遺産分割の進め方

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遺産分割の進め方

(最終更新日:2026年8月7日)

遺産分割を進めるためには、まず、誰が相続人となるのか、また、どのような財産や債務が相続の対象となるのかを確認する必要があります。

相続人を確定するためには、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等を収集します。また、不動産、預貯金、有価証券、生命保険契約の有無や受取人、借入金などを調査し、相続財産や債務の内容を把握します。

遺言書がある場合には、原則として、その内容に従って相続手続を進めます。そのため、遺産分割協議を始める前に、遺言書の有無を確認することも重要です。

相続人と相続財産の確認ができたら、遺産を誰がどのように取得するかについて、相続人全員で話し合いを行います。

1.遺産分割協議

2.弁護士による代理交渉

3.遺産分割調停

4.遺産分割後の相続手続

1.遺産分割協議

相続人全員で、遺産を誰がどのように取得するかについて話し合うことを、遺産分割協議といいます。

話し合いがまとまったときは、その合意内容を明確にするため、遺産分割協議書を作成します。相続登記や預貯金の相続手続に使用する遺産分割協議書には、相続人全員が署名または記名し、実印を押印します。

作成した遺産分割協議書を使用して、不動産の相続登記や預貯金の払戻しなどの相続手続を行います。

遺産分割協議は、相続人全員の合意により成立します。一部の相続人を除いて行われた遺産分割協議は無効です。なお、相続人全員が同じ場所に集まって話し合う必要はなく、遺産分割協議書を持ち回りで署名押印することも可能です。

2.弁護士による代理交渉

相続人同士での話し合いがまとまらない場合や、遺産分割協議に応じない相続人がいる場合には、弁護士へ依頼し、代理人として他の相続人と交渉してもらう方法があります。

相続人から依頼を受け、専門家として他の相続人との遺産分割交渉を代理することができるのは、原則として弁護士に限られます。

弁護士または弁護士法人でない者が、報酬を得る目的で、法律事件について代理や和解交渉などの法律事務を業として取り扱うことは、弁護士法により禁止されています。

相続人同士の話し合いや弁護士による交渉によっても合意に至らない場合には、家庭裁判所へ遺産分割調停を申し立てる方法があります。

遺産分割調停や、その後の遺産分割審判において、相続人の代理人となることができるのは、原則として弁護士のみです。

3.遺産分割調停

相続人全員による話し合いがまとまらない場合や、話し合いに応じない相続人がいる場合には、家庭裁判所へ遺産分割調停を申し立てることができます。

遺産分割調停は、相続人のうちの一人または数人が申立人となり、申立人以外の相続人全員を相手方として申し立てます。

申立先は、相手方のうちの一人の住所地を管轄する家庭裁判所、または当事者全員が合意により定めた家庭裁判所です。

遺産分割調停では、裁判官と調停委員から構成される調停委員会が、各相続人から事情や希望を聴き、必要な資料を確認しながら、相続人全員による合意を目指して話し合いを進めます。

遺産分割調停では、弁護士を代理人とすることができます。また、弁護士へ依頼せず、相続人本人が家庭裁判所で手続を進めることも可能です。

司法書士は遺産分割調停の代理人になることはできませんが、裁判所へ提出する遺産分割調停申立書などの書類を作成することができます。くわしくは、「遺産分割調停の申立て」のページをご覧ください

調停で話し合いがまとまったときは、合意した内容が調停調書に記載されます。調停調書には確定判決と同一の効力があるため、遺産分割協議書を別に作成する必要はありません。

話し合いがまとまらず、遺産分割調停が不成立となった場合には、自動的に遺産分割審判の手続へ移行します。

遺産分割審判では、裁判官が、遺産に属する財産の種類や性質、各相続人の事情その他一切の事情を考慮して、遺産の分割方法を判断します。

4.遺産分割後の相続手続

遺産分割協議が成立した場合には、合意した内容に基づいて遺産分割協議書を作成し、不動産、預貯金、有価証券などについて、それぞれ相続手続を行います。

不動産を取得した相続人は、法務局へ相続登記を申請し、不動産の名義を変更します。預貯金や有価証券については、金融機関や証券会社に必要書類を提出し、払戻しや名義変更などの手続を行います。

遺産分割調停が成立した場合には調停調書を、遺産分割審判が確定した場合には、通常、審判書および確定証明書を使用して、相続登記や預貯金の相続手続を進めることができます。

ただし、手続に必要となる書類は、法務局、金融機関、証券会社などの提出先によって異なる場合があります。

なお、相続税の申告が必要となる場合には、原則として、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内に、申告と納税を行う必要があります。

遺産分割協議がまとまっていない場合であっても、相続税の申告期限が延長されるわけではないため、注意が必要です。

遺産分割の内容や手続の進め方について判断が難しい場合には、弁護士、司法書士、税理士など、相談内容に応じた専門家へ早めに相談することが大切です。

・遺産分割の進め方(PDF文書)

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