被相続人の債務処理について
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(公開日:2011年12月20日)
亡くなった方に借金(債務)があった場合、法定相続人がその支払い義務を承継します。相続人が複数(共同相続)の場合、各相続人はその法定相続分に応じて、債務の支払義務を引き継ぐことになります。
たとえば、夫が死亡し、その相続人が妻および2人の子供(長男、長女)だった場合、妻が50%、長男、長女が25%ずつ支払義務を負うことになります。これは、子供が未成年だったとしても変わりません。
したがって、生まれたばかりの子供が巨額の債務を負うということも、法律的にはあり得るわけです。
被相続人の債務を引き継がないためには
共同相続人の間で誰が債務を承継するかを取り決めて、その合意内容を文書(遺産分割協議書)にしても、それを債権者に主張することはできません。
つまり、共同相続人間でどのような合意があったとしても、債権者から請求された場合、自らの法定相続分についての支払義務から逃れることはできないのです。そこで、相続財産より債務の方が多い場合には、相続放棄を検討することになります。
相続放棄をするには、家庭裁判所で相続放棄申述の申立てをすることが必要です。この申述が受理されることで、相続放棄者ははじめから相続人でなかったとみなされるので、被相続人の債務を支払う義務を引き継がずに済むのです。
なお、相続放棄は、共同相続人の一部のみがすることもできます。この場合、相続放棄しなかった(単純承認した)相続人が、その相続分に応じて、被相続人の遺産および債務を承継します。
一部の共同相続人のみが相続放棄する場合
被相続人が事業を営んでいた場合などは、現時点での債務が、プラスの財産の額を明らかに上回っているとしても、その権利義務を承継すべきこともあるでしょう。この場合、たとえば事業を引き継ぐ長男のみが相続を単純承認し、他の共同相続人は相続放棄をすることも可能です。
また、被相続人の債務の状況がなかなか判然としない場合に、一部の相続人を残して、他の相続人が相続放棄することもあるでしょう。
私が取り扱ったケースでは、被相続人が不動産を所有しているが、債務も多額に上る可能性があったため、妻のみが相続を単純承認して、子供たちは相続放棄の手続をしたことがあります。
被相続人が個人事業を営んでいたため、どこにどれくらいの債務があるのかはっきりせず、相続放棄できる期間(3ヶ月の熟慮期間)を延長しても決定は難しいと考えられました。また、唯一のめぼしい財産は区分所有のマンションだけだったので、限定承認を選択するのも費用面から得策ではありませんでした。
そこで、後になって多額の債務があることが分かった場合には、自己破産などの債務整理手続をすることになるのを承知の上で、妻のみが相続を単純承認したのです。
このときは、子供たちが未成年だったため相続放棄をする際に、子供たちの特別代理人の選任も必要となり、多くの手続が発生しました。それでも、結果的にはマンションを残すことができ、そのまま子供たちと住み続けることが出来たのです。
参考判例
相続人数人ある場合において、相続財産中に金銭の他の可分債権あるときは、その債権は法律上当然分割され各共同相続人がその相続分に応じて権利を承継するものと解すべきである(最高裁判所第一小法廷昭和29年4月8日判決)
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