成年後見人選任に関する注意事項(本人の財産管理)

成年後見制度とは、判断能力が不十分な方(認知症の高齢者、知的障害者、精神障害者)を法律的に守り、支えるための制度です。本人(被後見人)を守るのが目的であるわけですから、成年後見人に選任された後に、被後見人の財産を減らす(または、減らす可能性がある)行為をおこなうことはできません。

成年後見人選任に関する注意事項

成年後見制度とは、判断能力が不十分な方(認知症の高齢者、知的障害者、精神障害者)を法律的に守り、支えるための制度です。

本人(被後見人)を守るのが目的であるわけですから、成年後見人に選任された後に、被後見人の財産を減らす(または、減らす可能性がある)行為をおこなうことはできません。

千葉家庭裁判所による後見開始申立の手引きに次の記載があります。

本人の財産は、本人の身上監護のために使わなければならず、したがって、原則として、本人の財産を以下の自的には使用きません。

1.株式等への投資など投機的な資金の運用をすること
2.たとえ事業のためでも、本人の財産を担保にして借金すること
3.第三者への贈与や貸付
4.親族への贈与や貸付(相続税対策を目的とする贈与も同様。)
5.その他、本人の不利益になること

成年後見人が本人の財産を不適切に管理した場合は、成年後見人を解任されるほか、損害賠償請求を受けるなど民事責任を問われたり、業務上横領などの罪で刑事責任を問われたりすることもあります(家庭裁判所「成年後見制度」より)。

被後見人の財産から支出できるもの

上記のとおり、後見人は本人(被後見人)財産を守る責任があるのですが、その財産を被後見人自身の生活費の他には一切使えないということではありません。たとえば、被後見人が扶養義務を負っている配偶者や未成年の子などの生活費は、被後見人の財産から支出できるのが原則です。

夫婦であれば、財産の大部分が夫名義になっていることも多いでしょう。夫が認知症になった後は、妻が財産を管理し自身の生活費を含めて支出していたとします。そのような場合、後見人を選任した後であっても、それまでと同様に支出し生活ができなければ困ります。

参考として、奈良家庭裁判所による後見Q&Aに「被後見人の財産から支出できるもの」についての解説を引用します。

Q16 被後見人の財産から支出できるものとしては,どのようなものがありますか。

A16 被後見人自身の生活費のほか,被後見人が扶養義務を負っている配偶者や未成年の子などの生活費,被後見人が負っている債務の弁済金,後見人がその職務を遂行するために必要な経費などがあります。

◎ 当然に支出できるもの

  1. 被後見人の生活費・入院費や施設費・税金
  2. 後見事務費(裁判所に提出する書類のコピー代,切手代,交通費ただし公共交通機関に限る〉,各種手数料など,後見人の仕事をする上で発生する実費)
  3. 被後見人の財産の維持・管理の費用
  4. ヘルパーの人件費
  5. 後見人が選ばれる前の立替金(領収書等が必要)
  6. 弁護士や司法書士への報酬

○ 原則として支出できるもの

  1. 法事の費用,被後見人名義で出す冠婚の祝儀や葬祭の香典
  2. 扶養家族の生活費
  3. 被後見人が死亡したら入る墓
  4. 被後見人名義の負債の償還

× 明らかに不適切な支出

  1. 被後見人と同居していることを理由にした後見人名義のローン返済
  2. 退院の見込みがないにもかかわらず引取りを理由にした後見人の自宅改築費

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