住宅ローン支払中の借り主死亡
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(公開日:2012年10月6日)
下記のようなお問い合わせメールがありました(個人情報保護に配慮し、詳細は変えています)。
1.父親が亡くなったため自宅不動産を母の名義に変更したい。相続人は母および長男、次男。
2.銀行借入(住宅ローン)の完済により抵当権抹消登記をしたい。
3.上記の手続きについて教えて欲しい。
団信と住宅ローン
住宅ローンを組んでいる方は、「団体信用生命保険」に入っている場合が多いです。団体信用生命保険(以下、「団信」とします)とは、住宅ローンの返済途中で死亡、高度障害になった場合に、本人に代わって生命保険会社が住宅ローン残高を支払うというものです。
団信は住宅ローンを組む際に同時に加入するもので、民間金融機関の多くは団信の加入を住宅ローン借入れの条件としています。よって、自分ではあまり意識せず団信に入っているという場合もあります。
ご諮問のケースでは、団信に入っていたため、住宅ローンの借り主であるお父様が亡くなられたことで、生命保険会社により銀行借入(住宅ローン)残高が完済されました。これに伴い、自宅に設定されていた抵当権の抹消登記をおこないます。
抵当権抹消登記に必要な書類は、借入先の金融機関(銀行など)から交付してもらえます。
相続登記と抵当権抹消登記の前後
ただ、抵当権の抹消登記をしようにも、不動産所有者であるお父様は亡くなられているわけですからご自分で手続きをする(司法書士への委任状に署名押印する)ことはできません。
そのため、まずは相続による所有権移転登記(相続登記)をすることで、ご自宅をお母様の名義に変更します。そして、お母様を抵当権抹消登記の登記権利者として手続きをおこなうわけです。
相続登記をするには、ご自宅をお母様の名義にするとの内容の遺産分割協議書を作成し、お母様とご兄弟お二人が署名押印します。そして、この遺産分割協議書を付けて登記申請をするのです。
実際の手続きとしては、1件目を「(相続を原因とする)所有権移転登記」、2件目を「抵当権抹消登記」として、2件を続けて登記申請するのが通常です。
相続登記が完了した後に、あらためて抵当権抹消登記を申請するとなれば、時間が2倍以上かかることになりますし手間も増えます。
2つの登記を一緒に法務局へ申請すれば、所有者の名義を変更した後に、そのまま続けて抵当権抹消の手続きをしてもらえますから、一度に手続きが済むのです。
司法書士への登記手続きの依頼も、相続登記と抵当権抹消登記を合わせてするのが費用も手間も抑えられるでしょう。
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