法定相続人となるのは誰か?
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(公開日:2011年11月24日)
遺産分割協議は法定相続人の全員によりおこなう必要があります。一部の相続人を除外して遺産分割協議書を作成しても無効です。そこで、まずは誰が法定相続人となるのかを正しく理解しましょう。
1.誰が法定相続人となるのか?
誰が法定相続人となるかは、民法により定められています。
まず、亡くなった方(被相続人)に配偶者(夫、妻)がいる場合、その配偶者は必ず相続人となります。
そして、被相続人の子、父母・祖父母(直系尊属)、兄弟姉妹などが、次の順位により相続人になります。配偶者は必ず相続人となるのですから、被相続人に子がいれば、配偶者と子が法定相続人になるわけです。
1番目 被相続人の子
2番目 被相続人の直系尊属(父母、祖父母)
3番目 被相続人の兄弟姉妹
被相続人の子供と父母は同時に相続人になる?
先順位者がいるときには、次の順位の人は相続人にはなりません。たとえば、被相続人に子がいれば、その子が相続人となりますから、次の順位である直系尊属は相続人とはなりません。もしも、被相続人に子がいなければ直系尊属(父母、祖父母)が相続人となり、子も直系尊属もいなければ兄弟姉妹が相続人になるということです。
なお、法定相続人が誰であるかを判断するにあたっては、次に解説する「代襲相続」についても注意してください。また、「先順位の相続人がいないとき」というときには、先順位相続人の全員が相続放棄をしている場合なども含まれます。くわしくは、先順位の相続人が相続放棄したときをお読みください。
2.代襲相続とは
代襲相続とは、本来ならば相続人になるはずであった子(または兄弟姉妹)が、相続の開始(被相続人の死亡)よりも前に死亡している場合などに、その死亡している人の子が代わって相続することです。
(例)
上の図では、令和元年に父の死亡により相続が開始しています。この相続についての法定相続人は、父の死亡時に長女が存命であったならば、配偶者(上の図では母と記載しています)、長男、長女の3人でした。
しかし、長女は父が亡くなるよりも前の平成30年に死亡しているので、長女に代わって、子1、子2が相続人(代襲相続人)となります。つまり、被相続人の孫が相続人になるということです。よって、法定相続人は配偶者、長男、子1、子2の4人となるわけです。
ここもし、代襲相続人となるはずであった孫も、被相続人が亡くなる前に死亡していた場合、その孫に子がいれば更に代襲相続します。これを再代襲といいます(ただし、兄弟姉妹が相続人となるはずであった場合には再代襲はしません。つまり、代襲相続によって相続人になる可能性があるのは、被相続人の甥・姪までです)。
なお、代襲相続は、相続人が相続開始前に死亡したとき以外に、相続人が欠格事由に該当する場合や、相続人が廃除された場合にも生じますが、相続人が相続放棄したときは代襲原因となりません。
民法による法定相続人についての規定は上記のようになっていますが、誰が法定相続人であるかの証明は戸籍謄本(除籍謄本、改正原戸籍)によります。その具体的な方法については、「相続人確定に必要な戸籍謄本等」で解説しています。
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