所有権更正登記(錯誤を原因とする、持分全部移転の一部移転への更正) | 松戸市の高島司法書士事務所

所有権更正登記とは、所有権についての登記の一部が、当初から実体と食い違っていた場合に、その登記を実体に合致させるためにおこなう登記です。そして、更正登記の前後を通じて、形式的に登記の同一性が認められなければなりません。

所有権更正登記とは

この記事は内容が古くなっていることがあります。松戸の高島司法書士事務所による「所有権更正登記(錯誤による持分全部移転の一部移転への更正)」をご覧ください。


所有権更正登記とは、所有権についての登記の一部が、当初から実体と食い違っていた場合に、その登記を実体に合致させるためにおこなう登記です。

たとえば、AB2人の共有名義で登記すべきところを、誤ってAの単独名義で登記してしまった場合。また、Aの単独名義で登記すべきところを、ABの共有名義にしてしまったような場合が典型的な例です。

所有権更正登記ができるのは、登記の一部が当初から実体と食い違っていた場合に限られます。さらには、更正登記の前後を通じて、形式的に登記の同一性が認められなければなりません。

上記の場合でいえば、「AB共有名義をAの単独名義に更正」、または「Aの単独名義をABの共有名義に更正」のいずれの場合でも、同一人物であるAが登記名義人に含まれているので、所有権更正登記が認められるのです。

したがって、Aへの所有権移転登記をするべきを、誤ってBの名義にしてしまったときには所有権更正登記をすることはできません。この場合には、Aへの所有権移転登記を抹消した上で、あらためてBに対する所有権移転登記をするべきです。

持分全部移転登記の「一部移転」への更正

所有権移転登記を所有権一部移転登記に更正することもできます。更正登記の前後を通じて同一人物が登記名義人に入っているからです。同様に、持分全部移転登記を持分一部移転登記に更正することも可能です。

下記は登記事項証明書(登記簿謄本)の一部です。この例では、4分の1ずつ2回に分けて持分を取得していたのを、平成25年に持分全部移転登記をしています。

ところが、実際の売買契約では持分の4分の1のみを売り渡していたのであり、売買代金の支払も持分4分の1のみを対象としておこなわれていました。それが、売買契約書等の書き間違いにより、持分の全部(4分の2)を移転する登記がされてしまったのです。

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このような場合に、次のとおり所有権更正登記をすることで、持分全部移転を一部移転に更正することが可能です。

登記の目的 3番所有権更正
原因 錯誤
更正後の事項 登記の目的 千葉一郎持分一部移転
共有者 千葉県松戸市五香一丁目1番地の1 持分4分の1 松戸花子
権利者 千葉県松戸市松戸1176番地の2 千葉一郎
義務者 千葉県松戸市五香一丁目1番地の1 松戸花子

登記完了後の登記事項証明書は次のようになります。甲区3番で登記された共有者の住所氏名および持分に下線が引かれ抹消された後、付記1号として、正しい持分で共有者の住所氏名および持分が登記されています。

所有権更正登記の利害関係人

所有権更正登記をする際、更正登記を申請することについて登記上の利害関係人がいるときは、その利害関係人の承諾書を添付しなければなりません。

今回の例でいえば、甲区3番の「千葉一郎持分全部移転」登記の後に、松戸花子持分を目的として抵当権抹消登記がされていたとすれば、その抵当権者は利害関係人に当たります。持分の4分の2を目的として設定されていた抵当権の範囲が4分の1に縮減されるからです。

ところが、乙区1番で登記されている「千葉一郎持分抵当権設定」についての抵当権者である○○信用保証株式会社は利害関係人には該当しません。

この抵当権は、松戸花子に対する持分全部移転登記よりも前に設定されているものなので、所有権更正登記をしても何の影響も受け無いからです。したがって、所有権更正登記をするときに承諾書を添付する必要はありません。

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