所有権更正登記(錯誤を原因とする、持分全部移転の一部移転への更正) | 松戸市の高島司法書士事務所

所有権更正登記とは、所有権についての登記の一部が、当初から実体と食い違っていた場合に、その登記を実体に合致させるためにおこなう登記です。そして、更正登記の前後を通じて、形式的に登記の同一性が認められなければなりません。

所有権更正登記とは

(最終更新日:2026年8月10日)

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所有権更正登記とは

所有権更正登記とは、所有権についての登記の一部が当初から実体関係と食い違っていた場合に、その登記を実体関係に合致させるために行う登記です。

例えば、A・Bの共有名義で登記すべきところを、誤ってAの単独名義で登記してしまった場合や、Aの単独名義で登記すべきところを、誤ってA・Bの共有名義で登記してしまった場合などが典型例です。

所有権更正登記ができるのは、登記の一部が当初から実体関係と一致しておらず、かつ、更正の前後を通じて形式的に登記の同一性が認められる場合に限られます。

上記の例でいえば、「A・Bの共有名義をAの単独名義に更正する場合」と「Aの単独名義をA・Bの共有名義に更正する場合」のいずれについても、更正の前後を通じてAが登記名義人として残っているため、所有権更正登記が認められます。

これに対し、A名義で所有権移転登記をすべきところ、誤ってB名義で登記された場合には、所有権更正登記をすることはできません。この場合には、B名義の所有権移転登記を抹消した上で、改めてA名義への所有権移転登記を申請することになります。

持分全部移転登記の「一部移転」への更正

所有権移転登記を所有権一部移転登記に更正することもできます。更正の前後を通じて、同一人が登記名義人として残るためです。同様に、持分全部移転登記を持分一部移転登記に更正することも可能です。

次の画像は、登記事項証明書(登記簿謄本)の一部です。この事例では、千葉一郎が持分4分の1ずつを2回に分けて取得し、合計4分の2の持分を有していたところ、平成25年に、その持分全部を松戸花子へ移転する登記がされました。

しかし、当事者が実際に売買の対象としたのは持分4分の1のみであり、売買代金の支払いも持分4分の1のみを対象として行われていました。それにもかかわらず、売買契約書その他の登記関係書類の記載を誤ったため、千葉一郎の持分全部(4分の2)を移転する登記がされてしまったのです。

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このような場合、次のとおり所有権更正登記を申請することにより、持分全部移転登記を持分一部移転登記に更正できます。

登記の目的 3番所有権更正

原因 錯誤

更正後の事項

登記の目的 千葉一郎持分一部移転

共有者 松戸市五香一丁目1番地の1 持分4分の1 松戸花子

権利者 松戸市松戸1176番地の2 千葉一郎

義務者 松戸市五香一丁目1番地の1 松戸花子

登記完了後の登記事項証明書は、次のようになります。甲区3番に記録されていた「登記の目的」ならびに共有者の住所・氏名および持分に下線が引かれ、付記1号として、更正後の登記の目的ならびに共有者の住所・氏名および持分が記録されています。

所有権更正登記の利害関係人

所有権更正登記によって権利に不利益な影響を受ける登記上の利害関係人がいる場合には、その者の承諾を証する情報を提供する必要があります。

今回の事例でいえば、甲区3番の「千葉一郎持分全部移転」の登記後に、松戸花子持分を目的とする抵当権設定登記がされていたとすれば、その抵当権者は登記上の利害関係人に当たります。

所有権更正登記によって松戸花子の持分が4分の2から4分の1に減少し、その持分を目的とする抵当権の範囲も4分の1に縮減されるからです。

一方、画像の乙区1番に記録されている「千葉一郎持分抵当権設定」の抵当権者である○○信用保証株式会社は、登記上の利害関係人には当たりません。

この抵当権は、松戸花子への持分全部移転登記よりも前に設定され、当時、千葉一郎が有していた持分4分の2の全部を目的とするものです。更正後は、その持分が千葉一郎の持分4分の1と松戸花子の持分4分の1に分かれるだけで、抵当権の目的となる持分の合計に変動はありません。

したがって、所有権更正登記をしても抵当権の効力には影響がないため、この抵当権者の承諾を証する情報を提供する必要はありません。

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