場合には、相続登記をしないまま、亡くなった所有者の相続人から抵当権抹消登記を申請することも可能です。
登記権利者が登記の申請人となることができる場合において、その登記権利者について相続があったときは、相続人が一般承継人として登記を申請することができます。
不動産登記法第62条 登記権利者、登記義務者又は登記名義人が権利に関する登記の申請人となることができる場合において、当該登記権利者、登記義務者又は登記名義人について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人は、当該権利に関する登記を申請することができる。
2-1.相続人が2人以上いる場合
相続人が2人以上いる場合には、共同相続人の全員から申請するほか、相続人の一人から抵当権抹消登記を申請することもできます。
この場合、相続人は、亡くなった登記権利者の一般承継人として申請人となります。登記申請書には、被相続人を登記権利者として表示し、その下に、実際に登記申請をする相続人を次のように記載します。
権利者(被相続人 A)
上記相続人 千葉県松戸市松戸○番地
B
相続人が複数いる場合であっても、相続人のうち1人から申請するときは、実際に申請人となる相続人のみを記載します。
2-2.相続を証する情報の添付
相続人から抵当権抹消登記を申請する場合には、申請人が亡くなった所有者の相続人であることを証する情報を添付する必要があります。通常、必要となる書類は次のとおりです。
- 被相続人の死亡の記載がある戸籍謄本等
- 被相続人の住民票の除票または戸籍の附票
- 登記申請をする方が相続人であることを証する戸籍謄本等
実際に登記申請をする方が、亡くなった所有者の相続人であることを証明できれば足ります。そのため、原則として、相続人全員を確定するために被相続人の出生までさかのぼって取得した戸籍謄本等や、申請人以外の相続人の戸籍謄本等は必要ありません。
関連するページ
次のような質問について詳しく解説しています。
- 住宅ローン完済後に所有者の住所または氏名が変わっている場合
- 抵当権者の商号または本店が変わっている場合
- 抵当権抹消登記の前に抵当権移転登記が必要となる場合
- 抵当権者の代表者が変更されている場合(代理権の不消滅)
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