相続財産(土地)の売却と譲渡所得税

日本経済新聞の連載「司法書士が見た 相続トラブル百科」、今回の記事タイトルは「相続税ゼロでも安心できない 遺産処分の現実」です。 相続税については、現行制度では基礎控除額が「5000万円+1000万円×法定相続人の数」あ …

相続税ゼロでも安心できない遺産処分の現実(相続財産の売却と所得税)

日本経済新聞の連載「司法書士が見た 相続トラブル百科」、今回の記事タイトルは「相続税ゼロでも安心できない 遺産処分の現実」です。

相続税については、現行制度では基礎控除額が「5000万円+1000万円×法定相続人の数」あります。たとえば、法定相続人が妻および子2人の3人であれば、8000万円が基礎控除額となるわけです。

そのため、相続税の課税対象となるのは、発生した遺産相続全体のうち4,5%程度に過ぎません。2015年からは基礎控除額が「3000万円+600万円×法定相続人の数」へと一気に縮小するものの、それでも相続税がかからない家庭が多数であることには変わりありません。

相続した土地の売却と所得税

この記事で注意喚起をしているのは、相続した財産を処分したときの所得税等についてです。

土地などの不動産を相続する際には、相続税がかからずに済んだとします。けれども、相続した後に土地を売却するということは、つまり、自分が所有している土地を売却するのに異なりません。

そこで、相続税はかからなかったとしても、売却にともなう譲渡所得等の負担に注意が必要だということです。上記記事中に次のような記述があります。

「遺産の受け取り」には相続税の心配がなかったとしても、その後に「受け取った遺産を処分して現金化」すれば、無税というわけにはいかないケースが出てきます。受け取った遺産の処分が13年中だとすれば、まさにこれから「14年2月17日~3月17日までの間に確定申告を行い、所得税を納税しなければならない」可能性が生じているかもしれません。

譲渡所得の税額の計算方法

土地や建物を売ったことによる譲渡所得に対しては、所得税15%、住民税5%がかかります(さらに、復興特別所得税として、所得税額の2.1%が所得税に加算されます)。

譲渡所得の金額は、土地や建物を売った金額から取得費と譲渡費用を差し引いて計算します。売ったのが土地の場合の取得費、譲渡費用は次のとおりです。

取得費:購入代金や購入手数料など
譲渡費用:仲介手数料、測量費、建物の取り壊し費用など

相続により取得した土地の取得費は、被相続人がその土地を購入したときの購入代金や購入手数料などを基に計算します。したがって、先祖代々引き継がれているような土地の場合には、取得費が極端に低いこともあるわけです。

取得費が分からない場合には、取得費の額を売った金額の5%相当額とすることができます。実際の取得費が売った金額の5%相当額を下回る場合も同様です。いずれにせよ、取得費の下限は、土地の売却金額の5%であるわけです。

このような低い取得費で譲渡所得の税額を計算すると、非常に高額になることがあります。

長期譲渡所得の税額の計算例

相続した土地の譲渡価額が3,000万円、取得費が150万円(譲渡価額の5%)、譲渡費用(仲介手数料など)が100万円だったとすると税額は次のように計算出来ます。

課税長期譲渡所得金額: 3000万円-(150万円+100万円)=2750万円

上記により計算した、課税長期譲渡所得金額にそれぞれの税率をかけます。

1.所得税 2750万円×15%=412万5000円
2.復興特別所得税 8万6625円
3.住民税 2750万円×5%=137万5000円

なんと合計で558万6625円もの税金がかかるわけです。土地を売却したことで現金を手にしているわけですから、納税資金に困るケースは少ないにしても、遺産分割協議をした時点でこのような負担が生じることを知らなかったとすれば問題が生じることもあるでしょう。

近年に購入した土地であれば大幅に値上がりしてるケースは少ないでしょうから、譲渡所得金額が大きくなることも無いわけです。したがって、譲渡所得による税金のことを心配する必要性は低いのですが、大昔に取得した土地を相続した場合には注意が必要なわけです。

なお、税金については税理士にご相談ください。ただし、必要に応じて当事務所から税理士をご紹介することも出来ますから、相続のことならまずは何でも当事務所にご相談いただけます。

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