遺贈による所有権移転登記のご相談・ご依頼は、千葉県松戸市の高島司法書士事務所へ

遺贈登記の申請書・委任状の記載例を掲載。相続人への遺贈や遺言執行者の有無に応じた書き方、添付書類、登録免許税を解説します。自分で手続きをする場合の注意点も紹介。千葉県松戸市・松戸駅東口徒歩1分の高島司法書士事務所。

遺贈登記の申請書・委任状の作成について

(最終更新日:2026年10月5日)

不動産の遺贈による所有権移転登記を司法書士にご依頼いただいた場合、登記申請書や委任状など、登記手続きに必要な書類は司法書士が作成します。ご依頼者様が登記申請書や委任状をご自身で作成する必要はありませんが、手続きの参考として記載例を掲載しています。

千葉県松戸市の高島司法書士事務所(松戸駅東口徒歩1分)へのご相談・ご依頼をご検討の際は、「ご相談・お問い合わせ」のページをご覧ください。また、必要書類や手続きについては、「遺贈による所有権移転登記」のページでも解説しています。

なお、ここに掲載する遺贈登記申請書は、書面で申請する場合の記載例です。司法書士が登記を申請する際にはオンライン申請によるのが通常ですが、申請書に記載する内容の参考としてご覧ください。

1.遺贈登記の種類

1-1.相続人に対する遺贈

1-2.相続人ではない人に対する遺贈

2.登記申請書記載例(遺贈を原因とする所有権移転登記)

2-1.遺言執行者の選任がある場合

2-2.遺言執行者の選任がない場合

2-3.相続人に対する遺贈の場合

3.委任状記載例(遺贈を原因とする所有権移転登記)

4.遺贈登記は自分でできるのか

4-1.相続人への遺贈の場合

4-2.相続人ではない人への遺贈の場合

1.遺贈登記の種類

遺贈とは、遺言により、財産の全部または一部を無償で譲渡することです。遺贈を受ける方を「受遺者」といいます。

不動産の遺贈登記(遺贈による所有権移転登記)は、相続人に対する遺贈と、相続人ではない人への遺贈とで、申請の方法が大きく異なります。

1-1.相続人に対する遺贈

遺言により相続人に対して遺産を相続させる場合には、「相続させる」との文言が使用されるのが通常です。この場合、遺贈登記ではなく、遺言による相続登記を行います。

一方、相続人に対して「遺贈する」との遺言がされているときは、原則として遺贈による所有権移転登記を行うことになります。

相続人に対する遺贈登記は、令和5年4月1日から、相続登記と同様に受遺者である相続人の単独申請により行うことが可能となっています。また、登録免許税も相続の場合と同様に、原則として固定資産評価額の1000分の4(0.4%)となります。

したがって、相続人に対する遺贈の場合、登記原因は原則として「遺贈」となりますが、申請方法や主な必要書類は、遺言による相続登記とおおむね同様です。

相続登記(不動産の名義変更)の全体解説はこちら

相続登記 | 松戸 高島司法書士事務所

※手続きの流れ・必要書類・注意点・費用などを詳しく解説しています。

1-2.相続人ではない人への遺贈

相続人ではない人への遺贈の場合には、特定遺贈・包括遺贈のいずれであっても、共同申請により所有権移転登記を行います。

遺言執行者がいるときは、遺言執行者と受遺者が共同で登記申請を行います。遺言執行者がいないときは、遺言者の相続人全員が受遺者と共同で登記申請を行います。

遺言執行者がいない場合には、受遺者などの利害関係人が、家庭裁判所に遺言執行者の選任を申し立てることもできます。相続人全員の協力を得るのが難しい場合などには、選任された遺言執行者と受遺者が共同で登記申請を行う方法が考えられます。

2.登記申請書記載例(遺贈を原因とする所有権移転登記)

2-1.遺言執行者の選任がある場合

以下は、相続人ではない人が遺贈を受け、遺言執行者がいる場合の記載例です。特定遺贈・包括遺贈のいずれについても、遺言執行者と受遺者が共同で登記申請を行います。申請書には、受遺者を権利者、遺言者を義務者として記載します。

不動産登記申請書は、A4用紙に横書きで作成します。申請書が2枚以上になる場合は、用紙のつづり目に契印が必要です。

なお、以下は令和8年10月5日以降に申請する場合の記載例です。本例では、検索用情報として追加する氏名の振り仮名、生年月日、メールアドレス、国籍等の記載を省略しています。実際の申請に当たっては、法務省の「検索用情報の申出について」もご確認ください。

