遺言執行者は必ず指定するべきか
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(公開日:2013年10月18日)
【質問】
相続対策として、遺言をしようと思っています。遺言を執行するために「遺言執行者」が必要だと聞きました。遺言と一緒に、遺言執行者も選定しておかなくてはいけないのでしょうか?
【解答】
結論から言えば、遺言執行者は、いつも必要なわけではありません。遺言はその内容によって、特に実現するための執行手続が要らないものもあれば、誰かが手続きして執行することが必要な場合もあります。
例えば、「甲土地をAに遺贈する」という遺言の場合、不動産の移転手続きを遺言執行者と受遺者(遺贈を受けた者)が共同申請します。このように、何らかの手続きが必要な場合、遺言執行人が遺言の執行にあたることがあります。しかし、遺言の執行が必要でも、相続人自身が行っても良い場合、遺言執行者の選定は不可欠というわけではありません。
遺言執行者を必ず置かなければいけないのは、「子を認知する時」、「相続人の廃除・廃除の取り消しをするとき」です。認知の場合、戸籍法の定めに従った届出が必要です。また、相続人の廃除・廃除の取り消しの場合、家庭裁判所に審判を請求することが必要になります。これらの行為は、相続において、相続人と利害が対立するため、遺言執行者を置くよう明文で定められています。
遺言執行者は、遺言により指定するか、遺言により指定を委託された人による指定で決定されます。遺言執行者には、未成年と破産者以外なら誰でもなれます。ただし、遺言により指定を受けても、執行者をなることを辞退することもできます。これらの指定が無い場合、申し立てをして家庭裁判所に遺言執行者を決めてもらうことになります。日本では遺言執行者が置かれて遺言の執行にあたることは、必ずしも多くないようです。
遺言執行者は、相続財産の管理、その他遺言の執行に必要な行為を行います。相続財産の目録を作成し相続人に交付したり、遺言の実現に関する争いについて裁判に関わったりすることもあります。報酬については、遺言で定められていればその報酬を受け取り、定められていない場合は家庭裁判所に報酬を決めてもらう事ができます。
遺言執行者が必要な場合(司法書士からの一言)
遺言書を作成する際に、遺言執行者の指定が絶対に必要だと考えられるケースは、一般にそれほど多くありません。たとえば、相続人に対して「不動産を相続させる」との遺言をした場合、不動産を承継する相続人が単独で相続登記申請をするので、遺言執行者が職務をおこなうことはありません。
ところが、不動産を遺贈する場合には、遺贈を受けた人と遺言執行者が共同で登記申請をおこないます。もしも、遺言執行者がいなければ、相続人全員が登記義務者となって登記申請をしなければなりませんから、協力を得るのが大変なこともあるでしょう。そのため、相続人以外の人に対して遺贈をする際には、遺言執行者の指定も必ずおこなっておくべきだといえます。
ただし、遺言により遺言執行者の指定がされていなかった場合には、家庭裁判所で遺言執行者の選任をしてもらうことも可能です。相続人の数が多くて手続きに協力してもらうのが難しい場合などは、遺言執行者の選任を受けるのが良いでしょう。この場合、遺贈を受けた人が、自分自身を遺言執行者に選任してもらうことも可能だと思われます。
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