遺留分減殺請求の方法と請求できる時期
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(公開日:2012年4月7日)
民法改正(令和元年7月1日施行)により遺留分制度の見直しがおこなわれています。これにより、かつての遺留分減殺請求は「遺留分侵害額請求」へと変更されています。くわしくは、遺留分制度の見直しをお読みください。
以下は、民法改正前の遺留分減殺請求について書かれたものですのでご注意ください。
遺留分減殺請求とは、遺留分を侵害された遺留分権利者(または、その承継人)から、遺留分を侵害する遺贈・贈与を受けた受遺者・受贈者に対して行うものです。
遺留分減殺請求については、民法により次のように規定されています。
民法第1031条(遺贈又は贈与の減殺請求)
遺留分権利者及びその承継人は、遺留分を保全するのに必要な限度で、遺贈及び前条に規定する贈与(相続開始前の一年間にした贈与など)の減殺を請求することができる。
つまり、遺留分権利者は、遺留分減殺請求をすることで、その遺留分を侵害する遺贈や贈与を受けた受遺者または受贈者から、自らの遺留分に相当する遺産を取り戻すことができるわけです。
なお、遺留分権利者の承継人とは、遺留分権利者の相続人などの包括承継人だけでなく、遺留分減殺請求によって取り戻そうとする財産を譲り受けた人などの特定承継人も含まれます。
ところで、遺贈とは、遺言により相続人以外の第三者に相続財産を与えることです。遺留分減殺請求の相手方は、「遺留分を侵害する遺贈・贈与を受けた」人ですから、相続人以外の者に限られるようにも読めます。
しかし、遺言により相続人に対して指定された相続分が遺留分を侵害する場合であっても、遺贈の場合に準じて取り扱うものとされていますから、もちろん、相続人に対する遺留分減殺請求も可能です。
遺留分減殺請求の方法には決まりがありません。よって、遺留分減殺請求をするとの意思表示をするだけで効力が発生することになります。しかし、遺留分減殺請求の意思表示をしたことを明確にするためにも、配達証明付きの内容証明郵便を利用するのが通常でしょう。
また、遺留分減殺請求ができる期間についても注意しましょう。遺留分減殺請求権は、遺留分権利者が、相続の開始および減殺すべき贈与または遺贈があったことを知ったときから1年、相続開始の時から10年を経過すると時効消滅します。
つまり、被相続人の死亡の事実を知らなかったとしても、10年が経ってしまえば遺留分減殺請求はできなくなってしまうのです。
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