登記申請書

登記の目的 所有権移転

原因 令和8年○月○日 遺贈

権利者 千葉県松戸市松戸本町○○番地

流山 一郎

義務者 千葉県流山市松ヶ丘一丁目○○番地

亡我孫子 花子

添付書類 登記原因証明情報 登記識別情報(または登記済証) 印鑑証明書 住所証明情報 国籍等を証する情報 代理権限証明情報

令和8年○月○日申請 千葉地方法務局松戸支局 御中

代理人 千葉県松戸市松戸○番地の1

松戸 太郎(印)

連絡先の電話番号 047-703-××××

課税価格 金1,500万円

登録免許税 金30万円

不動産の表示

不動産番号  04020000×××××

所在  松戸市松戸

地番  1176番2

地目  宅地

地積  100平方メートル

不動産番号  04020000×××××

所在  松戸市松戸1176番地2

家屋番号  1176番2

種類  居宅

構造  木造瓦葺2階建

床面積  1階50.00平方メートル

 2階45.00平方メートル

申請書の記載内容についての注意事項

不動産(土地・建物)を遺贈者が単独で所有している場合には「所有権移転」と記載します。遺贈者の共有持分の全部を移転する場合には「(遺贈者の氏名)持分全部移転」となります。

登記原因は、包括遺贈・特定遺贈のいずれの場合も「遺贈」とします。遺贈の効力は、原則として遺言者の死亡のときに生じるので、遺言者の死亡の日を記載します。

受遺者(登記権利者)の住所・氏名を、住民票の記載どおりに記載します。持分の移転の場合には、下記のように、氏名の前に取得する持分を記載します。

権利者 千葉県野田市○○町一丁目1番○号

持分2分の1 流山 太郎

遺贈者の住所・氏名を記載します。遺贈者の最後の住所と登記簿上の住所とが異なる場合には、事前に登記名義人住所変更登記が必要です。また、氏名が異なる場合には、登記名義人氏名変更登記が必要です。

・登記原因証明情報

遺言書と、遺言者が死亡した旨の記載のある戸籍謄本(除籍謄本)などです。公正証書遺言および法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用した遺言書を除き、家庭裁判所の検認済証明書付きの遺言書が必要です。法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用している場合には、法務局が交付する「遺言書情報証明書」を使用します。この場合、家庭裁判所での検認は不要です。

・登記識別情報(または登記済証)

遺贈者がその不動産の所有権を取得した際の登記識別情報(または登記済証)です。

・印鑑証明書

遺言執行者の印鑑証明書です。登記申請をする時点で、発行後3か月以内のものが必要です。

・住所証明情報

受遺者の住所を証明するための、住民票の写し、または戸籍の附票の写しです。

・国籍等を証する情報

令和8年10月5日以降に登記申請をする場合には、受遺者が個人であるときは、その国籍等を証する情報が必要です。

日本国籍の方については、本籍の記載された住民票の写し、または戸籍の附票の写しなどを使用します。これらの書類は、住所証明情報と兼ねることができるため、それぞれ別に用意する必要はありません。

外国籍の方については、国籍または地域が記載された住民票の写しなどを使用します。

・代理権限証明情報

遺言により遺言執行者が指定されている場合には、その資格を証明するため、遺言書と、遺言者が死亡した旨の記載のある戸籍謄本などを添付します。これらは登記原因証明情報と共通する書類であり、重複して用意する必要はありません。

家庭裁判所により遺言執行者が選任された場合には、その資格を証明するため、遺言執行者の選任審判書を添付します。

また、司法書士に登記申請を依頼する場合には、遺言執行者および受遺者から司法書士への委任状が必要です。

・その他

登記簿上の住所と戸籍謄本に記載された本籍が異なる場合には、登記簿上の所有者と遺言者が同一人であることを証明するため、本籍の記載のある住民票の除票、または戸籍の附票などを添付します。同一人であることが証明できれば足り、その証明のために住所の変更経緯をすべて明らかにする必要はありません。

課税価格は不動産の固定資産評価額です(1,000円未満の金額は切り捨て)。登記申請をする年度の固定資産評価証明書などにより確認します。登録免許税額は、課税価格の1000分の20(2%)です(100円未満の金額は切り捨て)。

