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(質問) 父は10年以上前に亡くなりました。その際、事業による多額の負債があったため相続放棄をしています。 そして、叔父(父の弟)が先日亡くなりました。叔父も多額の借金を抱えていたため、叔父の配偶者(妻)、子供、両親(私・・・

父の相続放棄と叔父の代襲相続

(公開日:2013年7月24日 最終更新日:2024年9月11日)

このページでは、「父の相続放棄をした後に、父を代襲して叔父の相続人となった場合、代襲相続人として相続放棄する必要があるか」について、高島司法書士事務所(千葉県松戸市)が解説しています。

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親の相続放棄をしても、叔父の相続人になるのか

(質問)
父は10年以上前に亡くなりました。父には、事業による多額の負債があったため、子である私は相続放棄をしています。

そして、叔父(父の弟)が先日亡くなりました。叔父も多額の借金を抱えていたため、叔父の配偶者(妻)と子は相続放棄をしたとのことです。また、叔父の父母(私の祖父母)はすでに亡くなっています。

この場合、通常であれば、亡父を代襲して、甥である私が代襲相続人になると思います。けれども、私は父の相続を放棄していますから、叔父の相続人にはならないと考えて問題ないのでしょうか。

親の相続放棄をしても、叔父の相続人になるのか

(回答)
結論としては、叔父様の相続について、甥であるご質問者は相続人となります。したがって、借金の支払い義務を叔父様から引き継がないようにするためには、相続放棄の手続きをしなければなりません。

民法939条により「相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす」とされています。

ご質問のケースでいえば、その相続とは「お父様についての相続」を指します。「その相続に関しては」と限定しているわけですから、その他の相続については対象外となります。

したがって、お父様の相続について相続放棄をしていても、別の相続である叔父様の相続人になるのは当然といえます。そのため、必要に応じて叔父様の相続についても相続放棄の手続きをしなければなりません。

本件の場合には、第1順位の相続人である被相続人の子の全員が相続放棄した結果、第3順位の相続人である兄弟姉妹の代襲者として、被相続人の甥であるご相談者が代襲相続人となっています。

そこで、先順位者である子の全員が相続放棄をしたことを知ったときから3ヶ月以内に、相続放棄申述受理の申立をする必要があります。

この場合の相続放棄ができる期間は、先順位者が放棄したのを知ったときから3ヶ月以内なので、子たちが相続放棄したのを知らせてくれていなかったような場合、その放棄の事実を知ったときから3ヶ月以内であれば問題なく相続放棄が可能です。

なお、甥であるご相談者が相続人になるかどうかを判断するのにあたり、被相続人の妻が相続放棄しているかどうかは関係ありません。

妻がすでに相続放棄をしていれば、甥であるご相談者が唯一の相続人となります。また、妻は相続放棄をしないならば、被相続人の妻と甥の2人が相続人となるわけです。

被相続人の妻と甥の2人が相続人になる場合

上の図では、被相続人の子の全員が相続放棄したことにより、被相続人の甥が、被相続人の配偶者とともに相続人となっています。

被相続人の兄弟姉妹がすでに亡くなっているときに、その子(甥姪)が相続人となることを知らずにいたという場合も多いようなので注意が必要でしょう。

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相続放棄の申立ては、相続開始地(被相続人の最後の住所)を管轄する家庭裁判所へおこないます(相続放棄をする方の住所地を管轄する家庭裁判所ではありません)。

たとえば、相続開始地が千葉県松戸市、柏市、流山市、我孫子市、鎌ケ谷市、野田市の場合には「千葉家庭裁判所松戸支部」、市川市、船橋市なら「千葉家庭裁判所市川出張所」、東京23区内であれば、千代田区霞ヶ関にある「東京家庭裁判所」となります。

ただし、家庭裁判所への相続放棄の申立ては郵送によりおこなうことも可能です。当事務所では、多数の相続放棄を取り扱っており豊富な経験と実績があるので、郵送による手続きでもまったく問題ありません。

したがって、全国どこの裁判所への申立てであっても、松戸の高島司法書士事務所へご依頼いただくことが可能ですし、裁判所が遠方だからといって追加費用がかかることもありません。

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