遺言執行者の選任申立て
(最終更新日:2025年9月16日)
遺言により遺言執行者が指定されていない場合、家庭裁判所に遺言執行者を選任してもらうことができます。
例えば、遺言書を作成し、不動産を遺贈しているものの、遺言執行者の指定がされていない場合があります。このようなときに、遺言執行者の選任申立てが行われることがあります。
遺言執行者の選任の申立てをするとき、遺言により不動産を遺贈された方(受遺者)が、自分自身を遺言執行者の候補者として申立てを行うことも可能です。
受遺者が遺言執行者に選任された場合には、遺言者の相続人の協力を得ることなく、受遺者自身が「登記権利者」と「登記義務者の遺言執行者」を兼ねることにより、単独で登記申請を行うことができます。
司法書士に遺言執行者の選任をご依頼くだされば、戸籍謄本などの必要書類の収集から、遺言執行者選任申立書の作成および裁判所への提出、さらに遺贈による不動産の登記(名義変更)まで、すべての手続きをお任せいただけます。
不動産の遺贈登記や遺言執行者選任申立てのことなら、千葉県松戸市の高島司法書士事務所(松戸駅東口徒歩1分)へご相談ください。ご相談は予約制ですので、「ご相談予約・お問い合わせ」のページをご覧になって事前にご連絡くださいますようお願いいたします。
遺言執行者の選任申立て
1.遺言執行者とは
4-1.申立てできる人
4-2.申立てをする裁判所
4-3.必要書類等
1.遺言執行者とは
遺言執行者とは、その名のとおり「遺言の内容を実現する者」のことです。遺言に効力が生じるのは相続が開始したときですから、遺言者自身がその遺言を執行することはできません。
遺言執行者が絶対に必要なのは、遺言によって子を認知する場合や、推定相続人を廃除する場合などです。しかし、不動産を遺贈する際にも、遺言執行者を指定しておくことが望ましいでしょう。
不動産を遺贈した場合、遺言執行者がいるときには、受遺者を登記権利者、遺言執行者を登記義務者として、遺贈による所有権移転登記(名義変更)の申請を行います。
一方、遺言執行者がいない場合には、相続人全員が登記義務者となります。そのため、相続人全員から印鑑証明書を交付してもらい、登記申請の委任状に署名押印を受ける必要があります。
ただし、遺言によって遺言執行者が指定されていない場合でも、相続人が遺言を執行するのではなく、家庭裁判所に遺言執行者を選任してもらうことができます。
2. 遺言執行者選任の申立てをする場合
遺言執行者が就任するには次の方法があります。
- 遺言者が、遺言により遺言執行者を指定する。
- 遺言者が、遺言により遺言執行者の指定を第三者に委託し、その委託を受けた人が遺言執行者を指定する。
- 利害関係人の請求により、家庭裁判所が遺言執行者を選任する。
1および2の方法は、遺言者が生前に行うものです。したがって、相続開始後に遺言執行者が必要となった場合には、3の方法、すなわち家庭裁判所に遺言執行者選任の申立てをすることになります。
家庭裁判所への遺言執行者選任の申立ては、次の場合に行うことができます。
- 遺言によって遺言を執行する人が指定されていないとき。
- 遺言執行者がいたが、辞任・解任・死亡・または破産手続の開始決定を受けたことにより、遺言執行者がいなくなったとき。
3. 遺言執行者になれる人(欠格事由)
未成年者および破産者は、遺言執行者となることができません(民法1009条)。それ以外に制限はないため、相続人や受遺者が遺言執行者となることも可能です。
受遺者自身が遺言執行者に選任されれば、「登記権利者」と「登記義務者の遺言執行者」を兼ねることにより、単独で遺贈登記の申請を行うことができます。
遺言書を作成する際には、相続人や受遺者を遺言執行者に指定することも多いですが、弁護士や司法書士といった法律専門家を遺言執行者にすることもできます。
4.遺言執行者選任の申立手続
遺言執行者選任の申立ては、次のように行います。司法書士にご依頼いただければ、申立書(家事審判申立書)の作成だけでなく、必要な戸籍謄本や住民票等の収集もお任せいただけます。
4-1.申立てできる人
- 利害関係人(相続人、遺言者の債権者、遺贈を受けた人など)
4-2.申立てをする裁判所
- 遺言者の最後の住所地(相続開始地)の家庭裁判所
例えば、遺言者の最後の住所地が千葉県松戸市、野田市、柏市、流山市、我孫子市、鎌ケ谷市である場合には、千葉家庭裁判所松戸支部(千葉県松戸市岩瀬無番地、JR常磐線・京成電鉄松戸線から徒歩7分)が管轄となります。
その他の管轄裁判所については、裁判所ホームページの「裁判所の管轄区域」をご確認ください。
4-3.必要書類等
遺言執行者選任の申立てに必要な主な書類等は次のとおりです。
- 遺言執行者選任申立書
- 遺言者の死亡の記載のある戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍)
- 遺言執行者候補者の住民票
- 遺言書写し又は遺言書の検認調書謄本の写し
- 申立人の利害関係を証する資料(親族が申し立てる場合は戸籍謄本)
- 収入印紙(800円)
- 郵便切手 110円×(相続人等の数+3枚) ・・・ 千葉家庭裁判所の場合
5.遺言執行者の選任審判書
遺言執行者が選任されると、家庭裁判所から審判書が交付されます。この遺言執行者選任審判書は「遺言執行者の資格を証する書面」として、遺贈登記の際に必要な添付書類となります。
令和○年(家)第×××××号
審判
本籍 千葉県松戸市松戸1番地
住所 千葉県松戸市松戸1番地
申立人 我孫子 花子
本籍 千葉県松戸市新松戸一丁目1番地
住所 千葉県松戸市新松戸一丁目1番地
遺言者 我孫子 太郎
平成○○年○○月○○日死亡
上記申立人からの遺言執行者選任申立事件について,当裁判所はその申立を相当と認め,次のとおり審判する。
主文
遺言者我孫子太郎が平成○○年○○月○○日にした遺言の執行者に申立人を選任する。
令和○○年○○月○○日
千葉家庭裁判所松戸支部
家事審判官 ○ ○ ○ ○
これは謄本である
同日同庁
裁判所書記官 ○ ○ ○ ○ (印)
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