不動産の登記簿謄本(登記事項証明書)に記載されているとおり、正確に記載します。マンション(敷地権付区分建物)の場合の記載例は次のとおりです。

不動産の表示

一棟の建物の表示

所在     我孫子市我孫子一丁目1番地1

建物の名称  我孫子マンション

専有部分の建物の表示
不動産番号  04020000×××××
家屋番号   我孫子一丁目1番1の××××
建物の名称  ××××
種類     居宅
構造     鉄筋コンクリート造1階建
床面積    8階部分 70.00㎡
敷地権の表示
符号     1
所在及び地番 我孫子市我孫子一丁目1番1
地目     宅地
地積     3,000.00㎡
敷地権の種類 所有権
敷地権の割合 400,000分の10,000

(注)登記事項証明書の表題部(一棟の建物の表示)に「建物の名称」(本例では我孫子マンション)が記載されている場合には、その名称を記載することで、一棟の建物の「構造」「床面積」を省略できます。建物の名称が登記されていなければ、「構造」「床面積」も記載します。

2-2.遺言執行者の選任がない場合

以下は、相続人ではない人が遺贈を受け、遺言執行者がいない場合の記載例です。特定遺贈・包括遺贈のいずれについても、遺言者の相続人全員が受遺者と共同で登記申請を行います。申請書には、受遺者を権利者、遺言者の相続人全員を義務者として記載します。
不動産登記申請書は、A4用紙に横書きで作成します。申請書が2枚以上になる場合は、用紙のつづり目に契印が必要です。
なお、以下は令和8年10月5日以降に申請する場合の記載例です。本例では、検索用情報として追加する氏名の振り仮名、生年月日、メールアドレス、国籍等の記載を省略しています。実際の申請に当たっては、法務省の「検索用情報の申出について」もご確認ください。

登記申請書

登記の目的 所有権移転

原因 令和8年○月○日 遺贈

権利者 千葉県松戸市松戸本町○○番地

流山 一郎

義務者 千葉県流山市松ヶ丘一丁目○○番地

亡我孫子花子相続人 野田 甲吉

千葉県柏市旭町一丁目○○番○

亡我孫子花子相続人 市川 乙郎

添付書類 登記原因証明情報 登記識別情報(または登記済証) 相続証明情報 印鑑証明書 住所証明情報 国籍等を証する情報 代理権限証明情報

令和8年○月○日申請 千葉地方法務局松戸支局 御中

代理人 千葉県松戸市松戸○番地の1

松戸 太郎(印)

連絡先の電話番号 047-703-××××

課税価格 金1,500万円

登録免許税 金30万円

不動産の表示

不動産番号  04020000×××××

所在  松戸市松戸

地番  1176番2

地目  宅地

地積  100平方メートル

不動産番号  04020000×××××

所在  松戸市松戸1176番地2

家屋番号  1176番2

種類  居宅

構造  木造瓦葺2階建

床面積  1階50.00平方メートル

 2階45.00平方メートル

記載内容についての注意事項

不動産(土地・建物)を遺贈者が単独で所有している場合には「所有権移転」と記載します。遺贈者の共有持分の全部を移転する場合には「(遺贈者の氏名)持分全部移転」となります。

登記原因は、包括遺贈・特定遺贈のいずれの場合も「遺贈」とします。遺贈の効力は、原則として遺言者の死亡のときに生じるので、遺言者の死亡の日を記載します。

受遺者(登記権利者)の住所・氏名を、住民票の記載どおりに記載します。持分の移転の場合には、下記のように、氏名の前に取得する持分を記載します。

権利者 千葉県野田市○○町一丁目1番○号

持分2分の1 流山 太郎

遺言執行者がいない場合には、遺言者の相続人全員の住所・氏名を記載します。氏名の前には、「亡我孫子花子相続人」のように、遺言者の相続人であることを記載します。

なお、遺贈者の最後の住所と登記簿上の住所とが異なる場合には、事前に登記名義人住所変更登記が必要です。また、氏名が異なる場合には、登記名義人氏名変更登記が必要です。

・登記原因証明情報

遺言書と、遺言者が死亡した旨の記載のある戸籍謄本(除籍謄本)などです。公正証書遺言および法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用した遺言書を除き、家庭裁判所の検認済証明書付きの遺言書が必要です。法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用している場合には、法務局が交付する「遺言書情報証明書」を使用します。この場合、家庭裁判所での検認は不要です。

・登記識別情報(または登記済証)

