数次相続の登記原因
(最終更新日:2025年11月19日)
数次相続とは、ある人の死亡により相続が開始したものの、その遺産分割の手続きが完了する前に、さらにその相続人についての相続も開始した状況をいいます。
このような場合、各相続ごとに2件の相続登記を申請するのではなく、1件の申請により、被相続人から最終的な登記名義人に対して相続登記を行える場合があります。
このページでは、数次相続による相続登記を申請する際の登記原因について解説しています。
ただし、数次相続による相続登記は、相続人ご自身で手続きを行うには困難である場合が多く、不動産登記および相続手続きの専門家である司法書士に依頼するのが通常です。
千葉県松戸市の高島司法書士事務所(松戸駅東口徒歩1分)は、数次相続や代襲相続が関連する複雑な相続登記についても豊富な経験があります。相続登記のことなら松戸の高島司法書士事務所へご相談ください。
なお、数次相続の相続登記については、当事務所ウェブサイトの「数次相続による相続登記(遺産分割協議書の作成)」のページで、さらに詳しく解説しています。
相続登記(不動産の名義変更)の全体解説はこちら
※手続きの流れ・必要書類・注意点・費用などを詳しく解説しています。
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数次相続の登記原因
相続登記を申請する際には、どのような原因によって所有権が移転したのかを登記申請書に記載します。これが「登記原因」です。
通常の相続登記であれば、相続開始日(被相続人の死亡日)が登記原因の日付となるため、登記原因は次のように記載します。
原因 令和○年○月○日 相続
しかし、数次相続の場合には、
- 1件の申請で、被相続人から最終的な登記名義人へ相続登記を行うことが可能なのか
- 可能である場合、その登記原因をどのように記載すべきか
といった点が問題となることがあります。
数次相続の登記原因
1.登記原因を列記すべき場合

上の図のケースでは、被相続人A名義の不動産についての相続登記を行おうとしています。
平成30年に被相続人Aが死亡しました。この時点での相続人は、長女Cと長男Dの2名でした。
ところが、父であるAについての遺産分割協議が未了のうちに、長男Dが令和6年に死亡しました。長男Dの相続人は妻Eと子Fです。
この場合、被相続人Aについての遺産分割協議は、長女Cと、長男Dの妻Eおよび子Fの3名により行うことになります。
そして、遺産分割協議の結果、Fが単独で不動産を相続することになった場合、被相続人Aから孫であるFに対し、1件の申請により相続登記をすることができます。このときの登記原因は次のとおりです。
原因 平成30年○月○日 D相続、令和6年○月○日 相続
つまり、被相続人の長男Dが相続(第1次相続)したものを、さらに孫(長男Dの子)が相続(第2次相続)しているため、2つの登記原因を列記することになります。
甲の死亡により、乙・丙が共同相続人となったが、相続登記未了の間に、乙が死亡し、丁が乙の相続人となり、さらに丙が死亡し、戊が丙の相続人となった場合において、甲の相続につき、丁、戊間において、甲名義のA不動産は乙が、B不動産は丙が相続する旨の遺産分割の協議がととのったときは、甲名義から直ちに丁又は戊名義とする所有権移転の登記の申請をすることができる。この場合の登記原因及びその日付は、A不動産については「年月日乙相続(甲死亡の日)、年月日相続(乙死亡の日)」、B不動産については「年月日丙相続(甲死亡の日)、年月日相続(丙死亡の日)」とし、各別の申請による(登研544号106頁)。
2.1つの登記原因による場合
上記と同じ相続関係の場合で、遺産分割協議の結果、長女Cが不動産を単独で取得することとなった場合にも、被相続人AからCに対して1件の申請により相続登記をすることができます。
この場合の登記原因は「平成30年○月○日相続」(日付は被相続人Aの死亡日)となります。被相続人Aから子であるCへは、ほかの人を経由することなく直接所有権が移転しているためです。
ただし、この場合も数次相続であることに変わりはなく、遺産分割協議書には、誰が誰の相続人として遺産分割協議に参加しているのかが明らかになるよう記載するのが通常です。
くわしくは、数次相続による相続登記(遺産分割協議書)のページをご覧ください。
数次相続による相続登記もご相談ください
数次相続による相続登記は、不動産登記の専門家である司法書士にとっても、決して容易な手続きではありません。
数次相続が生じると相続関係が複雑化し、登記原因の判断や遺産分割協議書の作成においても高度な法的判断が求められます。とりわけ、被相続人から複数の相続を経て最終的な登記名義人へ所有権を移転するケースでは、登記原因の記載方法や、1件の申請で手続きが可能かどうかについて慎重な検討が必要となります。
また、相続人が複数世代にわたり死亡しているケースでは、数次相続と代襲相続が複雑に絡み合い、法定相続人の確定、相続関係説明図や遺産分割協議書の作成においても、専門的知識と実務経験が不可欠です。
とくに法定相続人の範囲を誤ったまま遺産分割協議を行ってしまった場合、その内容では相続登記を進めることができません。その結果、遺産分割協議のやり直しが必要となり、手続きが滞ったり、余計な期間・費用が発生するおそれがあります。
千葉県松戸市の高島司法書士事務所(松戸駅東口徒歩1分)は、2002年の事務所開業以来、相続登記やその他の相続手続きにおいて20年以上の経験と実績を有しています。ご自宅の一般的な相続登記はもちろん、数次相続・代襲相続を含む複雑な相続登記についても多数の取扱実績があります。
相続登記でお困りの際には、松戸の高島司法書士事務所へお気軽にご相談ください。地元松戸市に根ざした司法書士が、個々の状況に応じた最適な登記手続をご提案し、確実な相続登記の完了まで丁寧にサポートいたします。
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