相続放棄のための特別代理人選任(家庭裁判所) | 松戸の高島司法書士事務所

法定相続人は、亡くなった方(被相続人)の遺産を引き継ぐ(相続する)のと同時に、負債(債務)についても相続により引き継ぎます。 被相続人に借金があったとしても、残された遺産の方が債務より多ければ、遺産を処分することで債務の …

相続放棄のための、特別代理人の選任

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(公開日:2011年12月8日)

法定相続人は、亡くなった方(被相続人)の遺産を引き継ぐ(相続する)のと同時に、負債(債務)についても相続により引き継ぎます。

被相続人に借金があったとしても、残された遺産の方が債務より多ければ、遺産を処分することで債務の支払に充てれば済みます。しかし、債務の方が多かった場合には、亡くなった親の借金を支払うために一生を費やす結果にもなりかねません。

そんなときは、家庭裁判所で相続放棄の申述手続をすることで、債務の支払義務から逃れることができるのですが、相続人が未成年者である場合には、自分で相続放棄の申述手続をすることはできません。

なぜなら、相続放棄をすれば、被相続人の債務だけでなく、一切の遺産も引き継がなくなるのであり、そのように重要な行為を未成年者自身がおこなうことは認められないのです。

親権者が未成年者の代理人として相続放棄申述できない場合

そこで、未成年者が相続放棄の申述手続をする際には、親権者が法定代理人として家庭裁判所に申立てをすることになっているのですが、親権者と未成年者の関係によっては、親権者が法定代理人になれないことがあります。

それは、未成年者とその親権者との間に利害が対立する場合であり、具体的には次のようなケースです。

  1. 親権者と、その親権に服する未成年者とが共同相続人であって、未成年者のみが相続放棄申述をする場合(親権者が先に相続放棄をしている場合を除く)。
  2. 複数の未成年者の親権者が、一部の未成年者のみを代理して相続放棄申述をする場合。

1の場合には、子だけに相続放棄させることで、親権者である親が遺産を独占してしまう恐れがあるからです。また2では、一部の子だけが利益を得るような結果になる可能性があります。

このような場合に、親権者が、その親権に服する未成年者の相続放棄手続を代理するのは、利益相反行為となるため許されません。そこで、未成年者のための特別代理人の選任を家庭裁判所に請求し、特別代理人が未成年者に代わって相続放棄申述の手続をするのです。

特別代理人の選任手続について詳しくは、松戸の高島司法書士事務所ホームページの「特別代理人選任」をご覧ください。また、ご不明な点があればお気軽にお問い合わせください。

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