借り主(主債務者)の死亡と連帯保証人の義務
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借り主(主債務者)の死亡と連帯保証人の義務
(最終更新日:2026年1月28日)
銀行などの金融機関や貸金業者から借入れをする際、連帯保証人を付けることを求められることがあります。
会社(法人)としての借入れであれば、代表者個人が連帯保証人となることで足りる場合もあるでしょう。一方、個人事業主が事業資金を借りるときには、主債務者である事業主以外の第三者が連帯保証人となっているケースもあります。連帯保証人は、借り主(主債務者)の配偶者・親・子がなる場合もあれば、親族関係のない第三者がなっていることもあります。
それでは、債務(借金)を完済する前に借り主(主債務者)が死亡した場合、誰がその後の返済義務を負うのでしょうか。本ページでは、主債務者の法定相続人の場合と、連帯保証人の場合とに分けて解説します。
1.借り主(主債務者)の法定相続人の場合
被相続人(亡くなった方)の法定相続人は、被相続人の遺産を相続しますが、そこには債務(借金)も含まれます。したがって、借入金債務の支払義務も相続人に承継されます。このことは、相続人が成人であるか否かを問わず、生まれたばかりの子であっても同様です。
そのため、遺産(プラスの財産)よりも負債(借金・債務)のほうが多い場合には、被相続人が負っていた債務の支払義務を免れるため、家庭裁判所での相続放棄を検討することになります。
相続放棄をした人は、その相続については最初から相続人でなかったものとみなされます。したがって、主債務者の相続人が相続放棄をすれば、債務の支払義務を承継しなくなります。
相続放棄は、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内(熟慮期間)にしなければなりません。第一順位の法定相続人であれば、被相続人の死亡を知った時点から3か月以内となるのが通常です(※個別事情により起算点が問題となる場合もあります)。
被相続人が債務超過の状況にあり、相続放棄をすべきと考えられるときは、早急に法律専門家(司法書士または弁護士)へご相談ください。
2.主債務者の連帯保証人の場合
連帯保証人としての義務は、債権者と連帯保証人との間の保証契約により成立するものであり、主債務者と債権者との間の金銭消費貸借契約とは別の契約です。したがって、主債務者が死亡しても、保証債務が当然に消滅することはありません。
主債務が弁済等により消滅すれば、保証債務も消滅します(付従性)。しかし、主債務者が死亡しても主債務が消滅するわけではなく、その債務は法定相続人に承継されます。よって、連帯保証人の責任は引き続き存続し、主債務者の法定相続人とともに支払義務を負うことになります。
主債務者の相続人が相続放棄をした場合、連帯保証人のみが支払義務を負うことになる場合もあります。
なお、連帯保証人が相続放棄等により、連帯保証債務の支払義務を免れることはできません。たとえば、連帯保証人が主債務者の法定相続人であり、その主債務者(被相続人)の相続について相続放棄をしたとしても、保証債務まで消滅することはありません。
※本ページで解説しているケースとは異なりますが、連帯保証人本人が死亡した場合には、その保証債務は連帯保証人の相続人に承継されます。この場合、相続人が相続放棄をすれば、保証債務を承継しないことになります。
相続放棄をしても「連帯保証債務」は残る
相続放棄により承継を免れるのは、あくまで主債務者(被相続人)の相続により承継される債務です。これに対し、連帯保証債務は連帯保証人自身が保証契約に基づいて負担している債務であるため、主債務者の相続について相続放棄をしても、通常は連帯保証債務まで消滅しません。したがって、たとえば「主債務者=父」「相続人=子」「連帯保証人=子」というケースでは、子が父の相続を放棄しても、子自身が負っている連帯保証債務の支払義務は残る点に注意が必要です。
- 相続人としての立場で負う債務 → 相続放棄により承継しない
- 連帯保証人としての立場で負う債務 → 相続放棄をしても原則として残る
- 連帯保証人本人が死亡し、その相続人が相続放棄 → 保証債務を承継しない
3.債務者の法定相続人全員が相続放棄した場合
主債務者が死亡し、その法定相続人全員が相続放棄をした場合、主債務を相続により承継する人はいなくなります。しかし、この場合でも保証契約に基づく連帯保証人の支払義務は残ります。
よって、法定相続人全員が相続放棄をした場合には、連帯保証人のみが返済義務を負い続けることになります。そして、返済が困難なときには、自己破産・個人再生などの債務整理手続が必要となる場合もあります。
また、主債務者(被相続人)の法定相続人であり、かつ連帯保証人でもある場合には、相続放棄をしてもなお保証債務が残るため、債務整理が必要になることもあります。
亡くなられたご家族(債務者)が借金を抱えていた可能性があるときは、早急に専門家(弁護士・司法書士)へ相談し、対応を検討すべきです。
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