遺言書と遺留分
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(公開日:2014年4月9日)
被相続人の配偶者(夫、妻)、子、直系尊属(父母、祖父母)など、兄弟姉妹以外が相続人である場合には、被相続人の財産に対する遺留分(いりゅうぶん)があります。遺留分は、被相続人の意思にかかわらずに確保されるべきものですから、遺言書を作成したとしても一方的に遺留分を奪うことはできません。
遺留分の計算
遺留分は、直系尊属のみが相続人であるときは「被相続人の財産の3分の1」、それ以外の場合には「被相続人の財産の2分の1」です。
たとえば、遺言者に妻と2人の子がいるときの、各相続人の具体的な遺留分は次のように計算します。
まず、妻と子がいる場合ですから、被相続人の財産の2分の1が遺留分です。そして、子2人の具体的な遺留分は、下表のとおり被相続人の財産の8分の1となります。
したがって、被相続人の意思にかかわらず、子はそれぞれ被相続人の財産の8分の1ずつの権利を持っているわけです。
遺留分を侵害する遺言
上記のケースで、下記のように妻に全財産を相続させるとの遺言をしたとします。
第○条 遺言者は、遺言書の有する一切の財産を、妻○○(昭和○○年○○月○○日生)に相続させる。
子の遺留分を無視して、全ての財産を妻に相続させているわけです。このような遺言書を作成することもできますし、遺言内容ももちろん有効です。
しかし、遺留分を侵害されている子としては、遺留分の減殺請求(げんさいせいきゅう)をすることが可能です。本例のケースでいえば、全財産を相続するとされている母親に対して、子が自らの遺留分を請求できるのです。
遺留分の減殺請求をされないために
せっかく遺言書を作成しても、家族の間で遺留分を巡っての争いが生じたのでは意味がありません。本例でいえば、子供たちに最低でも8分の1ずつの財産を相続させる遺言をすれば、遺留分についての問題が生じることはありません。
それでも、遺留分を侵害する遺言をしようとする場合には、遺言の中で遺留分減殺請求についての意思表示をしておくことも考えられます。たとえば、次の例のように「遺留分権利者が遺留分減殺請求権を行使しないことを求める」わけです。
第○条 遺言者は、遺留分権利者が遺留分減殺請求権を行使しないことを求める。
しかし、このような求めは付言事項にとどまり、法的な拘束力はありません。それでも、上記のような記載に加え、なぜ遺留分を侵害してまで一部の相続人に財産を相続させるかの理由も記しておくことにより、遺留分減殺請求権の行使を抑止することもあるでしょう。
遺留分の放棄
家庭裁判所の許可を受けることにより、相続開始前に遺留分の放棄をすることもできます(遺留分放棄の許可の申立)。
遺留分放棄の許可は遺留分権利者が申立をするものであり、遺言者の意思により強制的に遺留分放棄をさせることはできません。それでも、遺留分権利者が同意しているのであれば、遺留分を侵害する遺言書の作成するの加えて、遺留分放棄の許可を得ておくことも考えられます。
当事者である親子間では納得していたとしても、子の配偶者などが口出しをすることで、相続財産を巡っての争いが生じることもあります。しかし、上記のような対策をおこなっておくことで、相続開始後になって、遺留分の侵害についての異議を唱えるような事態が生じるのを避けることができるのです。
関連情報
・遺言書の作成(高島司法書士事務所ウェブサイト)
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