平成29年の民法(債権法)改正により消滅時効に関する規定も変更されています

返済期限を決めてお金を貸した場合には、お金を返せと言えるのは「返済期限の到来時」からです。返済期限が来たから、借金の返済を請求することができるわけです。そして、消滅時効期間の10年間がスタートするのも、返済期限の到来時からとなります。

借金の消滅時効(時効期間、中断・更新)

(最終更新日:2022/01/27)

認定司法書士である、千葉県松戸市の高島司法書士事務所では、消費者金融、クレジットカード会社、債権回収会社などへの消滅時効援用を承っています。

消費者金融など貸金業者からの借金は、最後の取引の時から5年が経過すると消滅時効が成立します。この場合、相手方に対して消滅時効の援用をするだけで、債務が消滅して返済義務が無くなります。最後に返済したときから5年以上が経っている借金について、今になって請求を受けた場合などは、自分で債権者に直接問い合わせをせず、すぐに専門家(認定司法書士、弁護士)に相談することをお勧めします

松戸の高島司法書士事務所でもご相談を承っています。相談は予約制ですので、事前にご予約のうえご相談にお越しください。

なお、このページでは消滅時効についてのくわしい解説をしていますが、当事務所に時効援用の手続きをご依頼をいただく場合には、とくにお読みいただく必要の内容となっています。一般的な解説などについては、借金の消滅時効援用のページをご覧ください。

借金の消滅時効(時効期間、中断・更新)

1.消滅時効はいつ完成するのか

2.平成29年の民法(債権法)改正前の消滅時効の規定

3.消滅時効の援用

4.時効の中断・停止

1.消滅時効はいつ完成するのか

借りたお金は返さなければならないの当たり前のことです。しかし、何らかの事情で返済ができなくなってから、長い年月が経っている場合には、消滅時効が完成しているかもしれません。

消滅時効については、民法167条で「債権は、債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないときには、時効によって消滅する」と定められています。

借金をすると、貸主が借主に対して「お金を返せ」と請求する権利を持つことになります。この権利が債権(さいけん)です。

そして、上記の民法167条によれば、債権が時効によって消滅するのは「債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき」とされていますが、この5年間はいつからスタートするのでしょうか?

返済期限を決めてお金を貸した場合には、お金を返すよう請求することができるのは「返済期限が到来した時」からです。返済期限が来たから、借金の返済を請求することができるのであり、借主の側としては返済期限の到来により「期限の利益を喪失する」わけです。

よって、「権利を行使することができる時」とは返済期限の到来により債務者が期限の利益を失った時であり、消滅時効の期間は返済期限が到来した時から進行するわけです。

(債権等の消滅時効)

第166条 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

一 債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき

二 権利を行使することができる時から10年間行使しないとき。

2 債権又は所有権以外の財産権は、権利を行使することができる時から二十年間行使しないときは、時効によって消滅する。

3 前2項の規定は、始期付権利又は停止条件付権利の目的物を占有する第三者のために、その占有の開始の時から取得時効が進行することを妨げない。ただし、権利者は、その時効を更新するため、いつでも占有者の承認を求めることができる。

2.平成29年の民法(債権法)改正前の消滅時効の規定

消滅時効についての民法の規定は、平成29年に成立した「民法の一部を改正する法律(債権法改正)」により改正されました(施行は令和2年4月1日)。

改正前民法167条1項では「債権は、10年間行使しないときは、消滅する」と定められていましたが、商行為によって生じた債権について商法522条の規定がありました。

(商事消滅時効)

商法522条 商行為によって生じた債権は、この法律に別段の定めがある場合を除き、5年間行使しないときは、時効によって消滅する。ただし、他の法令に5年間より短い時効期間の定めがあるときは、その定めるところによる。

銀行、クレジットカード会社、消費者金融が、個人である借主に対してお金の貸し付けをするのは商行為(しょうこうい)に当たります。よって、商事消滅時効期間の5年間で消滅時効が完成することとなっていました。

これが平成29年の債権法改正により商行為であるかどうかにかかわらず、債権は、債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないときには、時効によって消滅するものとされたわけです。

3.消滅時効の援用

時効による債権消滅の効果は、時効期間の経過とともに確定的に生じるものではなく、時効が援用(えんよう)されたときに初めて確定的に生じるとされています。援用とは、「自己の利益のためにある事実を提示し主張すること」をいいます。つまり、時効の援用とは、消滅時効が成立した事実を相手方に主張することです。

時効の援用に決まった方法はありませんが、通常は内容証明郵便(配達証明付)によりおこないます。借主が自分自身ですることもできますが、認定司法書士または弁護士を代理人として時効援用をするのが確実です。

4.時効の中断・停止

時効の中断とは、法律で定められた中断事由があったときに、それまでに経過した時効期間がリセットされ、改めてゼロから時効期間が起算されることをいいます。その中断事由が終了した時から新たな時効期間が進行するわけです。

平成29年の債権法改正により、時効の中断・停止に関する民法の規定も大きく変わっています。しかし、「債権者から裁判を起こされている場合(確定判決などにより権利が確定しているとき)の時効期間が10年となる」こと、また「権利の承認があったときは、その時点で時効期間が中断して、その時から新たに5年の時効期間の進行を始める」など、貸金業者などからの借金についての消滅時効を検討する上では通常それほど大きな変化はないでしょう。

ただし、時効期間が経過し、消滅時効が完成しているかどうかの判断や、現実に消滅時効援用をしようとするときには、まず最初に専門家へ相談することをお勧めします。

(裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新)

第147条 次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定することなくその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から6箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。

一 裁判上の請求

二 支払督促

三 民事訴訟法第275条第1項の和解又は民事調停法若しくは家事事件手続法による調停

四 破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加

2 前項の場合において、確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始める。

(催告による時効の完成猶予)

第150条 催告があったときは、その時から6箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。

2 催告によって時効の完成が猶予されている間にされた再度の催告は、前項の規定による時効の完成猶予の効力を有しない。

(承認による時効の更新)

第152条 時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める。

2 前項の承認をするには、相手方の権利についての処分につき行為能力の制限を受けていないこと又は権限があることを要しない。

(判決で確定した権利の消滅時効)

第169条 確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利については、10年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、10年とする

2 前項の規定は、確定の時に弁済期の到来していない債権については、適用しない。

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