遺贈者がその不動産の所有権を取得した際の登記識別情報(または登記済証)です。

・印鑑証明書

遺言者の相続人全員の印鑑証明書です。登記申請をする時点で、発行後3か月以内のものが必要です。

・住所証明情報

受遺者の住所を証明するための、住民票の写し、または戸籍の附票の写しです。

・国籍等を証する情報

令和8年10月5日以降に登記申請をする場合には、受遺者が個人であるときは、その国籍等を証する情報が必要です。

日本国籍の方については、本籍の記載された住民票の写し、または戸籍の附票の写しなどを使用します。これらの書類は、住所証明情報と兼ねることができるため、それぞれ別に用意する必要はありません。

外国籍の方については、国籍または地域が記載された住民票の写しなどを使用します。

・相続証明情報

登記義務者となる方々が、遺言者の相続人全員であることを証明するための戸籍謄本などです。具体的には、遺言者の出生から死亡までの戸籍謄本(除籍謄本・改製原戸籍謄本を含みます)や、相続人全員の戸籍謄本などが必要です。

・代理権限証明情報

司法書士に登記申請を依頼する場合には、受遺者および遺言者の相続人全員から司法書士への委任状が必要です。

・その他

登記簿上の住所と戸籍謄本に記載された本籍が異なる場合には、登記簿上の所有者と遺言者が同一人であることを証明するため、本籍の記載のある住民票の除票、または戸籍の附票などを添付します。同一人であることが証明できれば足り、その証明のために住所の変更経緯をすべて明らかにする必要はありません。

課税価格は不動産の固定資産評価額です(1,000円未満の金額は切り捨て)。登記申請をする年度の固定資産評価証明書などにより確認します。登録免許税額は、課税価格の1000分の20(2%)です(100円未満の金額は切り捨て)。

不動産の登記簿謄本(登記事項証明書)に記載されているとおり、正確に記載します。マンション(敷地権付区分建物)の場合の記載例は次のとおりです。

不動産の表示

一棟の建物の表示

所在     我孫子市我孫子一丁目1番地1

建物の名称  我孫子マンション

専有部分の建物の表示
不動産番号  04020000×××××
家屋番号   我孫子一丁目1番1の××××
建物の名称  ××××
種類     居宅
構造     鉄筋コンクリート造1階建
床面積    8階部分 70.00㎡
敷地権の表示
符号     1
所在及び地番 我孫子市我孫子一丁目1番1
地目     宅地
地積     3,000.00㎡
敷地権の種類 所有権
敷地権の割合 400,000分の10,000

(注)登記事項証明書の表題部(一棟の建物の表示)に「建物の名称」(本例では我孫子マンション)が記載されている場合には、その名称を記載することで、一棟の建物の「構造」「床面積」を省略できます。建物の名称が登記されていなければ、「構造」「床面積」も記載します。

2-3.相続人に対する遺贈の場合

令和5年4月1日から、相続人に対する遺贈については、相続登記と同様に、受遺者である相続人の単独申請により遺贈登記を行うことが可能となっています。そのため、他の相続人や遺言執行者の協力を得ることなく、遺贈による所有権移転登記を行うことができます。

この方法で登記申請をする場合、遺贈者の登記済権利証や登記識別情報、他の相続人や遺言執行者の印鑑証明書は不要です。

相続人に対する遺贈による所有権移転登記については、「相続人に対する遺贈と登記の方法」のページで詳しく解説しています。

不動産登記申請書は、A4用紙に横書きで作成します。申請書が2枚以上になる場合は、用紙のつづり目に契印が必要です。

なお、以下は令和8年10月5日以降に申請する場合の記載例です。本例では、検索用情報として追加する氏名の振り仮名、生年月日、メールアドレス、国籍等の記載を省略しています。実際の申請に当たっては、法務省の「検索用情報の申出について」もご確認ください。

登記申請書

登記の目的 所有権移転

原因 令和8年○月○日 遺贈

権利者 千葉県松戸市松戸本町○○番地

(申請人) 流山 一郎

義務者 千葉県流山市松ヶ丘一丁目○○番地

我孫子 花子

添付書類 登記原因証明情報 住所証明情報 国籍等を証する情報 代理権限証明情報

令和8年○月○日申請 千葉地方法務局松戸支局 御中

代理人 千葉県松戸市松戸○番地の1

松戸 太郎(印)

