相続放棄・限定承認の申述の有無についての照会
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相続放棄・限定承認の申述の有無についての照会
(最終更新日:2026年9月4日)
他の相続人が相続放棄をしたか分からない場合には、家庭裁判所へ「相続放棄・限定承認の申述の有無についての照会」をすることにより、相続放棄の申述が受理されているかどうかを確認できます。
たとえば、先順位の相続人が相続放棄をしたため、自分が後順位の相続人になった可能性があるものの、先順位者本人に確認できない場合などに利用されます。
また、相続放棄をしたことは分かっているものの、その事件番号や受理年月日が不明な場合にも、有無照会を利用できます。
有無照会は誰でもできるわけではなく、相続人または被相続人に対する利害関係人であることが必要です。
相続放棄申述の有無照会【目次】
4.有無照会の手続き
4-1.照会先の家庭裁判所
4-2.照会に必要な書類
4-3.照会の費用
5-1.千葉家庭裁判所の調査対象期間
5-2.東京家庭裁判所の調査対象期間
1.相続放棄・限定承認の有無照会とは
「相続放棄・限定承認の申述の有無についての照会」とは、被相続人について、特定の相続人による相続放棄または限定承認の申述が受理されているかどうかを、家庭裁判所へ問い合わせる手続きです。
照会の結果は書面で回答されます。相続放棄などの申述が確認された場合には事件番号や受理年月日などが記載され、申述が確認されなかった場合にもその結果が示されます。
この照会によって確認できるのは、家庭裁判所に対して申述がされ、受理された相続放棄または限定承認です。
遺産分割協議によって遺産を取得しないこととした場合や、他の相続人に対して「相続しない」と伝えただけの場合などは、家庭裁判所でおこなう相続放棄ではないため、有無照会の対象にはなりません。
なお、共同相続人がいる場合の限定承認は共同相続人全員が共同して申述する手続きです。有無照会では、相続放棄だけでなく限定承認の申述が受理されているかどうかも確認できます。
2.有無照会が必要となる場合
有無照会が必要となる例として、先順位の相続人が相続放棄をしたことにより、後順位の人が相続人となる場合があります。
たとえば、被相続人の子全員が相続放棄をすると、被相続人の直系尊属が相続人となります。子と直系尊属の全員が相続放棄をした場合には、被相続人の兄弟姉妹が相続人となります。
しかし、先順位の相続人には、自分が相続放棄をしたことを後順位の人へ知らせる法律上の義務はありません。また、相続放棄が受理されても、家庭裁判所から後順位の人へ当然に通知されるわけではありません。
そのため、先順位者本人から相続放棄申述受理通知書などを見せてもらえず、本当に相続放棄が受理されているのか確認できないことがあります。
このような場合には、本人の協力が得られなくても、家庭裁判所へ有無照会をすることによって、相続放棄の申述が受理されているかどうかを確認できます。
また、相続放棄をしたことは分かっているものの、その事件番号や受理年月日が不明な場合にも、有無照会を利用できます。
3.有無照会ができる人
相続放棄・限定承認の申述の有無について照会できるのは、次のいずれかに該当する人です。
- 相続人
- 被相続人に対する利害関係人
相続人については、照会者本人が相続放棄または限定承認の申述をしているかどうかを問いません。
利害関係人には、被相続人に対する債権者などが該当します。利害関係人が照会する場合には、金銭消費貸借契約書、判決書、担保権が記載された不動産登記事項証明書など、被相続人との法律上の利害関係を明らかにする資料が必要です。
単に被相続人や相続人と知り合いであるというだけでは、有無照会をすることはできません。
4.有無照会の手続き
4-1.照会先の家庭裁判所
有無照会は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所へおこないます。
被相続人の最後の住所地は、死亡時の住民票の除票または戸籍の附票などによって確認します。照会する人の住所地を管轄する家庭裁判所ではないため注意が必要です。
たとえば、被相続人の最後の住所地が松戸市、野田市、柏市、流山市、我孫子市または鎌ケ谷市であった場合の照会先は千葉家庭裁判所松戸支部です。
・相続放棄又は限定承認の申述の有無の照会について(千葉家庭裁判所)
被相続人の最後の住所地が東京23区内であった場合には、東京家庭裁判所へ照会します。
4-2.照会に必要な書類
有無照会には、通常、次の書類が必要となります。
- 相続放棄・限定承認の申述の有無についての照会書
- 被相続人等目録
- 被相続人の住民票の除票(本籍地の記載があるもの)
- 照会者の住民票など、照会者本人を確認するための書類
- 相続関係図
- 郵送による回答を希望する場合の返信用封筒と郵便切手
相続人が照会する場合には、照会者と被相続人との関係が分かる戸籍謄本等も必要です。
債権者などの利害関係人が照会する場合には、契約書、判決書、不動産登記事項証明書など、被相続人との利害関係を明らかにする資料を提出します。
必要書類、書類の有効期限、原本とコピーのどちらを提出するかなどは家庭裁判所によって異なることがあります。実際に照会するときは照会先となる家庭裁判所の案内を確認する必要があります。
