相続人(胎児の相続権、相続欠格・排除)

推定相続人の廃除が認められるのは、被相続人に対する虐待、もしくは重大な侮辱を加えたとき、またはその他の著しい非行があったときです。推定相続人の廃除が認められたとすれば、遺留分の権利すら失われるという強力な効果を持つものですから、排除事由に該当するかの判断は慎重におこなわれます。

相続人(胎児の相続権、相続欠格・排除)

「胎児は、相続については、すでに生まれたものとみなす」という規定が民法にあります。ただし、胎児が死体で生まれた場合はこの規定は適用されないことも民法に書かれています。この規定ですが、胎児が生きて生まれれば遺産分割の権利があると考えます。ですから、胎児が生まれる前に遺産分割をすると、生まれた後で分割をやり直すことになります。したがって、胎児が生まれるまで待って遺産分割を行うのが良いでしょう。

胎児の父親が死亡し、母親が法律上の夫婦であった場合、胎児が生まれてくれば母子で相続人となります。しかし、母親が父親と婚姻関係になかった場合、母親には相続権がありませんので胎児のみが相続することになります。しかし、この場合でも胎児が生まれた時の法定代理人は母親となりますので、胎児に代わり相続財産の管理などを行うことになるでしょう。

相続欠格と排除

次に、相続人が資格を失う場合について考えます。これは相続人の意思に反して資格を奪われる場合と、相続人の意思で資格を放棄する場合があります。

推定相続人が、相続開始前に意思に反して資格を失う場合とは、法律上当然に相続人ではなくなる「相続欠格」と、被相続人が相続されることを望まず客観的に見てももっともと思われるときに、資格をはく奪する「廃除」があります。

相続欠格となるのは、被相続人や自分より相続順位が高いものや同順位の者を殺害、または殺害しようとした者、被相続人が殺害されたと知りながら告訴告発しなかった者、遺言を偽造・変造・破棄・隠匿した者など相続するのが正義に反するような場合です。

したがって、自分に有利な遺言を破棄した場合、正義に反するとまでは言えず相続欠落には当たりません。

相続欠格ほどひどくなくても、被相続人との人間関係や信頼関係が破壊され、相続させたくないと感じる場合家庭裁判所の審理または調停によって相続権を奪う事ができます。これを廃除と言います。廃除は遺言ですることもでき、この場合は遺言執行者が家庭裁判所に廃除の請求をすることになります。

推定相続人の廃除について(司法書士からの一言)

推定相続人の廃除は、民法892条で次のように定められています。

遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。

推定相続人の廃除が認められるのは、被相続人に対する「虐待」、もしくは「重大な侮辱を加えた」とき、またはその他の「著しい非行があった」ときです。推定相続人の廃除が認められたとすれば、遺留分の権利すら失われるという強力な効果を持つものですから、排除事由に該当するかの判断は慎重におこなわれます。

たとえば、東京高等裁判所平成8年9月2日決定では、排除事由に該当するかの判断基準について次のように示されています。

推定相続人の廃除は、遺留分を有する推定相続人が被相続人に対して虐待及び侮辱並びにその他の著しい非行を行ったことが明らかであり、かつ、それらが、相続的共同関係を破壊する程度に重大であった場合に、推定相続人の相続権を奪う制度である。

右廃除は、被相続人の主観的、恣意的なもののみであってはならず、相続人の虐待、侮辱、その他の著しい非行が客観的に重大なものであるかどうかの評価が必要となる。その評価は、相続人がそのような行動をとった背景の事情や被相続人の態度及び行為も斟酌考量したうえでなされなければならない。

子供のうちの一人と折り合いが悪いから、その子供は排除してしまおうなどということは認められないわけです。

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