連絡先の電話番号 047-703-××××

課税価格 金1,500万円

登録免許税 金6万円

不動産の表示

不動産番号  04020000×××××

所在  松戸市松戸

地番  1176番2

地目  宅地

地積  100平方メートル

不動産番号  04020000×××××

所在  松戸市松戸1176番地2

家屋番号  1176番2

種類  居宅

構造  木造瓦葺2階建

床面積  1階50.00平方メートル

 2階45.00平方メートル

記載内容についての注意事項

不動産(土地・建物)を遺贈者が単独で所有している場合には「所有権移転」と記載します。遺贈者の共有持分の全部を移転する場合には「(遺贈者の氏名)持分全部移転」となります。

登記原因は「遺贈」とします。遺贈の効力は、原則として遺言者の死亡のときに生じるので、遺言者の死亡の日を記載します。

受遺者(登記権利者)の住所・氏名を、住民票の記載どおりに記載します。受遺者が単独で申請するため、「権利者(申請人)」と表示します。持分の移転の場合には、下記のように、氏名の前に取得する持分を記載します。

権利者 千葉県野田市○○町一丁目1番○号

(申請人)持分2分の1 流山 太郎

遺贈者の住所・氏名を記載します。

相続人に対する遺贈について、受遺者である相続人が単独で登記申請をする場合には、遺贈者の最後の住所・氏名と登記簿上の住所・氏名とが異なっていても、事前に登記名義人住所変更登記や氏名変更登記をする必要はありません。この場合には、登記簿上の所有者と遺贈者が同一人であることを証明する書類を添付します。

・登記原因証明情報

遺言書と、遺贈者が死亡した旨の記載のある戸籍謄本(除籍謄本)、受遺者が遺贈者の相続人であることを証明する戸籍謄本などです。受遺者の戸籍謄本は、遺贈者が死亡した日以後に発行されたものが必要です。遺贈者と受遺者との続柄や相続関係に応じて、その他の戸籍謄本などが必要になる場合もあります。なお、遺贈者の死亡を証明する戸籍謄本と重複するものは、重ねて用意する必要はありません。

公正証書遺言および法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用した遺言書を除き、家庭裁判所の検認済証明書付きの遺言書が必要です。法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用している場合には、法務局が交付する「遺言書情報証明書」を使用します。この場合、家庭裁判所での検認は不要です。

・住所証明情報

受遺者の住所を証明するための、住民票の写し、または戸籍の附票の写しです。

・国籍等を証する情報

令和8年10月5日以降に登記申請をする場合には、受遺者が個人であるときは、その国籍等を証する情報が必要です。

日本国籍の方については、本籍の記載された住民票の写し、または戸籍の附票の写しなどを使用します。これらの書類は、住所証明情報と兼ねることができるため、それぞれ別に用意する必要はありません。

外国籍の方については、国籍または地域が記載された住民票の写しなどを使用します。

・代理権限証明情報

司法書士に登記申請を依頼する場合には、受遺者から司法書士への委任状が必要です。

・その他

遺贈者の最後の住所が登記簿上の住所と異なる場合や、登記簿上の住所と戸籍謄本に記載された本籍が異なる場合には、登記簿上の所有者と遺贈者が同一人であることを証明するため、本籍の記載のある住民票の除票、または戸籍の附票などを添付します。同一人であることが証明できれば足り、その証明のために住所の変更経緯をすべて明らかにする必要はありません。

課税価格は不動産の固定資産評価額です(1,000円未満の金額は切り捨て)。登記申請をする年度の固定資産評価証明書などにより確認します。登録免許税額は、原則として課税価格の1000分の4(0.4%)です(100円未満の金額は切り捨て)。

不動産の登記簿謄本(登記事項証明書)に記載されているとおり、正確に記載します。マンション(敷地権付区分建物)の場合の記載例は次のとおりです。

不動産の表示

一棟の建物の表示

所在     我孫子市我孫子一丁目1番地1

建物の名称  我孫子マンション

専有部分の建物の表示
不動産番号  04020000×××××
家屋番号   我孫子一丁目1番1の××××
建物の名称  ××××
種類     居宅
構造     鉄筋コンクリート造1階建
床面積    8階部分 70.00㎡
敷地権の表示
符号     1
所在及び地番 我孫子市我孫子一丁目1番1
地目     宅地
地積     3,000.00㎡
敷地権の種類 所有権
敷地権の割合 400,000分の10,000