なお、この照会について司法書士が照会者の代理人となることはできませんが、照会者本人の申請として、家庭裁判所へ提出する照会書などの作成および提出を司法書士に依頼することができます。書類は郵送で提出できるため、照会者本人が家庭裁判所へ出向く必要はありません。
4-3.照会の費用
相続放棄・限定承認の申述の有無についての照会には、手数料はかかりません。
ただし、郵送で回答を受け取る場合には、返信用封筒と郵便切手が必要です。
相続放棄申述受理証明書の交付申請は有無照会とは別の手続きであり、証明書1通につき150円分の収入印紙が必要となります。
5.照会できる期間(調査対象期間)
有無照会によって調査できる期間は、家庭裁判所や被相続人の死亡年月日などによって異なります。
調査対象期間外の申述については照会できないため、照会結果に相続放棄の申述が確認されなかった場合でも、すべての期間について申述が存在しないことを意味するとは限りません。
5-1.千葉家庭裁判所の調査対象期間
千葉家庭裁判所本庁、松戸支部および市川出張所では、被相続人の死亡日または先順位者の相続放棄の受理日が平成12年(2000年)1月1日以降の場合、原則として、その日から照会日までが調査対象期間となります。
佐倉支部、一宮支部、木更津支部、館山支部、八日市場支部および佐原支部では、被相続人の死亡日または先順位者の相続放棄の受理日が平成18年(2006年)1月1日以降の場合、その日から照会日までが調査対象期間となります。
これらの日より前の場合には、被相続人の死亡日または先順位者の相続放棄の受理日から3か月間が調査対象期間です。
また、被相続人の死亡日または先順位者の相続放棄の受理日が、照会日から30年以上前である場合には、照会に応じてもらえないことがあります。
5-2.東京家庭裁判所の調査対象期間
東京家庭裁判所では、被相続人の死亡日が平成12年(2000年)以降の場合、被相続人の死亡日から照会時までが調査対象期間となります。
被相続人の死亡日が平成11年(1999年)以前の場合、第1順位の相続人については被相続人の死亡日から3か月間、後順位の相続人については先順位者の相続放棄が受理された日から3か月間が調査対象期間となります。
被相続人の死亡年月日によっては、記録がすでに廃棄されているなどの理由により、照会に応じてもらえないことがあります。
調査対象期間や取扱いは変更される可能性があるため、照会の際には管轄家庭裁判所の最新の案内をご確認ください。
6.相続放棄申述受理証明書が必要な場合
有無照会は、相続放棄または限定承認の申述が受理されているかどうかや、その事件番号、受理年月日などを確認するための手続きです。
相続放棄の事実を相続登記などの手続きで証明する必要がある場合には、有無照会とは別に、相続放棄申述受理証明書の交付申請をおこないます。
相続放棄をした人の協力が得られず、相続登記や預貯金の相続手続きを進められない他の相続人は、利害関係人として交付申請をすることができます。
事件番号や受理年月日が分からない場合には、先に有無照会をおこない、その回答に基づいて受理証明書の交付申請をします。
7.相続放棄・有無照会についてのご相談
相続放棄・限定承認の申述の有無についての照会では、照会者が相続人または利害関係人であることを明らかにし、被相続人の最後の住所地や相続関係を確認したうえで、管轄家庭裁判所へ照会書と必要書類を提出します。
高島司法書士事務所では、相続放棄の申述に加え、相続放棄・限定承認の申述の有無についての照会や、相続放棄申述受理証明書の交付申請に必要な家庭裁判所提出書類の作成を承ります。
相続放棄の有無を確認したい場合や、先順位の相続人が相続放棄をしたため自分が相続人になった可能性がある場合には、千葉県松戸市の高島司法書士事務所へご相談ください。
相続放棄の管轄裁判所(全国の家庭裁判所に対応)
相続放棄の手続きを行うには、家庭裁判所へ相続放棄申述書および必要な添付書類を提出する必要があります。
相続放棄の申述は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に対して行います。
被相続人とは、亡くなられた方のことです。相続放棄をする方(申述人)の住所地を管轄する家庭裁判所で手続きをすることはできませんので、ご注意ください。
たとえば、被相続人の最後の住所地が次の地域にある場合、相続放棄の管轄裁判所は次のとおりです。
- 千葉県松戸市・柏市・流山市・我孫子市・鎌ケ谷市・野田市 → 千葉家庭裁判所松戸支部
- 千葉県市川市・船橋市 → 千葉家庭裁判所市川出張所
- 東京23区 → 東京家庭裁判所(東京都千代田区霞が関)
郵送による申述が可能です(全国対応)
司法書士は、相続放棄申述書の作成だけでなく、家庭裁判所への提出手続も行うことができます。また、相続放棄申述書は管轄の家庭裁判所へ郵送で提出できるため、申述人ご本人が裁判所へ出向く必要は通常ありません。
松戸の高島司法書士事務所では、2002年の事務所開業以来、相続放棄申述書の作成を多数取り扱っております。千葉家庭裁判所松戸支部への相続放棄はもちろん、全国の家庭裁判所に対する相続放棄の申述にも対応しています。
全国どこの家庭裁判所への申述であっても、裁判所が遠方であることを理由とする追加費用は発生しません。
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