内縁の妻(配偶者)は死亡退職金を受給できるか

民法の相続人を考える場合、配偶者とは法律上の妻または夫であり、内縁関係は含まれません。しかし、会社の福利厚生や手当の規定では、内縁も法律婚も区別せず認めることが多くあります。

内縁の妻(配偶者)は死亡退職金を受給できるか

民法の相続人を考える場合、配偶者とは法律上の妻または夫であり、内縁関係は含まれません。しかし、会社の福利厚生や手当の規定では、内縁も法律婚も区別せず認めることが多くあります。

死亡退職金の受給権の第一順位を配偶者(内縁配偶者を含む)、と定める規定を有する会社の従業員Aが死亡した場合を考えてみましょう。

Aには生計を一にしている内縁配偶者の他に、婚姻関係が形骸化している法律上の配偶者もいました。この場合、どちらが死亡退職金の受給者になるのでしょうか。

まず、死亡退職金の性質としては、退職金と同様賃金の後払いとする考え方、社会保障が十分でないことから企業が生活保障的な意味で支払という考え、一種の功労報奨金とする考えなどがあります。

実際にはこれらのどれか一つに限定されるものではなく、これらが混在したものと考えることができます。

死亡退職金の受給権者は?

Aは、24年間会社に勤め死亡退職金や弔慰金が支払われることになりました。その会社の『職員の退職手当に関する規定(退職金支給規定)』によると、死亡退職金の支払いを受ける者の第一順位は内縁配偶者を含む配偶者となっています。

配偶者があるときは子は全く支給を受けることができず、直系血族でも親等の近い父母が孫より先順位となり、嫡出子、非嫡出子は平等に扱われます。

また、父母・養父母間では養方が優先し、死亡した者の収入によって生計を維持していたか否かによって順位に差が生じるというように、民法の規定とは異なっていました。

個人的には、この会社の規定は実態に即していて、民法より優れている部分があるように感じます。

この場合に、Aの相続人が相続財産としてこの死亡退職金の支払いを求めたとしても、それは認められないでしょう。

理由としては、この会社が置いていた規定は、職員の収入に頼っていた遺族の生活保障を目的とし、民法とは別の立場で受給権者を定めたものだからです。

受給権者である遺族は、相続人としてではなくこの会社の規定により直接取得したと考えるのが相当なので、死亡退職金は相続財産に属さないと考えられます。

また、死亡したAと生計を共にしていたのは内縁配偶者なので、死亡退職金の受取人はこの内縁配偶者となるでしょう。

内縁配偶者の相続権(司法書士からの一言)

民法の規定では、内縁の配偶者(妻、夫)は、相続人となりません。したがって、被相続人の財産を相続する権利は一切ありません。

けれども、上記コラムにある死亡退職金のように、受給権者がその固有の権利として受け取るのであれば、相続人であるか否かは関係ないわけです。

それ以外の、被相続人が所有していた不動産や、預貯金、現金などの財産を、内縁の配偶者に残すためにはどうすればよいでしょうか。

相続人以外に財産を引き継がせるためには遺言書の作成が必須です。遺言により、遺贈(遺言による贈与)をすることで、相続人以外の方へ財産を残すことができるのです。

この場合でも、相続人(兄弟姉妹を除く)には遺留分がありますから、必ずしも内縁配偶者にすべての財産を引き継がせることはできないかもしれません。

それでも、遺言書を作成しなければ、内縁配偶者には一切の相続権がないわけですから、絶対に遺言書の作成をしておくべきだといえます。

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