配偶者(夫、妻)の死亡により姻族関係は終了するのか | 松戸市の高島司法書士事務所

離婚したときは配偶者の血族との姻族関係は終了しますが、夫婦の一方が死亡したときには姻族関係が継続するのが原則です。たとえば、夫が死亡した場合でも残された妻と舅(しゅうと)姑(しゅうとめ)との姻族関係は続くわけです。

配偶者の死亡により姻族関係は終了するのか

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(最終更新日:2026年8月17日)

いわゆる「死後離婚」とは、配偶者が亡くなった後に、その配偶者の血族(父母など)との姻族関係を終了させることを指すのが一般的です。

この手続は、姻族関係終了届を届出人の本籍地または所在地の市区町村役場に提出することによって行います。手続自体は複雑なものではなく、届出人がご自身で行うことができますので、通常は専門家に依頼する必要はありません。

なお、このページは高島司法書士事務所(千葉県松戸市)が作成したものですが、当事務所では姻族関係終了届についてのご相談は承っておりません。

1.死後離婚とは

2.姻族関係の終了とは

2-1.姻族関係終了届

2-2.姻族間で扶養義務を負うことはあるのか

2-3.配偶者との死別後に再婚した場合の姻族関係

3.相続手続きのご相談

1.死後離婚とは

近年、「死後離婚(しごりこん)」という言葉を見聞きすることが多くなりました。

まず確認しておきたいのは、「死後離婚」は法律上の離婚を意味する言葉ではないということです。婚姻中の夫婦の一方が死亡すると婚姻は終了するため、配偶者の死後に、その配偶者と離婚することはできません。

一般に「死後離婚」と呼ばれているのは、配偶者の死後に、亡くなった配偶者の血族との姻族関係を終了させるための「姻族関係終了届」を提出することです。

この届出により、生存配偶者と亡くなった配偶者の血族との姻族関係は終了します。姻族関係について離婚した場合と同様の状態になることから、「死後離婚」という表現が使われるようになったものと考えられます。

また、「配偶者が亡くなったら独身になるのか」と疑問に思う方もいるでしょう。「独身」は一般に配偶者がいない状態を意味するため、配偶者と死別した人も、日常的な意味では独身ということになります。

配偶者が死亡すると婚姻は終了するため、独身となるための手続を別に行う必要はありません。もちろん、亡くなった配偶者と離婚する手続も存在しません。

なお、「未婚」とは、これまで一度も婚姻したことがないことをいいます。したがって、配偶者との死別または離婚により独身となった人は、「独身」ではあっても「未婚」ではありません。

2.姻族関係の終了とは

姻族(いんぞく)とは、婚姻によって、一方の配偶者と他方の配偶者の血族との間に生じる親族関係をいいます。たとえば、配偶者の父母や兄弟姉妹などは、自分にとって姻族に当たります。民法では、3親等内の姻族を親族の範囲に含めています。

民法第725条 次に掲げる者は、親族とする。

一 六親等内の血族

二 配偶者

三 三親等内の姻族

2-1.姻族関係終了届

婚姻によって生じた姻族関係は、どのような場合に終了するのでしょうか。

まず、離婚した場合には、配偶者の血族との姻族関係も当然に終了します(民法第728条第1項)。

これに対し、夫婦の一方が死亡しても、生存配偶者と亡くなった配偶者の血族との姻族関係は自動的には終了しません。たとえば、夫が死亡した場合でも、残された妻と夫の父母との姻族関係はそのまま続きます。

生存配偶者が姻族関係を終了させたいときは、「姻族関係終了届」を届出人の本籍地または所在地の市区町村役場に提出します。

姻族関係終了届の提出に期限はありません。また、亡くなった配偶者の血族の同意や家庭裁判所の許可も不要です。市区町村役場への届出のみで手続ができますから、通常は専門家へ相談したり、手続を依頼したりする必要はありません。

姻族関係終了届を提出しても、生存配偶者と亡くなった配偶者が夫婦であった事実に変わりはありません。また、生存配偶者が亡くなった配偶者の相続人であることにも影響せず、その相続権を失うことはありません。

(離婚等による姻族関係の終了)

民法第728条 姻族関係は、離婚によって終了する。

2 夫婦の一方が死亡した場合において、生存配偶者が姻族関係を終了させる意思を表示したときも、前項と同様とする。

2-2.姻族間で扶養義務を負うことはあるのか

民法第877条第1項は、直系血族および兄弟姉妹が互いに扶養義務を負うと定めています。これに対し、姻族は、姻族関係があるというだけで当然に扶養義務を負うわけではありません。

ただし、民法第877条第2項では、「家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる」と定められています。

そのため、家庭裁判所が「特別の事情」があると認めて扶養義務を設定する審判をした場合には、姻族間でも扶養義務を負うことがあります。三親等内の姻族に扶養義務を負わせるためには、家庭裁判所へ「扶養義務の設定」の審判を申し立てる必要があります。

「特別の事情」があるかどうかは、当事者間の同居関係や、これまでの経済的援助の経緯などを踏まえて個別に判断されます。単に相手方に扶養能力があるというだけで、当然に扶養義務が設定されるわけではありません。

(扶養義務者)

民法第877条 直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。

2 家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。

3 前項の規定による審判があった後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その審判を取り消すことができる。

2-3.配偶者との死別後に再婚した場合の姻族関係

姻族関係終了届を提出しない限り、配偶者との死別後に再婚したとしても、亡くなった配偶者の血族との姻族関係は終了しません。

そのため、亡くなった配偶者の血族との姻族関係に加えて、新たな配偶者の血族との姻族関係も生じることになります。

もっとも、前述のとおり、姻族関係があるというだけで当然に扶養義務を負うわけではありません。家庭裁判所が「特別の事情」があると認めて扶養義務を設定した場合には、亡くなった配偶者の父母などに対する扶養義務を負うことが法律上はあり得ます。

3.相続手続きのご相談

配偶者が亡くなった場合、姻族関係終了届とは別に、亡くなった配偶者の名義となっている不動産についての相続登記や、預貯金の解約・払戻しなどの相続手続きが必要になることがあります。

このページを作成した高島司法書士事務所(千葉県松戸市・松戸駅東口徒歩1分)では、相続登記をはじめとする不動産登記のほか、遺産分割協議書の作成、戸籍の収集、法定相続情報一覧図の作成、預貯金の相続手続きなどのご相談・ご依頼を承っています。

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