遺産分割協議書に捨て印は必要か
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遺産分割協議書に捨て印は必要か
(最終更新日:2026年8月24日)
遺産分割協議書には、相続人全員が署名して実印を押印します。この署名欄への押印とは別に、用紙の欄外などへ相続人全員が実印で捨て印を押すことがあります。
捨て印とは、遺産分割協議書に誤りが見つかった場合に備えて、訂正印として使用するため、あらかじめ押しておく印のことです。
遺産分割協議書に捨て印を押すことは、法律上の要件ではありません。捨て印がなくても遺産分割協議書の効力に影響はなく、相続登記に使用することもできます。
ただし、捨て印を押しておけば、遺産分割協議書の内容に軽微な誤りが見つかった場合に、相続人全員からあらためて訂正印を受けることなく修正できることがあります。
遺産分割協議書に捨て印は必要か【目次】
1.捨て印と訂正印の違い
訂正印は、書類の誤りを訂正するときに、訂正箇所の近くなどへ押す印です。これに対し、捨て印は、後から訂正が必要になった場合に備えて、書類の欄外などへあらかじめ押しておく印です。
遺産分割協議書の誤りを訂正する場合には、相続人全員から訂正印を受けるのが原則です。しかし、相続人全員の捨て印が押してあれば、その捨て印を利用して軽微な誤りを訂正できることがあります。
相続人全員が近くに住んでおり、必要があればすぐに訂正印を受けられる場合や、協議書を作り直すことが容易である場合には、捨て印を押さなくても差し支えありません。
2.捨て印で訂正できる範囲
捨て印で訂正できるのは、遺産分割の内容を変更しない軽微な誤りに限られます。
たとえば、住所や不動産の表示にある明らかな誤字脱字など、訂正の前後で当事者や対象となる不動産が変わらず、誰がどの遺産を取得するのかにも影響しない誤りであれば、捨て印によって訂正できることがあります。
一方、次のような変更を捨て印によっておこなうことはできません。
- 遺産分割の対象となる不動産や預貯金などを追加または削除する
- 不動産などを取得する相続人を変更する
- 各相続人の取得割合を変更する
- 代償金の金額や支払条件を変更する
- 相続人に新たな義務を負わせる条項を追加する
捨て印が押してあっても、相続人全員が合意した遺産分割の内容を変更することはできません。
3.捨て印がない場合や重要な誤りがある場合
捨て印がない遺産分割協議書に誤りが見つかった場合には、その誤りを訂正したうえで相続人全員から訂正印を受けるか、遺産分割協議書を作り直して、相続人全員からあらためて署名押印を受けます。
また、捨て印が押してある場合でも、誰がどの不動産を取得するのかが明確でない場合など、遺産分割の内容に関係する重要な誤りについては、同様に相続人全員の訂正印または再度の署名押印が必要です。
相続人が遠方に住んでいる場合や、相続人が多数いる場合には、署名押印を受け直すのに時間がかかることがあります。そのため、遺産分割協議書は、相続人全員が署名押印する前に内容を十分確認することが重要です。
捨て印が悪用されることを心配する場合には、無理に押す必要はありません。捨て印を押さず、訂正が必要になったときに相続人全員で対応する方法を選ぶこともできます。
4.司法書士が作成する遺産分割協議書
司法書士に相続登記を依頼する場合には、相続人間で合意している遺産分割の内容をお聞きしたうえで、司法書士が相続登記に使用する遺産分割協議書を作成します。
司法書士が作成した遺産分割協議書に相続人全員の捨て印をいただいている場合でも、捨て印を利用して訂正するのは、遺産分割の内容に影響しない軽微な誤りに限られます。遺産分割の内容に関係する訂正が必要なときは、相続人全員からあらためて署名押印を受けます。
相続登記を司法書士へ依頼する予定であれば、事前に遺産分割協議書を作成しておく必要はありません。すでに協議書を作成している場合には、相続人全員が署名押印する前に、相続登記を依頼する司法書士による確認を受けることをおすすめします。
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