父の後妻の相続人は誰なのか | 松戸の高島司法書士事務所

父が再婚した場合でも、その子たちと再婚相手(後妻)との間に、自動的に親子関係が生じることはありません。したがって、父の後妻が亡くなったとき、前妻の子たちは相続人にはなりません。この場合、後妻に兄弟姉妹(または、その代襲者)がいれば、その兄弟姉妹等が相続人になる場合があります。

父の後妻の相続人は誰なのか

(最終更新日:2026年8月10日)

この記事では、「父の後妻の相続人は誰なのか」について、高島司法書士事務所(千葉県松戸市)が解説します。

父が再婚しただけでは、父と前妻との間の子と、再婚相手である後妻との間に、法律上の親子関係が生じることはありません。そのため、後妻と養子縁組をしていない限り、父と前妻との間の子は、後妻が亡くなったときの相続人にはなりません。

父が亡くなった際に後妻が遺産のすべてを取得した場合、その後に後妻が亡くなると、父から後妻へ相続された財産が、後妻の父母、兄弟姉妹、甥姪などへ引き継がれることがあります。

このような事態を避けるためには、父の遺産分割の段階で子も財産を取得する、後妻と養子縁組をする、後妻が遺言書を作成するなどの方法を検討する必要があります。

相続登記、遺産分割協議書の作成、遺言書作成などのご相談は、千葉県松戸市の高島司法書士事務所(松戸駅東口徒歩1分)へお問い合わせください。ご相談は予約制ですので、「ご相談予約・お問い合わせ」のページをご覧になって事前にご連絡くださいますようお願いします。

1.父の死亡時の相続人は

2.父の後妻が死亡したときの相続人

3.前妻との子が後妻の財産を引き継ぐ方法

4.父の遺産分割で子も財産を取得する方法

5.相続登記・遺言書作成などのご相談


1.父の死亡時の相続人は

父が、母との死別または離婚後に再婚している場合、父の遺産分割協議では、今回の相続だけでなく、後妻が亡くなったときの相続についても考慮しておく必要があります。

父の後妻の相続人

上図の例では、被相続人である父の相続人は、後妻と、父と前妻との間に生まれた長女および長男の3人です。

後妻と子たちとの関係が良好であれば、父が亡くなるまで連れ添った後妻に、父の遺産をすべて取得してもらうことについて、子たちが同意することもあるでしょう。

父が遺言書を作成していなかった場合でも、相続人全員が合意すれば、「後妻が父の遺産をすべて相続する」という内容の遺産分割協議を成立させることができます。

ただし、父から後妻へ相続された財産は、その後は後妻自身の財産となります。後妻が亡くなったときには、その財産がもともと父から相続したものであったとしても、後妻の相続人が相続することになります。

2.父の後妻が死亡したときの相続人

それでは、父の死亡後に後妻が亡くなった場合、誰が後妻の相続人となるのでしょうか。

父と前妻との間の子は、後妻と養子縁組をしていない限り、後妻の子ではありません。そのため、父と前妻との間の子が、後妻の相続人となることはありません。

後妻の血族相続人は、次の順位により決まります。

  1. 後妻の子またはその代襲相続人
  2. 後妻の父母、祖父母などの直系尊属
  3. 後妻の兄弟姉妹またはその代襲相続人である甥姪

先順位の相続人がいる場合、後順位の人は相続人になりません。

第1順位の「子」には、父と後妻との間に生まれた子だけでなく、後妻の前婚の子、認知した子、養子なども含まれます。後妻に子が1人いれば、父の死亡後に後妻が再婚していない限り、その子が後妻の遺産をすべて相続します。

後妻に子や孫などがいない場合には、後妻の父母や祖父母などの直系尊属が相続人となります。兄弟姉妹が相続人となるのは、後妻に子やその代襲相続人がおらず、直系尊属もすでに死亡している場合です。

本例では、後妻に実子や養子がおらず、直系尊属もすでに死亡しているものとします。この場合、後妻の兄弟姉妹が相続人となり、兄弟姉妹が後妻より先に死亡していれば、その子である甥姪が代襲相続人となることがあります。

その結果、後妻の死亡時に残っている財産は、父から相続した財産も含めて、後妻の兄弟姉妹や甥姪へ引き継がれることになります。父と前妻との間の子が、その財産を相続によって取り戻すことはできません。

