相続財産の処分に当たるかの判断
千葉県松戸市の高島司法書士事務所(松戸駅東口徒歩1分)へのご相談は完全予約制です。ご相談予約・お問い合わせのページをご覧になって事前にご連絡くださいますようお願いいたします。
この記事は千葉県松戸市の高島司法書士事務所(松戸駅東口徒歩1分)旧ブログにアーカイブされているものです。新しい情報については、松戸の司法書士高島一寛のブログをご覧ください。
(公開日:2013年3月11日)
相続放棄をしようとする場合でも、その前に「相続財産の処分(民法921条1号)」に当たる行為をしてしまうと、相続を単純承認したものとみなされてしまいます。単純承認してしまえば、その後になって相続放棄をすることは認められませんから注意が必要です。
たとえば、被相続人名義の銀行預金を解約し、相続人が自分自身のために使ってしまったら、これが相続財産の処分に該当するのは明らかです。
一方、同様に預金を解約した場合であっても、被相続人の債務(借金)支払いに充てた場合には、相続財産の処分には該当しないと考えられます。
さらに、被相続人の債務支払いでは無いものの、被相続人名義の銀行預金を解約し、被相続人のための墓石購入に宛てた場合に、相続財産の処分に当たらないと判断した裁判例があります(大阪高等裁判所 平成14年7月3日 決定)。
被相続人の財産による葬儀費用の支払い
葬儀は人生最後の儀式としてとりおこなわれるものであり、社会的儀式として必要性が高いものである。そして、その時期を予想することは困難であり、葬儀をとりおこなうためには、必ず相当額の支出を伴うものである。
このことからすれば、被相続人に相続財産があるときは、それをもって被相続人の葬儀費用に充当しても社会的見地から不当なものとはいえない。
また、相続財産があるにもかかわらず、これを使用することが許されず、相続人らに資力がないため被相続人の葬儀をとりおこなうことができないとすれば、むしろ非常識な結果といわざるを得ない。
上記の理由により、相続財産から葬儀費用を支出する行為は、法定単純承認である「相続財産の処分」(民法921条1号)には当たらないというべきであると判断しています。
被相続人の財産による、仏壇や墓石の購入
葬儀の後に仏壇や墓石を購入することは、上記のような葬儀費用の支払と同じとはいえないが、一家の中心である夫(父親)が死亡した場合に、その家に仏壇がなければこれを購入して死者をまつり、墓地があっても墓石がない場合にこれを建立して死者を弔うことも我が国の通常の慣例であり、預貯金等の被相続人の財産が残された場合で、相続債務があることが分からない場合に、遺族がこれを利用することも自然な行動である。
そして、相続人らが購入した仏壇及び墓石は、いずれも社会的にみて不相当に高額のものとも断定できない上、香典および本件貯金からこれらの購入費用を支出したが不足したため、一部は相続人らが自己負担したものである。
このような事実と、葬儀費用についての判断とをあわせて考えると、被相続人名義の預金を解約し、その一部を仏壇及び墓石の購入費用の一部に充てた行為が、法定単純承認である「相続財産の処分」に当たるとは断定できないとしています。
なお、相続財産の処分については、高島司法書士事務所ウェブサイトの「相続財産の処分」のページでも詳しく解説しています。
相続放棄の相談は専門家へ
相続放棄について、その他のくわしい情報は、相続放棄、およびよくある質問のページをご覧ください。また、実際に手続きをするにあたっては、専門家(司法書士、弁護士)に相談することをお勧めします。当事務所へのご相談はお電話(0120-022-918)くださるか、ご相談予約フォームをご利用ください。
ご相談は松戸駅1分の高島司法書士事務所へ
松戸駅東口徒歩1分の高島司法書士事務所(千葉県松戸市)では、ホームページを見てお問い合わせくださった、個人のお客様からのご依頼を大切にしています。すべてのご相談に司法書士高島一寛が直接ご対応しますから、安心してご相談いただけます。
ご相談は完全予約制ですので、お越しになる際は必ずご予約ください。予約せずに事務所へお越しになっても、ご相談を承ることが出来ませんのでご注意ください。
ご相談予約は、フリーダイヤル(TEL:0120-022-918)にお電話くださるか、ご相談予約・お問い合わせフォームのページをご覧ください。また、LINEによるご相談予約もできますのでご利用ください。
※ 千葉県松戸市の高島司法書士事務所(松戸駅東口徒歩1分)では、電話やメールのみによる無料相談は承っておりません。