登記原因証明情報とは
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(最終更新日:2026年9月11日)
不動産の権利に関する登記を申請する場合には、一部の例外を除き、その申請情報と併せて「登記原因証明情報」を提供する必要があります。
登記原因証明情報として必要な書類は、売買、相続、抵当権の抹消など、登記の種類や内容によって異なります。当事務所に登記手続きをご依頼いただく場合には、必要な書類の確認や、登記申請のために作成する登記原因証明情報の作成も、司法書士が行います。
登記原因証明情報【目次】
2-1.報告形式の登記原因証明情報
2-2.抵当権解除証書
1.登記原因証明情報とは
登記原因とは、登記の原因となる事実または法律行為をいいます。たとえば、売買、贈与、相続などが登記原因に当たります(不動産登記法5条2項)。
登記原因証明情報とは、その登記原因となる事実や法律行為が存在し、それに基づいて権利の変動が生じたことを証明する情報です。
たとえば、売買による所有権移転登記では、売買契約が成立したことに加え、その契約に基づいて売主から買主へ所有権が移転したことを証明します。
登記原因証明情報には、売買契約書などの契約内容を記載した書類や、相続関係を証明する戸籍謄本などを用いる場合があります。また、登記の原因となる事実や法律行為を整理し、登記申請のために作成する「報告形式の登記原因証明情報」を用いる場合もあります。
登記の種類ごとに、登記原因証明情報として用いられる書類の例を挙げると、次のとおりです。
| 登記の種類 | 登記原因証明情報の例 |
|---|---|
| 抵当権抹消登記 | 解除証書、弁済証書、放棄証書など |
| 抵当権設定登記 | 抵当権設定契約書、報告形式の登記原因証明情報など |
| 売買による所有権移転登記 | 売買契約書、報告形式の登記原因証明情報など |
| 相続による所有権移転登記(遺産分割協議による場合) | 被相続人の戸籍等(出生から死亡までの一連の戸籍・除籍・改製原戸籍謄本)、相続人全員の戸籍謄本、遺産分割協議書(相続人全員の印鑑証明書を添付)など |
契約書などを登記原因証明情報として用いる場合には、その書類の内容によって、登記の原因と権利の変動を確認できることが必要です。記載内容によっては、ほかの書類で補う必要があります。
また、相続登記では、法定相続分による登記か、遺産分割協議や遺言に基づく登記かによって、必要な書類が異なります。すべての相続登記で遺産分割協議書が必要となるわけではありません。
2.登記原因証明情報の内容
2-1.報告形式の登記原因証明情報
売買などで用いる報告形式の登記原因証明情報を、書面で作成する場合には、主に次の内容を記載します。
- 登記申請情報の要項(登記の目的、登記原因とその日付、当事者、不動産の表示など)
- 登記の原因となる事実または法律行為と、それに基づいて権利の変動が生じたこと
- 登記義務者の署名または記名押印
売買による所有権移転登記では、売買契約の内容に応じて、所有権が移転した時期を確認する必要があります。
たとえば、売買代金全額の支払いが完了した時に所有権が移転する特約がある場合には、売買契約の成立に加え、代金全額の支払いが完了したことを記載します。
登記手続きを司法書士にご依頼いただく場合には、司法書士が契約内容や代金の支払いなどを確認して書面を作成し、登記義務者である売主に内容を確認していただいたうえで、署名または記名押印をしていただきます。
このような売買による所有権移転登記で用いる、報告形式の登記原因証明情報の例は、次のとおりです。
登記原因証明情報(例)
1 登記申請情報の要項
(1)登記の目的 所有権移転
(2)登記の原因 令和○年○月○日売買
(3)当事者 権利者 千葉県松戸市松戸○番地の○
(甲)甲野 太郎
義務者 千葉県流山市松ヶ丘一丁目○番地○
(乙)乙野 次郎
(4)不動産の表示 後記のとおり
2 登記の原因となる事実又は法律行為
(1)売買契約 乙は、甲に対し、令和○年○月○日、本件不動産を売り渡した。
(2)所有権移転の時期の特約 上記の売買契約には、本件不動産の所有権は売買代金の支払いが完了した時に甲に移転する旨の所有権移転時期に関する特約が付されている。
(3)代金の支払い 甲は、乙に対し、令和○年○月○日、売買代金全額を支払い、乙は、これを受領した。
(4)所有権の移転 よって、本件不動産の所有権は、同日、乙から甲に移転した。
令和○年○月○日
上記の登記原因のとおり相違ありません。
千葉県流山市松ヶ丘一丁目○番地○
乙野 次郎(印)
不動産の表示
(省略)
2-2.抵当権解除証書
住宅ローンの完済後、抵当権抹消登記をするために、金融機関や保証会社などから解除証書、弁済証書などの書類が交付されます。これらが、抵当権抹消登記の登記原因証明情報となります。
書類の名称や様式は金融機関などによって異なります。抵当権解除証書の例は、次のとおりです。
抵当権解除証書
千葉県松戸市松戸○番地
○○ ○○ 殿
令和○年○月○日 千葉法務局松戸支局 受付第×××××号 をもって登記された下記の不動産に対する抵当権を解除しました。
原因 令和○年○月○日 解除
令和○年○月○日
千葉市稲毛区稲毛東○丁目○番○号
○○保証株式会社
代表取締役 ○○ ○○ (印)
不動産の表示
(省略)
3.登記原因証明情報についての規定
登記原因証明情報の提供については、不動産登記法61条に定められています。権利に関する登記を申請する場合には、法令に別段の定めがある場合を除き、申請情報と併せて登記原因を証する情報を提供する必要があります。
また、提供する情報や、登記原因証明情報の提供が不要となる場合については、不動産登記令7条などに定められています。
たとえば、所有権保存登記は、敷地権付き区分建物について不動産登記法74条2項により申請する場合を除き、登記原因証明情報の提供が不要とされています。
なお、登記原因証明情報の提供が不要であっても、その登記に必要なほかの添付情報まで不要になるわけではありません。
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