なお、父の死亡後に後妻が再婚しており、その配偶者が存命である場合には、再婚後の配偶者も後妻の相続人となります。

3.前妻との子が後妻の財産を引き継ぐ方法

父と前妻との間の子が、後妻の財産を引き継ぐための方法としては、主に「後妻との養子縁組」と「後妻による遺言書の作成」が考えられます。

(1)後妻と養子縁組をする方法

後妻と養子縁組をすると、養子は後妻の法律上の子となります。養子の相続権は実子と同じですから、後妻が亡くなったときには、養子として後妻の相続人となります。

ただし、養子縁組は、相続権だけを発生させるための手続きではありません。養親と養子との間に法律上の親子関係が生じ、相互に扶養義務を負うなど、身分関係に大きな影響があります。

そのため、後妻との関係や双方の意思を十分に確認したうえで検討する必要があります。

後妻が遺言書を作成する方法

後妻との間に法律上の親子関係を生じさせることなく、後妻の財産を父と前妻との間の子へ引き継がせるには、後妻が遺言書を作成する方法があります。

父と前妻との間の子は後妻の相続人ではないため、遺言書では「相続させる」ではなく、「遺贈する」と記載するのが適切です。

たとえば、父と前妻との間の子が2人いる場合には、「遺言者は、遺言者の有する全財産を、長女および長男に各2分の1の割合で遺贈する」という内容が考えられます。

実際に遺言書を作成するときは、誰に、どの財産を、どの割合で遺贈するのかを明確にします。不動産が含まれる場合には、遺言執行者も指定しておくことで、遺言者の死亡後の登記手続きを進めやすくなることがあります。

本例のように、後妻に子がおらず、直系尊属もすでに死亡しており、兄弟姉妹または甥姪だけが相続人となる場合、兄弟姉妹や甥姪には遺留分がありません。そのため、父と前妻との間の子へ全財産を遺贈する遺言書を作成しても、兄弟姉妹などから遺留分侵害額を請求されることはありません。

これに対し、後妻に子、再婚後の配偶者または直系尊属がいる場合には、それらの相続人に遺留分が認められることがあります。遺言書を作成する際には、後妻の戸籍を確認し、推定相続人と遺留分について正確に把握することが重要です。

遺言書作成のご相談(松戸の高島司法書士事務所)

4.父の遺産分割で子も財産を取得する方法

後妻との養子縁組や、後妻による遺言書の作成が難しい場合には、父の遺産分割の段階で、父と前妻との間の子も財産を取得することを検討すべきでしょう。

上図の例における法定相続分は、後妻が2分の1、長女と長男がそれぞれ4分の1です。

ただし、遺産分割を必ず法定相続分どおりにおこなう必要はありません。相続人全員が合意すれば、後妻の生活や居住に配慮しながら、預貯金、不動産その他の財産をどのように分けるかを自由に決めることができます。

たとえば、不動産を安易に共有にするのではなく、後妻が自宅不動産を取得し、子たちが預貯金などを取得する方法も考えられます。どのような分け方が適切であるかは、遺産の内容や後妻の生活状況などによって異なります。

父の遺産分割の段階で子も一定の財産を取得しておけば、その後に後妻が亡くなっても、父が所有していた財産のすべてが後妻の親族へ移ってしまう事態を避けられます。

父が亡くなった時点で、子たちが自分たちも財産を取得したいと申し出ることに、ためらいを感じる場合もあるでしょう。

それでも、後妻との養子縁組や遺言書の作成が難しいのであれば、父の遺産分割協議をおこなう際に、次の相続まで考慮して財産の分け方を決めることが重要です。

5.相続登記・遺言書作成などのご相談

父の再婚が関係する相続では、父が亡くなった際の相続だけでなく、将来、後妻が亡くなったときの相続も考慮して、遺産分割をおこなうことが重要です。

父がすでに亡くなっている場合には、相続人を確認したうえで、遺産分割協議書の作成や、父名義の不動産についての相続登記などを進めます。

父や後妻がご存命の場合には、遺言書の作成や養子縁組など、将来の相続に備えるための対策を検討できます。ただし、遺言書の作成や養子縁組は、本人の判断能力が十分なうちにおこなう必要があります。

高島司法書士事務所では、相続開始後の遺産分割協議書の作成および相続登記のほか、生前の相続対策としておこなう遺言書の作成なども承っております。

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