失踪宣告の申立て(行方不明者・不在者)

失踪宣告とは、生死が一定期間不明である人を法律上死亡したものとみなす制度です。普通失踪・危難失踪の要件、不在者財産管理人との違い、申立人、必要書類、手続きの流れ、相続への影響を解説します。

失踪宣告の申立て(行方不明者・不在者)

相続人の中に行方不明者がいる場合の相続手続きや、失踪宣告、不在者財産管理人選任など家庭裁判所へ提出する書類の作成については、千葉県松戸市の高島司法書士事務所(松戸駅東口徒歩1分)へご相談ください。

当事務所へのご相談は完全予約制です。「ご相談予約・お問い合わせ」のページをご覧のうえ、事前にご連絡くださいますようお願いいたします。

失踪宣告の申立て(行方不明者・不在者)

(最終更新日:2026年8月27日)

1.失踪宣告とは

1-1.普通失踪と危難失踪

1-2.失踪宣告によって死亡したものとみなされる時期

1-3.不在者財産管理人との違い

2.失踪宣告申立ての手続き

2-1.申立人

2-2.申立先の家庭裁判所

2-3.申立てに必要な書類

2-4.申立てに必要な費用

3.失踪宣告の手続きの流れ

4.失踪宣告の取消し

5.失踪宣告申立書の作成についてのご相談

1.失踪宣告とは

1-1.普通失踪と危難失踪

失踪宣告には、普通失踪と危難失踪の2種類があります。

普通失踪は、不在者の生死が7年間明らかでない場合に、利害関係人の申立てにより、家庭裁判所が失踪宣告をする制度です。

危難失踪は、戦争、船舶の沈没、震災その他の死亡の原因となる危難に遭遇した人について、その危難が去った後1年間、生死が明らかでない場合にする失踪宣告です。

普通失踪と危難失踪では、失踪宣告を申し立てるために必要な期間だけでなく、死亡したものとみなされる時期も異なります。

1-2.失踪宣告によって死亡したものとみなされる時期

普通失踪では、生死が明らかでなくなってから7年間が満了した時に死亡したものとみなされます。

これに対し、危難失踪では、1年間の期間が満了した時ではなく、死亡の原因となる危難が去った時に死亡したものとみなされます。

失踪宣告によって死亡したものとみなされると、その時に失踪者について相続が開始します。また、失踪者が婚姻していた場合には、婚姻関係も死亡によって解消したものとして取り扱われます。

相続人が行方不明となっている場合には、その人が死亡したものとみなされる時期によって、代襲相続や数次相続が生じるなど、相続関係が変わることがあります。そのため、失踪宣告を申し立てる前に、死亡したものとみなされる時期と、その場合の相続関係を確認しておく必要があります。

1-3.不在者財産管理人との違い

相続人の中に行方不明者がいるため遺産分割協議ができない場合でも、失踪宣告を利用するとは限りません。

行方不明者が生存していることは明らかであるものの、現在の所在が分からない場合には、失踪宣告の要件を満たしません。また、生死不明の場合でも、危難失踪に該当する場合を除き、生死不明となってから7年を経過していなければ、普通失踪の要件を満たしません。このような場合には、不在者財産管理人の選任を検討します。

不在者財産管理人は、不在者の財産を管理するために家庭裁判所によって選任される人です。不在者財産管理人が不在者に代わって遺産分割協議をするためには、家庭裁判所から権限外行為の許可を受ける必要があります。

これに対し、失踪宣告は、行方不明者を法律上死亡したものとみなす制度です。失踪者本人について相続が開始するなど、身分関係や財産関係に大きな影響が生じます。

どちらの制度を利用すべきかは、行方不明となっている期間、本人の生死に関する状況、手続きの目的、失踪宣告によって生じる相続関係などを考慮して判断する必要があります。

不在者財産管理人選任について

2.失踪宣告申立ての手続き

2-1.申立人

失踪宣告を申し立てることができるのは、失踪宣告を求めることについて法律上の利害関係を有する人です。

利害関係人には、次のような人が該当します。

  • 不在者の配偶者
  • 不在者の相続人となる人
  • 不在者の財産管理人
  • 受遺者

単に事実上の利害関係があるだけでは足りず、失踪宣告によって法律上の身分関係または財産関係に影響を受けることが必要です。

2-2.申立先の家庭裁判所

失踪宣告の申立先は、不在者の従来の住所地または居所地を管轄する家庭裁判所です。

千葉家庭裁判所松戸支部の管轄区域は、松戸市、柏市、流山市、野田市、我孫子市、鎌ケ谷市の6市です。不在者の従来の住所地または居所地がこれらの市にある場合には、千葉家庭裁判所松戸支部が申立先となります。

