司法書士による裁判所手続(訴状作成、訴訟代理)

司法書士による裁判所手続は、大きく次の2つに分けられます。 1.裁判所に提出する書類の作成 2.簡易裁判所における訴額140万円以下の訴訟・民事調停、裁判外和解の代理及びこれらに関する相談 まずは、「訴訟などの裁判所手続 …

司法書士による裁判所手続き

現在、当事務所で取り扱っている裁判所の手続きは原則として次のようなもののみとなっています。

・家庭裁判所での相続や遺言に関連する手続き

・消費者金融、クレジットカード、債権回収会社などによる、簡易裁判所での訴訟や支払督促への対応(消滅時効の援用など)。

※ 個人間の争い(金銭トラブルなど)についてのご相談は原則としてうけたまわっておりません。

司法書士による裁判所手続は、大きく次の2つに分けられます。

1.裁判所に提出する書類の作成
2.簡易裁判所における訴額140万円以下の訴訟・民事調停、裁判外和解の代理及びこれらに関する相談

まずは、「訴訟などの裁判所手続も司法書士に依頼できる」と理解していただければ充分ですが、具体的に何をご依頼いただけるのかを解説してみようと思います。

なお、裁判所に関する手続を取り扱えるのは、法律上、弁護士と司法書士に限られますのでご注意ください。

さらに、2番目の「簡易裁判所における訴額140万円以下の訴訟・民事調停、裁判外和解の代理及びこれらに関する相談」については、法務大臣の認定を受けた、いわゆる「認定司法書士」しか行うことができません(私、司法書士高島は、平成15年に行われた第1回の認定試験に合格した認定司法書士です)。

1.裁判所提出書類の作成

裁判所提出書類の作成は、従来から司法書士に認められていた業務です。司法書士は「裁判所に提出する書類」であれば全て作成することができます。

かつては、司法書士による裁判事務と言えばイコール「裁判所提出書類の作成」でした。あくまでも書類の作成ですから、弁護士と違って依頼者の代理人として法廷に立つことはできません。司法書士に裁判所へ出す書類の「代書」をしてもらうといったイメージでしょうか。

ただし、昔のことはいざ知らず、現在では、司法書士が法律専門家として書類を作る以上、ご依頼者の話すことをそのまま「代書」するような簡単なものではないのは当然ですが。

ところで、裁判所提出書類の作成をご依頼いただいた場合、司法書士が出来るのは「訴状の作成および裁判所への提出」のみであり、裁判所法廷に立っての訴訟進行はご自身で行うことになります。その場合でも、司法書士が裁判所へ同行し、必要なアドバイス等をさせていただくことはもちろん可能です。

裁判を起こす場合、まず頭に思い浮かぶのは弁護士でしょう。けれども、上記のとおり司法書士に書類作成を依頼し、司法書士のサポートを受けながら、ご自身で裁判所手続をすることもできるのです。この方法によると、弁護士に訴訟代理を依頼するより大幅に費用が抑えられることに加え、自分自身が納得したうえで裁判を進めることができるのも大きな利点だといえます。

2.簡易裁判所における訴額140万円以下の訴訟等の代理

この「簡易裁判所における訴額140万円以下の訴訟・民事調停、裁判外和解の代理」は、平成14年の司法書士法改正により新たに加わった業務です。

簡易裁判所での民事訴訟や調停においては、司法書士が訴訟代理人として、弁護士と同等の訴訟活動を行えます。したがって、訴状や準備書面の作成、法廷での訴訟活動などの全てを代理人である司法書士にお任せいただくことができます。

なお、簡易裁判所に訴えを起こすことができるのは、訴額(訴える金額)が140万円以下の請求についてであり、訴額が140万円を超える訴えについては、地方裁判所の取扱いとなります。

さらに、「簡易裁判所における(中略)裁判外和解の代理及びこれらに関する相談」とあることから、新たに次の二つの業務が司法書士に認められました。

1.裁判外の和解業務
2.法律相談

裁判外の和解業務とは

裁判外の和解業務とは、裁判所でする「裁判上の和解」と区別するために「裁判外」との言葉が使われていますが、裁判所は関係ありません。いわゆる任意の話し合いによる示談・和解交渉のことです。

かつては示談や和解交渉を行えるのは、弁護士だけでした。弁護士以外のものが、示談交渉などをすれば弁護士法違反として犯罪となります。それが、140万円以下の請求に限られるものの、司法書士にお任せいただくことが可能になったのです。

さらに、ここまで説明してきた簡易裁判所での訴訟代理、および裁判外の和解業務に付随しての「法律相談」を行うこともできるようになりました。認定司法書士の制度ができるまでは、法律相談を行えるのは弁護士のみでしたから、これも画期的なことだと言えます。

裁判所手続についてのご相談は司法書士へ

わかりやすく解説しようと思いつつ、できる限り正確に書こうとすると、結局、あまり分かりやすくならなかったかもしれません。

弁護士、および隣接法律専門職と言われる、司法書士、税理士、行政書士、社会保険労務士の業務については法律で決まっています。

したがって、いくら知識があって詳しいからといって、法律で認められていない業務をすることはできません。たとえば、どんなに税金に詳しくても、司法書士が税務相談をすることは法律違反なのです。

そんな理由により、司法書士が行える裁判所手続についても、どうしても法律(司法書士法)の解説になってしまいがちです。

そこで、結論としては「裁判所手続についてのご相談は司法書士へ」といたします。まずは、司法書士にお問い合わせいただければ、もし司法書士の業務範囲外なのであれば、必要に応じて他の専門家をご紹介することも可能です。

法律問題についての最初の相談窓口として、司法書士をご活用ください。高島司法書士事務所では、全てのご相談に、代表司法書士の高島が直接、責任をもってご対応しております。

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