調停調書による所有権移転登記(執行文の付与)
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(最終更新日:2025年12月12日)
執行文が付与された家庭裁判所の調停調書正本により、登記権利者が売買による所有権移転登記の単独申請を行いました。
備忘録的に記すものですので、実務の参考にしていただくことは差し支えありませんが、ご利用はあくまでも自己責任でお願いいたします。また、この記事をお読みいただいたとしても、司法書士以外の方がご自身で登記申請を行うのは困難と思われます。
また、離婚にともなう財産分与による所有権移転については、財産分与による所有権移転登記(不動産の名義変更)のページをご覧ください。
調停調書による所有権移転登記(執行文の付与)
1.調停調書による所有権移転登記(執行文の付与)
家庭裁判所の調停により、親族間で不動産の売買が行われました。
調停調書には、「申立人は、相手方に対し、売買代金の支払を受けるのと引換えに、本件不動産について、令和○年○月○日売買を原因とする所有権移転登記手続をする」といった条項があります。
調停条項
1 申立人は、相手方に対し、別紙物件目録記載の不動産(以下、「本件不動産」という。)を代金○○○万円で売り、相手方はこれを買い受ける。
2 申立人は、相手方に対し、次項の支払を受けるのと引換えに、本件不動産について、令和○年○月○日売買を原因とする所有権移転登記手続をする。登記手続費用は相手方の負担とする。
3 相手方は、申立人に対し、前項の登記手続を受けるのと引換えに、第1項の売買代金○○○万円を、令和○年○月末日限り、申立人名義の○○銀行○○支店の普通預金口座(口座番号○○○○○○○)に振り込む方法により支払う。振込手数料は相手方の負担とする。
(以下、省略)
上記のような調停条項となっている場合、所有権移転登記の申請ができるのは、売買代金の支払により条件が成就した後となります。
そこで、登記権利者(買主)の単独申請により所有権移転登記をするため、売買代金の支払い後、家庭裁判所へ反対給付の履行を証する文書を提出し、調停調書正本へ執行文の付与を受けました。
債務名義の事件番号 令和○年(家イ)第○○○号
執行文
債権者は、債務者に対して、この債務名義により強制執行をすることができる。
令和○年○月○日
千葉家庭裁判所松戸支部
裁判所書記官 ○○ ○○
債権者(相手方) ○○ ○○
債務者(申立人) ○○ ○○
債務名義に係る請求権の一部について強制執行をすることができる範囲
調停条項2項
付与の事由
反対給付の履行を証する文書を提出(民事執行法177条Ⅱ)
この執行文が付与された調停調書により、登記権利者が単独で所有権移転登記の申請を行うことができます。この場合、登記義務者の印鑑証明書および所有権に関する登記済証(または登記識別情報)は不要です。
なお、登記申請を行うにあたり登記義務者の協力が得られる場合には、執行文の付与を受けなくとも登記申請は可能です。
この場合、調停調書を登記原因証明情報として使用するのではなく、報告形式の登記原因証明情報を作成し、登記権利者と登記義務者の共同申請により所有権移転登記を行うことになります。
登記原因証明情報の作成については、司法書士高島のブログの「調停離婚での財産分与による所有権移転登記」に記載例があります。
(意思表示の擬制)
民事執行法第177条 意思表示をすべきことを債務者に命ずる判決その他の裁判が確定し、又は和解、認諾、調停若しくは労働審判に係る債務名義が成立したときは、債務者は、その確定又は成立の時に意思表示をしたものとみなす。ただし、債務者の意思表示が、債権者の証明すべき事実の到来に係るときは第27条第1項の規定により執行文が付与された時に、反対給付との引換え又は債務の履行その他の債務者の証明すべき事実のないことに係るときは次項又は第3項の規定により執行文が付与された時に意思表示をしたものとみなす。
2 債務者の意思表示が反対給付との引換えに係る場合においては、執行文は、債権者が反対給付又はその提供のあつたことを証する文書を提出したときに限り、付与することができる。
3 債務者の意思表示が債務者の証明すべき事実のないことに係る場合において、執行文の付与の申立てがあつたときは、裁判所書記官は、債務者に対し一定の期間を定めてその事実を証明する文書を提出すべき旨を催告し、債務者がその期間内にその文書を提出しないときに限り、執行文を付与することができる。
2.代位による登記名義人住所変更登記
調停調書に記載されている登記義務者の住所が「登記記録上の住所」と異なる場合には、売買による所有権移転登記の前提として登記名義人住所変更の登記をする必要があります。
たとえば、調停調書の記載が次のようになっている場合です。
住所 松戸市松戸1176番地の○
(不動産登記記録上の住所) 松戸市新松戸三丁目○番地
申立人 A
登記権利者が単独で所有権移転登記の申請を行う場合、登記義務者についての登記名義人住所変更の登記を代位により行うことができます。
この場合の登記申請書の記載は次のようになります。
登記申請書
登記の目的 所有権登記名義人住所変更
原因 令和○年○月○日住所移転
変更後の事項 住所 松戸市松戸1176番地の○
被代位者 松戸市松戸1176番地の○ A
代位者 松戸市新松戸三丁目○番地 B
代位原因 令和○年○月○日売買の所有権移転登記請求権
添付情報 登記原因証明情報 代位原因証明情報(後件添付) 代理権限証明情報
(以下省略)
この代位による登記申請を行う際には、売買による所有権移転登記の登記原因証明情報となる調停調書正本を代位原因証明情報として添付します。
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