前妻との間に子供がいる場合の相続手続きの注意点
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(公開日:2014年2月4日)
相続登記などの遺産相続をする際、被相続人に前妻との子がいることが原因で、手続きが困難になることがあります。
このような場合、被相続人自身が生前に対策をおこなっておくことが極めて重要なのですが、まずはその理由を解説する前に、夫婦が離婚した場合の子どもの相続権について確認しておきます。
両親の離婚と、子どもの相続人としての権利
夫婦が離婚したとしても、子どもの相続権には何ら変わりがありません。たとえば、子どもが未成年のうちに離婚し、母親が親権を持ったとします。この場合であっても、父親が亡くなったときには、その子どもは父親の相続人となります。
したがって、再婚後にも子どもがいたとすれば、再婚の前後どちらの子どもも相続人となるわけです。このようなケースで、被相続人自らが生前に何の対策も講じておかなかった場合には、遺産相続手続きをするに際して問題が生じる可能性が高いといえます。
遺産分割協議の当事者は誰になるのか
被相続人が遺言書を作成していない場合、相続登記などの遺産相続手続きをするにあたって、相続人の全員による遺産分割協議をおこなう必要があります。
そこで、相続人の全員に該当するのが誰であるのかを確定させるために、まずは被相続人の出生から死亡に至るまでのすべての戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍)を集める必要があります。これらの戸籍謄本などの記載を確認することで、被相続人の子どもの全員が判明するのです。
被相続人である父の死後に戸籍を集めたことによって、はじめて前妻との間に子がいるのが判明したという話も決して珍しくありません。この場合、見ず知らずの相続人に対して、遺産分割協議への協力を求めなければならいことになります。
そのような状況で、すんなりと協力が得られる見込みは低いと考えるのが通常でしょう。
遺産分割協議が困難な場合の方策
それでも、前妻との子ども達に対しても、その相続分に相当する財産を渡そうとするのであれば、遺産分割への協力が得られるかもしれません。
しかし、主な相続財産が自宅(土地家屋)のみであるようなときには、相続財産そのものを分けることが困難です。この場合、相続人が自分自身の財産によって、他の相続人へ代償金の支払いをするのが第一の選択肢です。
上記の方法を代償分割といいますが、それが無理な場合には、相続財産である自宅不動産を売却せざるを得ないことも考えられます(換価分割)。そのような事態になるのを恐れ、不動産の名義変更をすぐにおこなうのはあきらめて、当面はそのまま住み続けることを選択するケースもあるようです。
前妻との子ども達と、被相続人が全くの没交渉になっていたとすれば、相続が開始したことも知らずにいる可能性が高いでしょう。したがって、その事実を知らせずにいれば、遺産分割協議をすぐにおこなわずにいても大きな支障は生じないこともあります。
専門家としては推奨すべきでは無い手段ですが、現実的な選択肢としてはやむを得ないのかもしれません。
生前におこなうべき対策。遺言書の作成が必須です
前妻との間に子どもがいる場合など、相続人による遺産分割協議が困難だと予想される場合には、遺言書を作成しておくことが必須です。
とくに公正証書遺言を作成しておくのがベストです。自筆証書遺言の場合には検認手続きが必要なので、家庭裁判所から検認期日が全ての相続人に通知されます。したがって、他の相続人が検認のときにやってくることもあります。
それが、公正証書遺言であれば、他の相続人と顔を合わせたり、協力を求めること無しに遺産相続手続きを進めることが可能です(ただし、遺言執行をおこなうにあたり、他の相続人への通知をおこなうことは必要です)。
もしも、生前は他に子どもがいることを内緒にしていたとしても、自らの財産の分割方法を公正証書遺言により示しておくことで、残されたご家族にかかる負担を少しでも軽くすることができるのです。
遺言書作成も司法書士にご相談ください
松戸の高島司法書士事務所では、遺言書の作成についても豊富な経験があります。
公正証書遺言を作成する場合の公証人との事前打ち合わせも、司法書士を通じておこなうことができます。また、当事務所で公正証書遺言の作成に必要な証人2人を用意することも可能ですから、ご家族に知られることなく手続きがおこなえます。
まずは、お気軽にお問い合わせください。司法書士がお話を伺ったうえで、最適な方法をご提案いたします。
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