(注)登記事項証明書の表題部(一棟の建物の表示)に「建物の名称」(本例では我孫子マンション)が記載されている場合には、その名称を記載することで、一棟の建物の「構造」「床面積」を省略できます。建物の名称が登記されていなければ、「構造」「床面積」も記載します。

3.委任状記載例(遺贈を原因とする所有権移転登記)

登記申請の委任状は、対象となる不動産や登記の内容、代理人に委任する事項を明確に記載することが大切です。また、受遺者に通知される登記識別情報通知書を代理人が受領する場合には、受遺者からの委任状に、その受領権限も記載します。

以下は、受遺者と遺言執行者が、司法書士に登記申請を委任する場合の記載例です。

遺言執行者がいない場合には、受遺者および遺言者の相続人全員からの委任状が必要です。相続人に対する遺贈について、受遺者である相続人が単独で申請する場合には、受遺者からの委任状を作成します。

委任状

千葉県松戸市松戸○番地の1

司法書士 松戸 太郎

私は、上記の者を代理人と定め、下記の不動産登記申請に関する一切の権限、及び登記識別情報通知を受領する権限を委任する。

1.登記の目的 所有権移転

2.原因 令和8年○月○日 遺贈

3.権利者 千葉県松戸市松戸本町○○番地

流山 一郎

4.義務者 千葉県流山市松ヶ丘一丁目○○番地

亡 我孫子 花子

5.不動産の表示  後記記載の通り

令和8年○月○日

委任者 千葉県松戸市松戸本町○○番地

権利者 流山 一郎 (印)

委任者 千葉県柏市旭町一丁目○○番○号

義務者 亡我孫子花子遺言執行者 市川 乙郎 (印)

不動産の表示

不動産番号 04020000×××××

松戸市松戸1176番2の土地

不動産番号 04020000×××××

松戸市松戸1176番地2 家屋番号1176番2の建物

4.遺贈登記は自分でできるのか

先に「1.遺贈登記の種類」で解説したとおり、遺贈登記(遺贈による所有権移転登記)は、相続人に対する遺贈であれば単独申請ができるのに対し、相続人ではない人への遺贈では共同申請が必要です。また、相続人ではない人への遺贈では、遺言執行者の有無や、受遺者自身が遺言執行者を兼ねているかによっても、手続きの進め方が異なります。ご自身で遺贈登記を進められるかどうかを検討する際は、以下の点が参考になります。

ただし、初めて登記手続きを行う場合には、必要書類の収集や申請書の作成などに時間や手間がかかることがあります。法務局ホームページの「相続登記・遺贈の登記の申請をされる相続人の方へ(登記手続ハンドブック)」なども確認したうえで、ご自身で手続きを進められるか検討するとよいでしょう。なお、このハンドブックの遺贈登記に関する説明は、相続人に対する遺贈を対象としています。

4-1.相続人への遺贈の場合

相続人への遺贈の場合、相続登記と同様に、受遺者である相続人の単独申請により登記を行うことができます。登記申請に添付する主な書類についても、遺言による相続登記の場合とおおむね同様です。

したがって、遺言による相続登記に必要な書類の収集や申請書の作成をご自身で行える場合には、相続人に対する遺贈登記も、ご自身で進めることが考えられます。

4-2.相続人ではない人への遺贈の場合

相続人ではない人への遺贈の場合、遺言執行者または遺言者の相続人全員と共同で登記申請を行う必要があります。そのため、相手方との連絡や必要書類の準備なども含め、ご自身で手続きを進めるのが難しい場合があります。

ただし、受遺者自身が遺言執行者に指定されている場合には、受遺者と遺言執行者の両方の資格を兼ねて、1人で登記申請を行うことができます。

これは、公正証書遺言や法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用した遺言書に限りません。保管制度を利用していない自筆証書遺言でも、家庭裁判所での検認など、必要な手続きを経たうえで登記申請を行うことができます。

一方、遺言執行者がいない場合には、遺言者の相続人全員が受遺者と共同で登記申請を行います。相続人全員の協力を得て、戸籍謄本や印鑑証明書などをそろえる必要があるため、受遺者がご自身で手続きを進めるには負担が大きくなることがあります。

遺言執行者がいない場合には、家庭裁判所に遺言執行者の選任を申し立てることもできます。受遺者自身が遺言執行者に選任された場合には、受遺者と遺言執行者の両方の資格を兼ねて、相続人の登記手続きへの協力を得ることなく、1人で登記申請を行うことができます。

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