2-3.申立てに必要な書類

失踪宣告の申立てには、通常、次の書類が必要です。

  • 失踪宣告申立書
  • 不在者の戸籍謄本
  • 不在者の戸籍の附票
  • 失踪を証する資料
  • 申立人の利害関係を証する資料

失踪を証する資料としては、警察へ行方不明者届をしたことを証する書類、不在者宛てに送付して返戻された郵便物、関係者の陳述書などが考えられます。

申立人と不在者との親族関係によって利害関係を証明する場合には、その関係が分かる戸籍謄本などを提出します。

具体的に必要となる資料は、不在者が行方不明となった経緯や、その後の調査状況などによって異なります。また、申立て後に家庭裁判所から追加資料の提出を求められることもあります。

2-4.申立てに必要な費用

失踪宣告の申立てには、次の費用が必要です。

  • 収入印紙800円分
  • 連絡用の郵便料
  • 官報公告料

郵便料は申立先の家庭裁判所によって異なります。官報公告料は、家庭裁判所から指示を受けた後に納付します。

最新の金額や納付方法については、申立先の家庭裁判所または裁判所の「失踪宣告」のページで確認する必要があります。

失踪宣告(裁判所ウェブサイト)

3.失踪宣告の手続きの流れ

(1) 家庭裁判所への申立て

申立書、戸籍謄本、戸籍の附票、失踪を証する資料などをそろえ、不在者の従来の住所地または居所地を管轄する家庭裁判所へ申し立てます。

(2) 家庭裁判所による審理

申立て後、家庭裁判所が提出された書類を審査します。多くの場合、家庭裁判所調査官が、申立人や不在者の親族などから、不在者が行方不明となった経緯や、その後の連絡・捜索状況について調査します。必要に応じて、追加資料の提出や関係者からの事情聴取がおこなわれることもあります。

(3) 公示催告

家庭裁判所は、不在者本人に対して生存の届出をするよう求めるとともに、不在者の生死を知っている人に対して、その届出をするよう官報などで催告します。公示催告の期間は、普通失踪では3か月以上、危難失踪では1か月以上とされています。この期間内に不在者本人から生存の届出があった場合や、不在者の生存が確認された場合には、失踪宣告はされません。

(4) 失踪宣告の審判

公示催告の期間が経過しても、不在者本人から生存の届出がなく、その生存も確認されなかった場合には、家庭裁判所が失踪宣告の審判をします。失踪宣告の審判に対しては即時抗告をすることができるため、審判が出されても直ちに確定するわけではありません。審判が確定すると、失踪宣告の効力が生じます。

(5) 戸籍の届出

失踪宣告の審判が確定した場合、申立人は、審判が確定した日から10日以内に、市区町村へ失踪宣告の届出をしなければなりません。
届出先は、失踪者の本籍地または申立人の所在地の市区町村です。届出書には、失踪宣告の審判書謄本と確定証明書を添付します。この届出によって、失踪者の戸籍に、死亡したものとみなされる日や失踪宣告の審判が確定した日などが記載されます。

4.失踪宣告の取消し

失踪宣告を受けた人が生存していることや、失踪宣告によって死亡したものとみなされた時期とは異なる時期に死亡していたことが判明しても、失踪宣告の効力が自動的に失われるわけではありません。

本人または利害関係人が家庭裁判所へ失踪宣告取消しの申立てをし、取消しの審判を受ける必要があります。

失踪宣告が取り消されると、原則として失踪宣告の効果は失われます。ただし、失踪宣告後、その取消し前に善意でした行為の効力には影響しません。

また、失踪宣告によって相続財産などを取得した人は、取消しによって権利を失い、財産の返還が必要となることがあります。失踪宣告の取消しは、相続、婚姻、不動産の権利関係などに大きな影響を及ぼす可能性があります。

5.失踪宣告申立書の作成についてのご相談

失踪宣告の申立てでは、不在者が行方不明となった時期や経緯、その後におこなった調査、不在者との利害関係などを申立書に記載し、これらを裏付ける資料を提出します。

また、失踪宣告によって死亡したものとみなされる時期により、誰が相続人となるかが変わることもあります。失踪宣告後に相続登記や遺産分割を予定している場合には、申立て後の相続関係まで確認しておくことが重要です。

高島司法書士事務所では、失踪宣告の申立書その他の家庭裁判所提出書類の作成に加え、失踪宣告後の相続登記についてもご相談を承ります。

失踪宣告、不在者財産管理人選任、行方不明の相続人がいる場合の相続手続きについては、千葉県松戸市の高島司法書士事務所へご相談ください。

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